Nike Hoop Summit 2025:大会史上初の延長戦となった激戦をUSAが制す

USAのジュニア代表チームと、同世代のインターナショナルプレーヤーや海外にルーツを持つプレーヤーで形成されるWorldチームが対戦するオールスター戦、Nike Hoop Summit。

1995年にスタートし、休止期間やコロナによるキャンセルを挟み、男子は今年で26回目を迎える。過去には、日本からも田臥勇太や松井啓十郎がWorldチームの一員として参加。

第26回目の今大会は、史上初の延長戦にもつれる激戦に。延長戦に入るとキャメロン・ブーザーのアリウープダンク、ダリアス・エイカフとトレイ・マッケニーのアウトサイドシュートでUSAが主導権を握り、124-114で勝利を収めた。


大会史上初の延長戦に


世界中から集まった世代屈指の新鋭達の試合は大会史上初の延長戦にもつれ込んだ。

前半は53-44でWorldチームのリードで折り返したが、後半に入るとUSAがギアを1段上げる。

キャメロン・ブーザー、AJ・ディバンツァ、ダリアス・エイカフ、マイケル・ブラウンJrが個の力でWorldチームを蹂躙。第3クウォーターだけで、37-15とWorldチームを圧倒し、81-68のUSAリードで最終クウォーターへ。

最終第4クウォーターでも、USAが優位に試合を進め、残り5分を切って92-76と盤石の勝利を収めるかと思われたが、Worldチームのトゥンデ・ヤソフ、ダメ・サーを中心に猛チャージ。

98-96のUSAリードで迎えたラストプレーでもヤソフがコーストtoコーストでドライブを沈め、98-98の同点で試合は延長戦に。

延長戦では、勢いのあるWorldチームに分があると思われたが、USAは最初のオフェンスでWorldチームのディフェンスを綺麗に崩し、ブーザーがアリウープダンクを決めると、そこからエイカフ、トレイ・マッケニーが続けざまに3PTをシュートを沈め主導権を握る。

追いかけたいWorldチームだったが、頼みのヤソフのドライブはマッケニーにブロックされ、反撃の糸口を掴めず。USAが124-114で激戦を制した。

USAではディバンツァが24得点6リバウンド5アシスト3スティール、ブーザーが22得点16リバウンド6アシスト3スティール1ブロックの活躍で格の違いを見せた。Worldチームではヤソフがゲームハイタイの24得点を記録した。

ディバンツァとブーザーがUSAを牽引


この試合でUSAを勝利に導いたのはディバンツァとブーザーの2人。ディバンツァはブリガムヤング大、ブーザーはデューク大への進学を予定している。

ディバンツァは試合開始からアグレッシブなオフェンスでUSAを牽引。2Qは沈黙したが、後半には再度ギアを上げて次々とタフショットを沈めた。ディフェンスでも優れた嗅覚を見せ、スティールからWorldチームの心を折るウィンドミルを叩き込んだ。

ブーザーも終始安定したプレーを見せ、ディフェンスではインサイドで貢献。この試合記録した16リバウンドはこの大会史上最多タイの記録だ。オフェンスではポストプレー、ドライブ、アウトサイドシュートと3レベルでどこからでも得点を取れるスキルを見せた。また、視野の広さにも優れ、アンセルフィッシュなプレーでチームハイの6アシストを記録している点も見逃せない。

共に来年のドラフト上位指名候補と目され、カレッジでの活躍も見逃せない。

話題となったタージ・アリーザ

今大会で日本のSNSを沸かせたプレーヤーがタージ・アリーザだろう。

元NBAプレーヤーのトレバー・アリーザを父に持ち、母親が日系人という事で、今大会では日本国旗を胸に付けてプレーした。

しかしながら、現時点では日本のパスポートは保有していない模様。

この大会では海外の国籍を持つインターナショナルプレーヤーに加えて、アメリカ国籍ながら海外にルーツを持つプレーヤーもその国の"representative=代表"としてWorldチームでプレーしている。

一部メディアで"日本代表"と報じられた事で誤解を呼んだかもしれないが、現時点では日本国籍を保有していないアリーザが日本代表チームでプレーするには日本国籍への帰化が必要となり、世代屈指の有望プレーヤーであるアリーザが日本に帰化する未来は現実的ではないだろう。

しかしながら、日本にルーツを持つプレーヤーが世界中のエリートプレーヤーの中で11得点2スティール1ブロックと活躍を見せてくれたことは、1バスケットボールファンとして嬉しい限り。

アリーザは2026年に高校を卒業予定で、ESPNからは学年14位と高い評価を得ている。カレッジ、プロと更に上のレベルでもアリーザの活躍に期待したい。


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