NBAドラフト2020:ポジション別注目選手【C/PF編】

PG編に続いてC/PF編を。今年はドラフト1位指名候補を始め昨年のドラフトと比較するとフレッシュマンが粒ぞろい。現代的な選手よりもトラジショナルなビッグマンが多く、現代バスケにフィット出来るかどうかが活躍の1つのキーとなるだろう。素材型の選手が多く、指名チームの育成力も問われる。

記載している身長はESPNに載っている公称。スタッツは2020年1月2日時点の数字を。これも数日以内には書ききりたいなと。公式のハイライトで良いものがない選手は高校時代のモノでご勘弁を。

ジェームス・ワイズマン

学年:フレッシュマン
大学:メンフィス大
ポジション:C
身長:215.9cm
主な受賞歴:ゲータレードナショナルプレーヤーオブザイヤー/マクドナルドオールアメリカン/ジョーダンブランドクラシック/NIKEフープサミット
スタッツ:23分19.7得点10.7リバウンド0.3アシスト0.3スティール3.0ブロック1.0TO
予想指名順位:3位以内


高校時代にゲータレード選出の高校年間最優秀選手賞を獲得しているジェームス・ワイズマン。高校時代の諸々により出場停止処分を受けた後にメンフィス大を去ることを決意。ワイズマンのカレッジでのキャリアは僅か3試合で終わりを迎えた。

高校時代には試合ごとのムラが指摘されていたが、カレッジでは黙々と献身的なプレーを見せていた。リバウンドから速攻の先頭を走るビッグマンとしては驚異的な機動力、恵まれたサイズとウイングスパン、柔らかいシューティングタッチを備える将来のスター候補。オフェンススキルは発展途上だが、ボールタッチにもセンス見せ、磨けば光る原石。

アンソニー・デイビスにも比較されるが、現状ではプレーエリアはインサイド近辺に限定され、どちらかというとケビン・ガーネットの方がイメージが近いかなと。試打数こそ少ないが、スムースなターンアラウンドジャンパーを持ち、安定して決めることが出来る様になれば、NBAでも通用するだろう。

特筆すべき点の1つが彼のボールキャッチ。肩の可動域が広く、どんなパスでもキャッチし、リングに叩き込んでしまう。Cプレーヤーとしてワイズマン程の逸材は今後数年は出てこないだろう。

バーノン・キャリーJr

学年:フレッシュマン
大学:デューク大
ポジション:C/PF
身長:208.3m
主な受賞歴:マクドナルドオールアメリカン/ジョーダンブランドクラシック/NIKEフープサミット
スタッツ:23.6分17.9得点9.0リバウンド0.7アシスト0.6スティール2.2ブロック1.7TO
予想指名順位:10位以内


元NFLプレーヤーを父に持つバーノン・キャリーJr。2017年にはUSA代表としてU16アメリカ選手権に出場し、大会MVPを受賞している。

カレッジレベルでも圧倒的なパワーとクイックネスを有し、ローポストでのポジション取りの時点でディフェンスを圧倒し既に勝負がついているパターンが多々見られる。FG成功率は60%を超え、ワイズマンがカレッジを去った今、最も安定した活躍を見せるビッグマンの1人。主戦場はインサイドだが、シュートタッチは柔らかくシーズンでの3PT成功率は4/7と本数は少ないが悪くない。

シュートタッチは良いものの、それを最大限に活かすためには、ハンドリングを向上させ自身でオフェンスをクリエイトする力を身につける必要がある。

今年の2月で19歳になる若い選手であり、チームの育成次第では大化けが期待出来る選手だろう。

アイザイア・スチュワート

学年:フレッシュマン
大学:ワシントン大
ポジション:C/PF
身長:205.7cm
主な受賞歴:マクドナルドオールアメリカン/ジョーダンブランドクラシック/NIKEフープサミット
スタッツ:30.5分19.2得点8.8リバウンド0.7アシスト0.3スティール1.6ブロック1.9TO
予想指名順位:ロッタリー

白33番

強靭なフィジカルと223.5cmとも言われる長いウイングスパンをが売りのビッグマン、アイザイア・スチュワート。航行はインディアナの強豪La Lumiere Schoolの出身で、ジャレン・ジャクソンJrやジョーダン・プールの後輩にあたる。

ペイントエリア内では完成されたフィジカルとステップワークを武器に支配的なプレーを見せるが、ミッドレンジ以上のシュート精度は...
FT成功率は73.4%でビッグマンとしては上々の数字なので、今後改善が見込めるのかもしれない。

