NBAドラフト2020:ポジション別注目選手【PG編】

年が明け遂に2020年に。今年6月のNBAドラフトに向け、注目選手の予習を。というわけで最初はPGから。層が薄いと予想される今年のドラフトにあって、最も充実しているポジションがPG。1巡目後半から2巡目で取れそうな上級生にも完成度の高い選手が揃う。

現在ブレーク中のデボンテ・グレアム(シャーロットホーネッツ)の活躍を見ると、実力派の上級生から当たりが出てくる可能性も十分にあるだろう。

スタッツは2020年1月1日時点の数字、身長はESPNに乗っている公称を記載。以前は裸足身長に拘っていたけれど、結局バスケは靴を履いてするスポーツなので、あまりそこに拘っても意味がないかなと。

非公式のハイライトは個人的に好きではないので、カレッジでの良いハイライトが見つからない場合は高校のハイライトでご容赦を。

コール・アンソニー

学年:フレッシュマン
大学:ノースカロライナ大(UNC)
ポジション:PG
身長:190.5cm
主な受賞歴:マクドナルドオールアメリカンMVP/ジョーダンブランドクラシックMVP/NIKEフープサミットMVP
スタッツ:33.1分19.1得点6.3リバウンド3.6アシスト1.9スティール0.4ブロック3.8TO
予想指名順位:5位以内


シーズン初戦で34得点をあげ、フレッシュマンデビュー戦でのUNCの大学記録及び所属カンファレンスであるACCの記録を破る鮮烈なデビューを飾ったコール・アンソニー。元NBA選手のグレッグ・アンソニーを父に持つサラブレッドで、高校時代には主要オールスター戦全てでMVPを獲得。バスケ専門誌"SLAM"の表紙を高校生にして単独で飾った高校バスケ界のカリスマだ。

スコアリングタイプのPGでチーム首位の平均19.1得点を記録している。一方でシュートセレクションが良いとは言えず、無謀なシュートが目に付く。その結果、FG成功率は36.8%と壊滅的。現在膝の故障で戦線を離脱しているが、このFG成功率の低さは痛みを抱えてプレーしていたことに起因している可能性もある。また、今季のUNCは得点力不足を露呈しており、アンソニーが強引にでも得点を狙わなければいけない状況だ。

平均3.6アシストは寂しい数字にも見えるが、この数字にはUNCのチームとしての決定力不足が影響しており、決してパスが出せないガードではない。また、1対1のディフェンスにも優れている。

膝の故障からの復帰は2-3週間後の予定。怪我により評価を下げているが、復帰後にまた評価を上げ、なんやかんやで5位以内に落ち着くと予想している。

ニコ・マニオン

学年:フレッシュマン
大学:アリゾナ大
ポジション:PG
身長:190.5cm
主な受賞歴:マクドナルドオールアメリカン/NIKEフープサミット
スタッツ:30.5分14.6得点1.9リバウンド6.2アシスト1.2スティール0.0ブロック2.4TO
予想指名順位:10位前後

白背番号1

元NBA選手のペース・マニオンを父に持つニコ・マニオン。イタリアで生まれた為、イタリア国籍も持ち、既にイタリアのフル代表でのデビューも果たしている。

高校時代はスコアリング特化型のガードだったが、カレッジではコントロール力も証明。カレッジのガードとして1試合平均6.2アシストは立派な数字だ。FT成功率は84%を記録しておりシュート精度にも安心出来る。

トップスピードは速いがクイックなタイプでは無く、クイックネスに優れるガードに対してのディフェンスは課題。フィジカルコンタクトに対する強さも向上させる必要があるだろう。

"ここが飛び抜けて凄い"という選手ではないが、正統派のスコアリングガードとして信頼のおける選手ではある。

タイリース・ハリバートン

学年:ソフォモア
大学:アイオワ州立大
ポジション:PG
身長:195.6cm
主な受賞歴:U19ワールドカップベスト5
スタッツ:35.5分17.3得点4.2リバウンド7.7アシスト2.5スティール0.5ブロック2.5TO
予想指名順位:ロッタリー


ウイングスパンにも恵まれたビッグガード。元NBA選手のエディー・ジョーンズの甥っ子でもある。昨夏のU19 ワールドカップにUSA代表メンバーとして出場。スターティングPGとして大会ベスト5にも選出され、今季のブレークを予感させた。

