噂のドラ1候補、ケイド・カニングハムとは?

今年もドラフトに向けてボチボチ注目候補ネタを。今回は今年のドラフトで1位指名候補が有力視されているオクラホマ州立大のケイド・カニングハムを。

彼の名前は既に日本のファンにも知られ始めている様で、SNS上でも彼の名前を目にしますね。

高校時代から注目を集めてきたカニングハムはカレッジでも期待通りの活躍で、
フレッシュマンながらに八面六臂の活躍でチームを牽引。どのチームに行っても活躍の期待出来る安定感が魅力のプレーヤーだろう。



プロフィール

氏名:ケイド・カニングハム
カレッジ:オクラホマ州立大
出身校:モントバードアカデミー(フロリダ州)
学年:フレッシュマン
登録身長:6フィート8インチ(約203.2cm)
ポジション:PG
主な受賞歴:ネイスミスプレップ最優秀選手賞(2020)、MaxPreps最優秀選手賞(2020)

モントバードアカデミーをシーズン無敗に導く


まずはカニングハムの高校時代から。

テキサス州アーリントン出身のカニングハムは、高校ジュニア(日本の高2相当)のシーズンからフロリダ州のモントバードアカデミーに転校した。

モントバードアカデミーはディアンジェロ・ラッセル、ベン・シモンズ、RJ・バレット等、近年多くの卒業生をNBAに送り出しているアメリカ高校バスケ界屈指の強豪。ヘッドコーチのケビン・ボイルは前任校でMKGやカイリー・アービングも指導している高校バスケ界きっての名将だ。

カニングハムは転校早々からチームの主力として活躍。高校No1ガードと評されたコール・アンソニー擁するオークヒルアカデミーとの対戦では、26得点9アシスト7リバウンドを記録し、チームの勝利に導いた。

全米大会の無いアメリカ高校バスケで、実質的な全米No1決定戦に位置付けられるGEICOナショナルズにも出場するが、準決勝で後にこの大会を制覇するIMGアカデミーに惜敗。悔いの残る形でシーズンを終えた。

2019年の夏にはUSA代表メンバーに選出され、ギリシャで開催されたU19ワールドカップに出場。高校生ながらに全7試合にスターティングメンバ―として出場し、決勝の対マリ戦ではチームハイの21得点に加え7リバウンド7アシストの活躍でチームの大会制覇に貢献している。

カニングハムの高校バスケ最後のシーズンとなった2019-2020シーズンには、同学年屈指のオールラウンダーであるスコッティ・バーンズとビッグマンのデイロン・シャープがモントバードアカデミーに加入。

後に3人揃ってマクドナルドオールアメリカンに選出されたカニングハム、バーンズ、シャープと、モーゼス・ムーディの4人のシニアに加え、各学年で上位にランクされる充実の下級生を揃えたモントバードアカデミーは、破竹の勢いで勝ち続け、その強さは"高校バスケ史上最高のチーム"と呼ばれる程。

新型コロナの影響によりシーズンは途中で終了してしまったが、他のチームを寄せ付けない絶対的な強さを見せたモントバードアカデミーは25勝0敗で無敗のままシーズンを終えた。カニングハム自身もネイスミス賞をはじめとした多くの個人賞を受賞し、華々しい高校バスケキャリアを締めくくった。

フレッシュマンとは思えない完成度を誇る大型ガード


モントバードアカデミーを卒業したカニングハムは、彼の兄がアシスタントコーチを務めるオクラホマ州立大に進む道を選んだ。

シーズン初戦の対テキサス大アーリントン校戦では21得点10リバウンドのダブルダブル。オクラホマ州立大の所属するカンファレンスであるBig 12のプレーヤーで、デビュー戦に20得点10リバウンド以上を記録したのは2007年のマイケル・ビーズリー以来の快挙となった。

その後も安定した活躍を続け、12試合を終えた時点で平均17.8得点6.2リバウンド3.8アシストをに加え1.0ブロック1.2スティールを記録。

小さなプレーヤー相手にはポストアップで、ビッグマン相手には華麗な1対1でと、どんなディフェンスを相手にしても容易く得点してしまう得点力、フレッシュマンとは思えない安定したゲームコントロールも去ることながら、ブロック、スティール共に1試合平均を1本を超え、ディフェンスにも隙はない。

全米上位級の強豪校と比較すると、オクラホマ州立大は選手層が充実しているとは言えない。出場メンバーや試合の状況に合わせ、メインハンドラーからインサイドまで、求められる役割を演じられるカニングハムの多様性はフレッシュマンとは思えない程に成熟している。

2021年のドラフト1位指名最有力候補との呼び声も高いカニングハムだが、その評価はカニングハムの総合力の高さから来るものと思えば納得だ。

公称6フィート8インチの身長と長いウイングスパン、安定したゲームメイク、多彩な得点スキルと精度の高いアウトサイドシュート、国際大会優勝も経験している経験値と高いバスケットボールIQ、この全てをカニングハム程の高い次元で備えているプレーヤーは他にはいない。

シューティング精度不足、クイックネス不足という声も聞かれるが、3PT成功率38.8%FT成功率81.7%はフレッシュマンの大型ガードとして十分以上の数字。サイズとスキルを駆使した攻守にも懸念はなく、クイックネス不足を苦にしている様子もない。

カレッジのフレッシュマンでこれ程の完成度を見せた大型ガードは過去に例が無いと言っても過言では無いだろう。

カニングハムの活躍により、昨季はカンファレンスゲームで7勝11敗と負け越したオクラホマ州立大もここまで4勝4敗の5分で健闘中で、チームを勝たせているという点も見逃せない。

オクラホマ州立大は過去のアシスタントコーチによるリクルーティング違反のペナルティを受けており、NCAAトーナメントへの出場は控訴の結果次第。過去数年だけでも、ベン・シモンズ、マーケル・フルツ、アンソニー・エドワーズとNCAAトーナメント不出場、又はNCAAトーナメントが開催されていても不出場が確定的だったプレーヤーがドラフト1位指名を受けているので、その点はカニングハムの1位指名には響かないと考えられる。

ジェイレン・サッグスが期待以上の活躍でカニングハムの対抗馬に台頭。Gリーグが開幕し、遂にベールを脱ぐGリーグ組の活躍次第という所もあるが、現在のカニングハムの活躍を見れば、彼が2021年のドラフト1位指名最有力候補である事に疑いの余地は無いだろう。

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