NBAドラフト2022:高校バスケ界のユニコーン、チェット・ホルムグレン

皆さんはチェット・ホルムグレンを覚えているだろうか。この夏、ステファン・カリーのキャンプでカリーを相手にカリーばりのハンドリングを披露し、ダンクを叩き込んだ例の彼を。

その後もホルムグレンは世代別USA代表候補合宿で印象的なプレーを見せ、ESPNランキングでclass of 2021の4位まで上り詰めた。元々高い評価を受ける選手ではあったが、この夏で学年トップ選手の1人としての地位を確立した。




チェット・ホルムグレン

所属校:ミニハハアカデミー(ミネソタ州)
学年:class of 2021
ポジション:PF/C

スムースなシューティングを備える7フッター

7フッター級のサイズとマッチ棒の様な体型が印象的なチェット・ホルムグレン。公式な数値は無いけれど、ウイングスパンは228. 6cmなんて噂されている。

サイズとウイングスパンを駆使し、ショットブロッカーとしても注目されるが、彼を一躍有名にしたのはカリー相手に見せた滑らかなムーブ。最近のビッグマンには切れの良いハンドリングを備えている選手も少なくないけれど、7フッターであそこまで滑らかなハンドリングを持っているプレーヤーはやっぱり稀有。

今年のAAUでは、1試合3.1本の3PTを放ち成功率は48.4%。FT成功率も7割を超えているので、高校レベルのビッグマンとしてはかなり優秀なシュートスキルを持つビッグマン。これでブロック数も平均4.9本を記録しているのだから、比類なきオンリーワンのプレーヤーだ。

AAUで育まれたユニコーン

オフェンスでは華麗なハンドリングと正確無比なアウトサイドシュートを放ち、ディフェンスではペイントエリアの制空権を支配するユニークなプレースタイルを有するホルムグレン。彼の特異なスタイルは、どうやらAAUから育まれてきた様だ。

彼がAAUでバスケットボールを始めたのは小学3年生の頃。所属校のミニハハアカデミーの1学年上の先輩である、全米屈指のガードであるジェイレン・サッグスとはこの頃からチームメイトらしい。

ホルムグレンの父、デイブ・ホルムグレンは7フッター級の身長で、学生時代にはミネソタ大でプレーしたバスケットボールプレーヤー。息子のチェットも父同様に大きくなることが予想されたが、AAUではサッグス等と共にガードのスキルを叩き込まれ、AAUでの育成方針がホルムグレンがユニコーンとして大成する礎を築いた様だ。

ホルムグレンはサッグスを追って6年生の頃にミネソタ州内の私立高、ミニハハアカデミーに入学。その時点で既に6フィート2インチ(188cm)~6フィート5インチ(195.6cm)程あったとか(諸説有)。8年生の間だけで7~8インチ(17.8cm~20.3cm)伸びたという話もあるけれど、ホルムグレンは小さい頃からずっと大きかった様だし、結構"盛られた"話なんだろうなという印象。

その後、更なる成長期を経験したホルムグレンは9年生の頃には、今の様な多彩なスキルとインサイドプレーヤーのサイズを揃える現在のプレースタイルの大枠を確立していた様だ。

更に高まるホルムグレンへのスポットライト

ホルムグレンが所属するミニハハアカデミーは、年明けには超高校級のザイアー・ウィリアムス、BJ・ボストンに加え、レブロン・ジェームスの息子であるブロニー・ジェームス、ドウェイン・ウェイドの息子であるザイアー・ウェイドの人気選手を擁する、カリフォルニア州のシエラキャニオンスクールと対戦予定。

既に高校バスケ界の注目プレーヤーに成り上がったホルムグレンだが、この注目カードで活躍すれば、また彼の知名度はまだまだ上がるはずだ。

高校の卒業は2021年の予定であり、進学先はまだ未定。先輩のサッグス同様、ゴンザガ大から熱心な勧誘を受けている様子だ。近年のゴンザガ大は良いビッグマンを輩出しているので、ゴンザガ大は十分有りな選択肢に思える。

早ければ2022年にはドラフトにかかるホルムグレン。オフェンスでは3PT、ディフェンスではリムプロテクトと売りが明確。華奢なフィジカルという不安要素もあるが、このまま行けば上位指名となる注目株だ。

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