今ドラフトでのライバルはバーノン・キャリーJrとなるが、シュートエリアとクイックネスでは見劣りがする。長いウイングスパンを有しながら平均1.6ブロックは物足りない。キャリーと並び、現在のカレッジで最も生産性の高いビッグマンの1人であるが、NBA向きかどうかには疑問符が付く。

ジェイレン・スミス 

学年:ソフォモア
大学:メリーランド大
ポジション:PF/C
身長:208.3cm
主な受賞歴:Big Tenオールフレッシュマンチーム/マクドナルドオールアメリカン/ジョーダンブランドクラシック/NIKEフープサミット
スタッツ:28.2分13.1得点10.1リバウンド1.0アシスト0.9スティール2.4ブロック2.1TO
※2020年1月5日時点
予想指名順位:ロッタリー


昨季終了時点でアーリーエントリーしていれば高い確率で指名を受けていたビッグマン。体格は華奢だがクイックで機動力が高く、1年目から活躍を見せていた。

今季は昨季からの飛躍が期待される中、キッチリ平均ダブルダブルを記録中。昨季の平均1.2ブロックから今季は2.4ブロックとブロック数は倍増。ディフェンスでの存在感を大きく増した。メリーランド大はガードやウイングに攻撃的な選手が揃う為、平均得点数は昨季からの微増にとどまっているが、スクリーナーやつなぎ役として気の利くプレーが出来る。成功率は28%と低確率だが、試投数は1試合2本弱で3PTも打てる。FT成功率は75%と中々良いので、シューティングは向上しそう。

クラシックなタイプのビッグマンが多い今年のドラフトの中では、数少ない現代バスケにフィットしそうなタイプ。

オニエカ・オコングー

学年:フレッシュマン
大学:USC
ポジション:PF/C
身長:205.7cm
主な受賞歴:カリフォルニア州Mr.バスケットボール
スタッツ:28.7分18.4得点9.2リバウンド1.0アシスト1.2スティール3.2ブロック1.9TO
※2020年1月5日時点
予想指名順位:ロッタリー


高校時代はチノヒルズ高校でボール兄弟と共にプレーしたオコングー。高校時代から定評のあったディフェンスはカレッジでも健在。平均ブロック数でNCAA全体の8位にランクインしている。

リング周りでのシュートタッチは良く、カレッジではオフェンスでも平均18.4得点を記録中。プレーエリアは狭いが機動力に優れ、ボール兄弟とプレーしていたこともありフィニッシャーとして合わせるプレーも上手い。

ディフェンスの良いロールプレーヤーとしてNBAでも重宝される選手に成長することが期待される。

プレシャス・アチュワ

学年:フレッシュマン
大学:メンフィス大
ポジション:PF/SF
身長:205.7cm
主な受賞歴:マクドナルドオールアメリカン/Nikeフープサミット
スタッツ:28.2分15.4得点10.4リバウンド1.0アシスト1.1スティール2.0ブロック2.7TO
※2020年1月19日時点
予想指名順位:ロッタリー


ナイジェリア出身のビッグマン、プレシャス・アチュワ。ジェームス・ワイズマンの去ったメンフィス大のインサイドで奮闘を見せている。

ウイングスパンは219.1cmと言われており、NBAでもインサイドでプレー出来る高さを備え、クイックネスと機動力は高水準。平均10.4リバウンドと2.0ブロックとディフェンスでの貢献度も高い。目下6試合連続でダブルダブルを達成中で安定感の高いハードワーカー。

現在の主戦場はインサイドだが、ドライブの切れ味も鋭い。コンボフォワード系の選手で3PTは試投数こそ少ないが、成功率は40%と上々。しかしながらFT成功率は56.1%なので、アウトサイドシュートのセンスは怪しい所。ウイングに出るよりも機動力の高いインサイドとしてプレーする方が彼の能力は活きるだろう。

ジーク・ナージ

学年:フレッシュマン
大学:アリゾナ大
ポジション:PF/C
身長:210.8cm
スタッツ:29.1分16.5得点8.5リバウンド0.8アシスト0.5スティール1.1ブロック2.2TO
※2020年1月13日時点
予想指名順位:1巡目下位-2巡目


アリゾナ大フレッシュマントリオの一角として、開幕前の予想を大きく上回る活躍を見せるジーク・ナージ。FG成功率66.2%と非常に優秀なフィニッシャー。爆発的ではないが、スムースな動きが魅力。

華奢な身体だが、器用なハンドリングとステップワークでインサイドを席巻している。シュートタッチも柔らかく、ミドルレンジのシュートには非凡なセンスを見せる。FT成功率も79.8%とビッグマンとしては優秀。

機動力が高いにも関わらず、0.5スティール1.1ブロックは物足りなさは拭えない。

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