ザイオン・ウィリアムソンのバッシュ破壊で見直されるNBAのドラフト制度
This Zion Williamson injury is exactly why players should be able to go directly to the @nba from high school. The league needs to change this rule. PERIOD @GetUpESPN @espn— Jay Williams (@RealJayWilliams) 2019年2月21日
その試合開始直後にデューク大の注目フレッシュマン、ザイオン・ウィリアムソンのバスケットボールシューズが大破し、ウィリアムソンが負傷退場する事態が発生しました。
それを受け、デューク大のOBであり、現在はTVでカレッジバスケの解説を務めるジェイ・ウィリアムスは"今回のザイオンの負傷の様なケースが有る為、高校からの直接NBA入りが認められるべきだ"と自身のtwitter上で発言。
同日にNBAは選手会にドラフトの年齢制限を19歳から18歳に引き下げる提案書を提出しており、ドラフトの年齢制限に関する議論が今後より白熱しそうです。
現行のドラフト制度での年齢制限は?
現行のドラフト制度では、アメリカ国内の選手はドラフトにエントリーする為には下記2点を満たしている必要があります。
- 高校卒業後1年が経過していること
- ドラフトの年のカレンダーイヤー中に19歳になること
上記を見ると分かりますが、高校卒業から1年を経る必要こそありますが、カレッジでプレーしなければいけないというルールはありません。
昨年のドラフトで2巡目36位でニューヨークニックスから指名を受けたミッチェル・ロビンソンは、高校卒業後カレッジには入らず、個人でトレーニングを積んでのNBA入り。
また、昨年のドラフトでポートランドトレイルブレイザーズから1巡目24位指名を受け、NBA入りを果たしたアンフェニー・サイモンズはカレッジを経ずしてIMGアカデミーのプレップチームからのアーリーエントリー。
既に高校を卒業し、プレップチームで1年間プレーをしていたため、カレッジや他国のプロチームでプレーせずにNBA入りとなりました。
2016年に1巡目10位でミルウォーキーバックスから指名を受けNBA入りしたソン・メイカーも同様の扱いです。
カレッジ入りのメリットは?
さてっ、今回のザイオンの怪我は軽いモノだった様ですが、もしかすると今回の怪我が選手生命に関わり、彼のNBA入りは消えていた可能性もゼロではありません。
また、NCAAは巨額の大金が動くビジネスですが、選手にはアマチュア規定があり、1円も下りてくることはありません。
近年はNCAAの制度に対して
"選手はNCAAから搾取されている"、"選手は奴隷扱いされている"
といった批判が選手やその親族から出ています。
高校卒業時点でNBA入りに十分な実力を備えている一部のスーパースター高校生にとって、カレッジでの1年は大きなリスクです。
ドラフト制度でカレッジ経由が定められていないとは言え、アメリカでプレーする選手にとってドラフト価値を高める最も効果的な手段は注目度の高いカレッジ経由。
カレッジで1年間無償でプレーし、怪我をしてしまったとしたら、NBA入りを逃す可能性もゼロではありません。
NBA入りをが出来るか、出来ないかで生涯年収が2桁変わってもおかしくない世界。
怪我がなくとも、進学したチームにフィットしなければ、ドラフト価値が大きく下がる可能性もあります。
また、現在はSNSの普及も有り、カレッジに入らずとも世界中からの注目を集め、自分の価値を高めることが出来る時代。
事実、ザイオンのインスタグラムのフォロワー数(240万人強)はカレッジ入学以前から、デューク大バスケットボールチームの公式アカウントのフォロワー数(100万人弱)を大きく上回っていました。
一握りのスーパースターにとっては、実力を高める上でも、認知を上げ選手としての価値を高める上でも、カレッジでの1年間には大きな意味は無いようにも思えます。
2022年までにドラフトの年齢制限が引き下げられると言われていますが、高校からの直接NBA入りが認めれる様になれば、カレッジバスケはスター選手を失い、大きな損失を被ります。
今回のザイオンの負傷により、ドラフト制度変更への議論はより白熱したモノとなるでしょう。
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