ハーフコートでもオールコートでもアシストを供給できる優れた視野の広さ、2シーズン連続で3PT成功率40%を超えるアウトサイドのシュート力、長いウイングスパンを駆使したディフェンスが魅力。現代バスケにフィットする要素を持ち合わせ、大化けを期待せる選手。10位以降の指名であれば、今ドラフトきってのお買い得な指名になる可能性が高いかなと。

アシュトン・ヘイゲンス

学年:ソフォモア
大学:ケンタッキー大
ポジション:PG
身長:190.5cm
主な受賞歴:SEC最優秀ディフェンス選手賞
スタッツ:32.8分13.4得点3.9リバウンド7.3アシスト2.1スティール0.2ブロック3.2TO
予想指名順位:1巡目下位-2巡目上位


強豪ケンタッキー大学のソフォモアガード、アシュトン・ヘイゲンス。近年多くのガードをNBAに輩出しているケンタッキー大のガードとあって期待は高い。

ウイングスパンと優れたクイックネスを有し、ボールマンへのディフェンスはカレッジでも屈指。昨季はフレッシュマンにしてトレモント・ウォーターズと共にカンファレンスの最優秀ディフェンス選手賞を獲得している。今季のケンタッキーにはヘイゲンスを始め、ディフェンスに優れたガードが揃い、対戦相手を悩ませている。

2年目の今季はアシスト数も大きく伸ばし、ゲームコントロール力の高さも示している。アウトサイドシュートの精度には疑問符が付くが、FT成功率は8割を超えているので、シューティング自体は決して下手ではない。

スター候補ではないが、2番手3番手として強豪チームで貢献出来るタイプの選手になると期待している。1巡目後半以降で獲得できればコスパの良いドラフト指名となるはず。

デボン・ドットソン

学年:ソフォモア
大学:カンザス大
ポジション:PG
身長:188cm
主な受賞歴:Third-team All-Big 12
スタッツ:34.6分18.8得点4.0リバウンド4.6アシスト2.3スティール0.0ブロック2.7TO
予想指名順位:1巡目下位-2巡目上位


カンザス大のスピードスター、デボン・ドットソン。故障や期待の選手の不調で不完全燃焼に終わった昨季のカンザス大にあって、ドットソンの活躍は数少ない明るい話題だった。

今季はチーム首位の18.8得点をあげ、名門カンザス大のオフェンスをリード。カンザス大のガードらしい強気なプレーが光る。抜群の速さのファーストステップを武器に、アンストッパブルなドライブを見せる。クイックネスに関しては今年のPGの中でNO1かもしれない。

フィニッシュのパターン、ゲームメイク、アウトサイドシュートの安定感には課題を残すが、現時点でカレッジを代表するガードの1人であることに疑いの余地はない。多くの先輩達の様に卒業まで残ってほしいが、その可能性は高くないだろう。

カシアス・ウィンストン

学年:シニア
大学:ミシガン州立大(MSU)
ポジション:PG
身長:185.4cm
主な受賞歴:Big Ten最優秀選手賞/2ndチームアールアメリカン
スタッツ:31.1分17.6得点2.0リバウンド6.1アシスト1.3スティール0.1ブロック2.8TO
予想指名順位:1巡目下位-2巡目中位


昨季MSUをFinal4に導いたカレッジ屈指の司令塔。シーズン開幕前はカレッジ最優秀選手の呼び声も高かった。

オールコート、ハーフコート共にゲームをコントロール出来、ドライブからでも3PTでも高確率で得点可能。得点パターンも多彩でピックからの展開も上手い非常に完成度の高い選手。シーズン序盤はウィンストンにディフェンスが集中し主要スタッツは軒並み昨季より低下しているが、同じくシニアでシューターのジョシュア・ラングフォードが復帰すれば、ウィンストンの負担も軽減されより支配力の高いプレーを見せてくれるだろう。懸念事項はクイックなガードへのディフェンスだろうか。

今季シニアとなる年齢、小さめのサイズはドラフト評価には不利。身体的に突出した所のある選手ではないが、確かな技術のある選手。経験豊富なシニアであり、シーズン終盤のトーナメントシーズンに照準を合わせ、調子を上げてきてくれるだろう。

