NBAドラフト2022:カレッジ最優秀ディフェンシブビッグ、ウォーカー・ケスラー

オーバーン大のソフォモア、ウォーカー・ケスラー。

ノースカロライナ大(UNC)からの転校生であるケスラーは、オーバーン大への転入を機に大きく飛躍。

カレッジのDPOYを総なめにし、一躍NBA注目のプレーヤーに成長した。



ウォーカー・ケスラー

所属:オーバーン大
学年:ソフォモア
生年月日:2001年7月26日
ポジション:C
出身:ウッドワードアカデミー(ジョージア州)
主な受賞歴:Naismith Defensive Player of the Year (2022)/NABC Defensive Player of the Year (2022)/SEC Defensive Player of the Year (2022)
シーズンスタッツ:25.6分11.4得点8.1リバウンド0.9アシスト4.6ブロック1.1スティール
FG60.8%/3PT20.0%/FT59.6%

身体測定結果

身長(裸足):214cm
身長(靴込);215.9cm
体重:116.1kg
ウイングスパン:224.2cm
スタンディングリーチ:287cm
※2022年ドラフトコンバインでの測定結果

ハイライト

オーバーン大で飛躍を遂げた守護神

高校時代から、7フッターのスキルビッグとして、ESPNによる有望高校生ランキングで学年14位と高い評価を受けてきたウォーカー・ケスラー。

高い期待を受けUNCに進学したが、当時のUNCにはギャリソン・ブルックス、アルマンド・ベイコット、デイロン・シャープが揃うビッグマン過多。

ケスラーの出場時間は平均8.8分に限られ、シーズン終了後にはUNCを離れ、オーバーン大への転校を決めた。

UNCでは出場時間こそ限らたが、その中でインパクトを残していたケスラー全米屈指の強豪の中で守護神として大きな飛躍を遂げた。

オーバーン大で迎えた今季、平均25.6分の出場時間の中で11.4得点8.1リバウンド4.6ブロックを記録。平均ブロック数ではNCAAディビジョン1全体で2位、ブロック総数では同1位にランクインした。

得点、リバウンド、ブロックの3部門でのトリプルダブルも2度達成し、カンファレンスのDPOYだけでなく、ネイスミス賞など全米規模のDPOYにも選出され、カレッジ最優秀ディフェンシブプレーヤーへと飛躍を遂げた。

スキルビッグへの成長の期待

高校時代はスキルビッグとして高い評価を得ていたケスラー。

ハンドリング、パッシングスキルはただのディフェンシブビッグのレベルではない。

今季は3PT成功率20.0%、FT成功率59.6%とシューティングに難を見せたが、将来的には改善が十分に期待出来る。

現時点でも、そのサイズと機動力からフィニッシャーとしては優秀で、リング近辺でのフィニッシュのタッチも良い。

将来的にはプレーエリアを広げ、自身でオフェンスをクリエイト出来るスキルフルなプレーヤーになれる可能性がある。

サイズと機動力でゴール下を死守

前述の通り、平均ブロック数ではNCAAディビジョン1全体で2位、ブロック総数では同1位の数字を記録したケスラー。

7フッターの身長と高い機動力がその一因である事は間違いないが、彼が同タイプのビッグマンと一線を画すのは、次のプレーの予測やポジショニングの上手さだろう。

機動力の高いプレーヤーが揃うオーバーン大は、アウトサイドのプレーヤーがボールマンにプレッシャーを掛け、ボールマンがドライブをしてきたところをゴール下でケスラーが待ち構え、ズドンと仕留めていた。

チームのシステムとケスラーの能力がマッチしていたという事もあるが、ドンピシャのタイミングでブロックを量産出来たのは、ケスラーの賢さがあったからこそだろう。

チームとして強度の高いプレーを展開するオーバーン大にいた事もあり、これだけの能力、賢さのあるプレーヤーにも関わらず、リムランなどでも決して手を抜く事のないハードワーカーである事にも触れておく。

一方で、シーズンを通じてファウルトラブルに見舞われる試合も多く、その点は改善点として残っている。

今ドラフト一番のディフェンシブビッグ

スキルビッグだけでなく、ディフェンシブビッグも豊富な今年のドラフトにおいても、サイズと身体能力に加え、賢さも備えるケスラーは1番のディフェンシブビッグだろう。

オフェンスでもオールラウンドに成長していく期待があり、将来的なロマンもある。

ドラ1候補のジャバリ・スミスJrが在籍していた事もあり、注目を浴びる機会も多かったオーバーン大で、僕が最も気になっていたのがケスラー。

チームディフェンスがキッチリ構築されているチームであれば、ベンチからインパクトを与えるビッグマンとして、早くから活躍してくれるのではと期待している。

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