イグナイト2戦目はグリーンとクミンガが揃って20得点オーバー

高校卒業後すぐにGリーグの育成プログラムに進んだ有望プレーヤーとジャレット・ジャック等のベテランで構成されるGリーグイグナイト。高卒でイグナイトに加入したメンバーは、Gリーグチームでプレーしながら2021年のドラフト指名を目指します。

GリーグながらNBAチームとの提携は無いイグナイトはシーズン2戦目でOKCブルーと対戦。最後まで接戦となった試合はジョナサン・クミンガの24得点、ジェイレン・グリーンの21得点の活躍でイグナイトが109-103で勝利。イグナイトは開幕2連勝を飾った。

今回もイグナイトの高卒組のプレーをピックアップします。
※ハイライトがアップされ次第追記します。公式から個人ハイライトが出ているプレーヤーは個人ハイライトも。

適応を見せ始めたグリーン


1戦目は動きに硬さが見られたジェイレン・グリーンだったが、この日はジョナサン・クミンガのパスからいきなり速攻からのアリウープを叩き込み幸先の良いスタート。その後もデイシェン・ニックスのパスからアリウープを決め、1Qだけでアリウープ2本。ピック&ロールからのジャンパーや、迷いの無くなったドライブも爆発力を取り戻した。

後半に入っても勢いは止まらず、空中でビッグマン2人をかわしてのダブルクラッチやプルアップ3PTなどで3Qだけで11得点を上げ、高校屈指の爆発力がプロレベルでも通用する事を証明した。波に乗っている時の彼は自信に満ち溢れた表情で、ボールを託せば"何かをやってくれる"雰囲気が漂っていた。12本のFGで21得点は上々の出来でしょう。

これはイグナイトの高卒組に揃って言える事なんだけど、注意力が低いというかボールのセキュリティが甘く、TOが多い。高校からカレッジをスキップしてのGリーグなので、2戦目ではまだ強度に慣れていないのも仕方ないのですが、プレーが軽いというか緩いというか。

良いプレーは出ているので後はもう少しワガママに。3Qでせっかく波に乗ったのに、4Qはあまりボールに触れず得点はFTだけ。プロでは簡単にボールは貰えないし、ガツガツしなきゃ。そういう環境で早くから出来ているのは、彼のキャリアを考えるとプラスでしょう。

ベテランのジャレット・ジャックはバチバチのプレーを間近で見せてくれていて、グリーンが彼から学ぶ所は多いんじゃないかな。

2戦目も安定のクミンガ


初戦でも19得点の活躍を見せたジョナサン・クミンガは今日も安定したプレーを。試合開始早々にグリーンのアリウープをアシストし、ドライブでディフェンスがカバーに寄れば的確なパスをチームメイトに供給していた。1戦目もアシストが冴えていたし、クミンガの視野の広さは魅力的。パスも単に"見えている"だけじゃなく、そこに1つアイデアを加えたセンスのあるパスが出せる特別なプレーヤーだ。

身長、運動能力に加えて緩急の巧さがあるので、ドライブは今日も破壊力抜群。18歳で能力系のウイングがこれだけのドライブをするのは結構凄いんじゃないですかね。アレクセイ・ポクシェフスキーに1対1を仕掛け、ドライブから左手でダンクを叩き込んだのは今日のハイライトプレーだった。

一方、アウトサイドジャンパーを積極的に打つけれど、精度はイマイチ。今日の3PTは2/5で成功率こそ40%だけれど、リングにも当たらないシュートもあり、ここがクミンガの明確な課題でしょう。ドライブではディフェンスからファールを引き出す賢さもあるので、現状はドライブ中心にオフェンスを組み立てた方が良さそうです。

ゲームハイの24得点に加え6リバウンド4アシスト2スティールの活躍はドラフト屈指のオールラウンダーの前評判に偽りなし。勝負所でボールを求め、活躍をするメンタリティの点ではクミンガがグリーンの一歩先を行っている印象です。

ニックスはクイックなガードのディフェンスに課題有り

初戦でアグレッシブかつパワフルなプレーでインパクトを残したデイシェン・ニックス。今日は少し大人し目でコントロールに終始し5アシスト。得点に繋がらない良いパスも何本かあり、視野の広さと堅実なゲームコントロールを披露した。

一方で得点は0で寂しい結果に。身長とフィジカルも売りにしているガードだけれど、小さくクイックなガードへのディフェンスという弱点も露呈された。

ドライブからの得点力もあり、ゲームメイクにも優れるだけに、そのバランスを取れると良いかな。高校時代であればチームの中心なので自分でリズムを決められたけれど、チームの流れの中で上手いバランスを見つけるというのもプロならではの悩みかもしれません。

持ち味を見せたトッド

初戦はプロのプレー強度の高さに苦戦していたアイザイア・トッドも今日は彼の持ち味であるアウトサイドシュートを中心に存在感を見せ12得点7リバウンド。3PT2本を2本決め、ウイングから1対1で難しいジャンパーを沈めたのも現代的ビッグマンとして大きなアピールになるでしょう。

今回は対戦相手のビッグマンがフィジカル系のビッグマンでは無かったので1戦目よりも活躍出来たけれど、勿論フィジカルやプレーの強度はまだまだ課題。オープンなレイアップをポロっと落としちゃったので、そこはダンクに行けよと。グリーンと同じで、その辺のメンタル的な強さ、厳しさを身に付ければ一気に化けそうですし、それだけの能力はあるプレーヤーです。

気合の入ったリバウンドを見せたと思ったら、ポロっとTOをしちゃったりとプレーから緩さが抜けないけれど、素材型ビッグマンの彼が既に2桁得点を記録したのは嬉しいサプライズだった。


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