トレー・ジョーンズ

学年:ソフォモア
大学:デューク大
ポジション:PG
身長:190.5cm
主な受賞歴:ACCオールフレッシュマンチーム
スタッツ:33.5分14.6得点3.9リバウンド7.4アシスト2.0スティール0.4ブロック3.2TO
予想指名順位:1巡目下位-2巡目上位



昨季もデューク大でスターティングPGを務めたトレー・ジョーンズ。昨季終了時点でアーリーエントリーをすれば指名を受ける可能性が高かったがカレッジに残留。2015年にデューク大をNCAAトーナメント制覇に導いたタイアス・ジョーンズを兄に持つ。

堅牢なディフェンスと安定したゲームコントロールが魅力。クイックネスやウイングスパンに頼るのではなく、オフェンスの先読みに優れ固く守るタイプ。ジョーンズのディフェンスからの速攻が今年のデュークのスタイル。

今季は平均14.6得点をマークしオフェンスでも積極的だが、NBAで点の取れる選手ではない。アウトサイドシュートは昨季よりも改善を見せており、今季から3PTラインが延長されたことを考慮すれば成長は明らかだ。FT成功率は2シーズン連続で70%を超えており及第点。

ディフェンスが生命線の選手だが、今季はディフェンスの良いPGが揃っており、差別化が難しい。今ドラフトでのジョーンズのライバルはアシュトン・ヘイゲンスになるだろう。

マーカス・ハワード

学年:シニア
大学:マーケット大
ポジション:PG
身長:180.3cm
主な受賞歴:Big East最優秀選手賞/2ndチームアールアメリカン
スタッツ:27.5分25.6得点2.7リバウンド3.3アシスト1.0スティール0.1ブロック3.5TO
予想指名順位:2巡目


カレッジで最も爆発的なスコアリングガードで、既にマーケット大のキャリア得点記録も塗り替えている。今季も1試合50得点以上を記録しており、メジャーカンファレンスに所属する選手で3季連続で1試合50得点以上を達成したのは至上人目の快挙。

彼の最大の長所は当たり出したら止まらない3PTシュート。クイックな選手ではないが、振り幅の大きなステップバックからの3PTはディフェンス困難。ハンドリングやフィジカルコンタクトを駆使しスペースを創り出す技術に長け、一度リズムに乗ればどんな難しいシュートでも難なく沈める。

一方で得点以外ではチームに大きな貢献が出来る選手ではなく、ボールを持たせてもらえなければ、ゲームへの影響力は激減。今季の対メリーランド大戦では、ウイングの選手からフェイスガードを受け、全く存在感を発揮出来なかった。ウイングスパンも短く、クイックネスや跳躍力も飛び抜けていない為、ディフェンスでも穴となる可能性が高い。

ラメロ・ボール

所属チーム:イラワラホークス
ポジション:PG
身長:198.1cm
スタッツ:31分17得点7.5リバウンド7アシスト1.5スティール0.0ブロック2.4TO
予想指名順位:3位以内


お騒がせ兄弟の3男、ラメロ・ボールも遂に今年ドラフトに掛かる。オーストラリア/ニュージーランドのNBLでの活躍により、一躍ドラフト1位指名候補の1人に。長きに渡りメンタル面に難ありとの評価を受けてきたラメロだが、現在は親元を離れ、精神的にも成熟してきた。

賛否両論が分かれる選手であるが、彼が今年のドラフトにおいて最もエキサイティングなファンタジスタであることに疑いの余地はない。攻守で相手の先を読み、抜群のセンスから想像を超えるプレーを繰り出してくる。NBLで史上最年少でのトリプルダブル、2試合連続トリプルダブルを達成し実績も十分だ。

SNSに出回った高校時代のハイライトにより、ディフェンスをしない選手とのイメージが定着してしまったが、NBLでは平均1.5スティールを記録し、ディフェンスでも溢れすバスケセンスを感じさせる。アウトサイドシュートのレンジは広いが、確率は不安定。現在は故障中だが、復帰後のプレー次第で指名順位は前後するだろう。故障前には徐々にシュート成功率を上げ、FT成功率は7割を超えていた。

今ドラフトのガードの中でもポテンシャルは最も高いが、過去のイメージの悪さは拭えない。推しメンということもあるが、今年のドラフトでリスクを犯してスター候補のPGを狙うのであれば、ラメロ・ボールを取るべきだろう。

コメント