カンザス大対デューク大、Final4チーム同士の対戦の結果は?

昨シーズンのNCAAトーナメント王者カンザス大が、同じくNCAAトーナメントでFinal4に進出したデューク大と対戦。

両校共に卒業やNBAドラフトへのアーリーエントリーで主力プレーヤーがチームを去ったが、有力なフレッシュマンや転校生の加入で、カンザス大は全米6位、デューク大は7位と両校共にカレッジトップレベルの評価をキープしている。

カレッジシーズン前半の大一番となったこの試合、カンザス大のエース、ジェイレン・ウィルソンが25得点11リバウンド5アシストと獅子奮迅の活躍。

要所で上級生の活躍が光ったカンザス大が69-64で勝利した。


カンザス大が経験値でデューク大を凌駕


先行したのはカンザス大。

スターティング5に6フィート10インチ(208.3cm)以上を2枚並べるデューク大に対し、カンザス大はスターティング5の最高身長が6フィート8インチ(203.2cm)と身長で劣るカンザス大だが、再三に渡りデューク大からオフェンスファールを引き出す賢くタフなディフェンスで、前半を33-29の4点リードで終えた。

後半に入ると、開始早々にデューク大のフレッシュマンが躍動。

タイリース・プロクター、カイル・フィリポウスキー、マーク・ミッチェル等が、個の力でカンザスディフェンスを圧倒し、試合の主導権を奪い返した。

カンザス大もエース、ジェイレン・ウィルソンが堅実なシュートセレクションからの多彩なフィニッシュで得点を積み重ねて対抗し、互角の展開が続いた。

試合が動いたのは終盤残り2分半を切ってから。この重要な場面でカンザス大のフレッシュマン、グレイディ・ディックがステップアップし、3PT、アリウープ、バックドアからのレイアップで7連続得点。

ディックの活躍でリードを奪ったカンザス大が、69-64で激戦を制した。

カンザス大ではエースのウィルソンが25得点11リバウンド5アシストでオールラウンドに活躍。

司令塔のデュワン・ハリスJrも、得点こそ6得点に終わったが10アシストでターンオーバーは僅かに1つ。ディフェンスでも終盤にオフェンスファールを奪うなど、攻守にいぶし銀の活躍が光った。

ウィルソン、ハリス等がチームを牽引した一方、デューク大で2桁得点をあげた上級生はジェレミー・ローチのみ。

個のタレントレベルではカンザス大にも劣らなかったが、上級生の活躍が物を言うカレッジバスケでは、経験値の差が響いた。

デューク大では、高校最優秀選手賞を受賞したウイングのダリク・ホワイトヘッドがシーズン前の故障で欠場。

出遅れているホワイトヘッドも既にコンタクト有りの練習を解禁していると報じられ、デビューは近い。

オールラウンダーにして優れたシューターでもある2wayウイングのホワイトヘッドが合流すれば、デューク大は今とは別物のチームになるだろう。

大舞台でフレッシュマンが躍動

カンザス大の勝利を引き寄せたのは、試合残り2分半を切ってから連続7得点をあげたグレイディ・ディック。

高校バスケの強豪、サンライズクリスチャンアカデミー出身のフレッシュマンは、新入生とは思えないバスケットボールIQと度胸で、チーム2位の14得点を記録した。

シーズン3試合を終えた時点で平均得点はチーム2位と、例年は上級生主体のチームであるカンザス大において、既にその存在を確立している。

デューク大のビッグマン、カイル・フィリポウスキーはチームハイの17得点に加え14リバウンドを奪取しダブルダブルを達成。ここまでシーズン3試合全てでダブルダブルを達成する抜群の安定感を見せている。

登録身長7フッター(213.4cm)のビッグマンは、機動力や跳躍力に優れるタイプでは無いが、ウイングから自由自在に1対1を仕掛けるハンドリングとシュート力を備え、コート上のどこからでも得点が出来る危険なプレーヤー。

そのプレーの多彩さ故、FG成功率はビッグマンとしては低めだが、プレーのセレクションが改善されれば、すぐにでも支配的なプレーヤーになってしまうだろう。

両校ともにフレッシュマンが大きな存在感を見せており、シーズンの行方を占う上で、彼等の成長、活躍が大きなカギとなりそうだ。


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