NBAドラフト2020:コール・アンソニー、デビュー戦で挨拶代わりの34得点

McDonald’s All Americanをはじめ、アメリカ高校バスケの3大主要オールスター全てでMVPを獲得した高校バスケ界のカリスマ、コール・アンソニー。2020年のNBAドラフトでも1位指名の有力候補に名前が挙がる。元NBA選手のグレッグ・アンソニーを父に持つサラブレッドで、強豪Oak Hill Academyからノースカロライナ大(UNC)に進学と、アメリカバスケの王道を突き進む。

UNCでのデビュー戦で、同カンファレンスに所属するノートルダム大と対戦。いきなり34得点11リバウンド5アシストを残した。デビュー戦での34得点は所属カンファレンスのACCのデビュー戦最多記録。UNC、デューク大等、多数の強豪校ひしめく強豪カンファレンスの記録を塗り替え、早くもカレッジバスケの歴史にその名を刻んだ。

アンソニー同様、2020年のドラフトで上位指名が予想されるメンフィス大のジェームス・ワイズマンやジョージア大のアンソニー・エドワーズも鮮烈なデビューを飾っており、本命不在といわれる2020年のドラフト1位指名は思わぬ激戦となりそうだ。

アンソニーがノートルダム大を制圧


下馬評通りの活躍を見せ、前半だけで11得点7リバウンド2アシスト。これだけでもフレッシュマンとしては十分以上と言えるが、圧巻は後半に入ってから。

前半は30-31でノートルダム大リード折り返し、後半も接戦が続く中、アンソニーがギアを入れ替え、試合を支配し始める。3PTやアシストでチームをリードし、徐々にUNCがノートルダム大を突き放す。中盤にアンソニーの3PTが入る始めると、全く手が付けられない状態に。数分間の間に4本もの3PTをいとも簡単に沈めてしまった。残り4分にアンソニーが34得点目となる3PTを決めると、73-57で点差は16点まで広がりここで勝負あり。76-65でUNCが粘るノートルダム大を振り切った。

アンソニーはカレッジデビュー戦にして34得点11リバウンド5アシスト。高校NO1プレーヤーの名に恥じない実力を見せつけた。34得点はUNCのフレッシュマンにおけるデビュー戦での最多得点記録。昨年、デューク大のR.J・バレットがデビュー戦の対ケンタッキー大戦で33得点を上げたが、アンソニーはこれを上回った。また、過去20年間においてデビュー戦で30得点10リバウンド5アシストをACCで記録した初のフレッシュマンとなった。スタッツを見ても分かる様に、アンソニーはオールラウンド型のPG。ここ数年でアンソニー程完成度の高かったPGはいなかった。

余りにも簡単に点を取るので、34得点という数字を見て、”そんなに取っていたのか”という気になってしまう。ちょっと強引なシュートセレクションもあったが、試合を通じてFG成功率50%にまとめてきたので、大きな問題ではなさそうだ。勿論今日は3PTが当たっていたこと事もあるが、シーズンを通して難なく平均20得点は取ってしまうだろう。

UNCではアンソニーの他にギャリソン・ブルックスが10得点9リバウンド。2桁得点こそアンソニーとブルックスの2人だけだが、アルマンド・ベイコット、アンドリュー・プレイテック、クリスチャン・キーリング、リーキー・ブラックと力がある選手は揃っている。UNCはアンソニーを中心にNCAAトーナメントでも上を目指すことの出来るチームとなるだろう。

今年のフレッシュマンは不作だと言ってきたが、昨日鮮烈なデビューを果たしたケンタッキー大のタイリース・マキシーと言い、このアンソニーと言い、シーズン開幕直後からフレッシュマン達が予想以上の活躍を見せている。身体的に突出しているのはメンフィス大のワイズマンくらいだが、判断良くスマートにプレーする選手が多いのがこの学年の特徴かもしれない。シーズンが進む中、来年のドラフト上位候補が活躍を続けることが出来るかどうかも注目だ。

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