NBAドラフト2017:ロサンゼルスレイカースはロンゾ・ボール中心のチーム編成へ。

今年のドラフトでの注目の1つは、2位指名権を持つロサンゼルスレイカース(LAL)がロンゾ・ボールを指名するかどうか、ということでした。
LALにはボールとポジションの重なる有望な若手、ディアンジェロ・ラッセルがおり、ラッセルとボールのどちらかを選ぶのか注目が集まりました。

結果として、LALはラッセルではなく、ボールを選択。
LALはドラフト前にラッセルをトレードで放出し、ドラフトでボールを指名しました。
ドラフトでは、カイル・クズマ(ユタ大)、ジョッシュ・ハート(ビラノヴァ大)、トーマス・ブライアント(インディアナ大)を獲得。

ボールを核の1人としたチーム作りへのシフトが感じられるドラフトとなりました。


身体測定


※ロンゾ・ボールの数字は非公式

体力測定


※ロンゾ・ボールは不参加

スタッツ







ロンゾ・ボール

ポジション:PG
大学:UCLA
学年:フレッシュマン


今年のドラフトで最も話題を呼んだのは1位指名のマーケル・フルツでは無く、ロンゾ・ボールで間違いないでしょう。
高校時代にはチームをシーズン無敗のままカリフォルニア州チャンピオンに導き、Mr. Basketball USAやNaismith Prep Player of the Yearにも選出。
UCLAでは前シーズンにプレーオフを逃していたチームを生まれ変わらせ、Consensus first-team All-American、Pac-12 Freshman of the Yearを受賞。
チームを勝たせるという意味では、今年ドラフトされたPGの中でも最も優れた実績を持つのがこのロンゾ・ボールです。

得意とするのはアップテンポな速攻中心のゲームスタイル。
速攻を創造する能力は他の追随を許さず、早い流れの中でチームメイトに素晴らしいアシストを供給します。
一方でハーフコートのコントロールにはまだ経験が必要で、ボールの力を最大限に活かす為には、ボールのスタイルにフィットするプレイヤーを揃える必要があるでしょう。

今年のドラフトでLALが指名した選手は、シュートエリアの広さ、機動力の高さ、オフェンスでの万能性を備えており、ボールにフィットしそうな選手ばかり。
LALはボール中心のチームへと舵を切った様です。

カイル・クズマ

ポジション:PF
大学:ユタ大
学年:ジュニア



First-team All-Pac-12にも選出されているユタ大出身のクズマ。
特に身長が高いわけでも、ウイングスパンが長いわけでも無いけれど、ハンドリングスキルも良く、シュートエリアも広く、視野の広さも持っているので、現代的なPFとしてNBAにフィットしそう。
シュートエリアは広いけれど精度はまだ...といった感じですが。

アジリティは特筆すべき数字を残しており、ディフェンスとリバウンドで期待が出来そうです。
機動力の高さは速攻中心のオフェンスの中でも活きてきそうです。
UCLAでは、ミスも目立つボールを器用なPFのT.J・リーフが上手くサポートしており、クズマにもその役割が求められるでしょう。

ジョッシュ・ハート

ポジション:SG
大学:ビラノヴァ大
学年:シニア


2016年にはエースとしてNCAAトーナメント制覇を経験。
得点力、リバウンド、アシスト、ディフェンスとどれを取っても優秀。
Big East Player of the Year受賞、Consensus first-team All-American選出とカレッジ屈指の万能性と実績を持つSGです。

スピードや身体能力の高さで勝負するというよりも、身体の強さを武器にする選手。
万能性も高く、ボールの弱点を補完する選手としては理想的。
ボールとの相性も良く、ニック・ヤングもFAとなるので、ルーキーイヤーから多くの出場時間を得る可能性もあるのではないでしょうか。

トーマス・ブライアント

ポジション:C
大学:インディアナ大
学年:ソフォモア


ソフォモアのシーズンに伸び悩み、ドラフトでの評価は期待された様に上がらなかったブライアント。
ウイングスパン、機動力、シュートエリアの広さと凄まじいポテンシャルを秘めており、大化けが期待されるプレイヤー。

ウイングスパンのお陰でスタンディングリーチは、今年のドラフトで指名を受けた選手の中で1位タイ。
アジリティの数字もCの中では突出しており、将来的にはインサイドのディフェンスでボールを支える守護神に成長してくれる期待が持てます。

オフェンス面でも機動力の高さ、シュートエリアの広さを兼ね備えており、ボールとの相性は良好。
FTも70%超えと素材系のCとして中々。
ボールとの相性の良さもあり、数年後には2017年のドラフト屈指の好ピックと呼ばれるかもしれません。

LALの指名からはボール中心へのシフトの意向が強く感じられます。
ボールがLALを再度強豪に押し上げることが出来るかどうかに確証はありませんが、きっちりとロンゾを中心にするという方向性は明確に見て取れ、中途半端な指名よりはよっぽど良い様に感じます。
ボール体制へのシフトが結果にどう結びつくか、注目のシーズンとなりそうです。



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