高校バスケの最優秀選手賞、ネイスミス賞のファイナリスト5名とは?

高校バスケの最優秀選手賞の1つ、Naismith Prep Player of the Year Award(ネイスミス賞)。バスケットボールの考案者であるネイスミス博士の名前を関したこの賞は、2003年のレブロン・ジェームスを始め、多くのスーパースター候補が受賞してきた賞だ。2018年はRJ・バレット、2019年にはアイザイア・スチュワートが受賞している。

今年もこの賞のファイナリスト5名が発表。誰が受賞しても驚きの無い豪華な名前が並ぶが、最有力候補は今季無敗のモントバーデアカデミーのエース、ケイド・カニングハムだろう。

今回はファイナリストに選出された5名のハイライトを。身長は裸足身長ではなく、公称を記載。

BJ・ボストン

学年:class of 2020
所属:シエラキャニオンスクール
ポジション:SG/SF
身長:198.1cm
進学先:ケンタッキー大

長所

  • スムースな動き
  • オールラウンドなスキル

レブロン・ジェームスの長男であるブロニー・ジェームスと、ドウェイン・ウェイドの長男であるザイアー・ウェイドの加入で注目を集めるシエラキャニオンスクールのエース、BJ・ボストン。

長い四肢を駆使したオールラウンドでスムースなプレーが魅力。シュートレンジも広く、3PTラインの遥か後方からも難なくシュートを沈める。イメージが近いのは高校時代のブランドン・イングラムだろうか。当時のブランドン・イングラムを身体的にスケールダウンさせ、スキルの完成度を上げた感じ。

進学先はOne and doneで有望選手をNBAに送り込むことに定評のあるケンタッキー大。ガードやビッグマンには良い選手が出ているが、ウイングでは近年当たりがなく、今季入学したウイングのフレッシュマン達も期待通りの活躍が出来ていない。

BJ・ボストンがカリパリ時代初のスターウイングとなるかもしれない。

ケイド・カニングハム

学年:class of 2020
所属:モントバーデアカデミー
ポジション:PG
身長:200.7cm
進学先:オクラホマ州立大

長所

  • ビッグガードとしてのサイズと強靭なフィジカル
  • 攻守に優れた穴の無いスキルセット
  • 着実な成長

今季無敗のモントバーデスクールのエース、ケイド・カニングハム。ディアンジェロ・ラッセル、ベン・シモンズ、RJ・バレットとオールラウンダーを続々NBAに輩出しているモントバーデアカデミーの次のスター候補は彼で間違いない。

大型のポイントガードにありがちな素材型ではなく、得点力、ゲームコントロール、ディフェンスにも優れる完成度の高いガード。オクラホマ州立大でコーチングスタッフを務めるキャネン・カニングハムを兄に持ち彼の指導方針の下、着実に弱点を改善し穴の無いプレーヤーに成長している。

進学先のオクラホマ州立大は2017年を最後にNCAAトーナメントから遠のいているが、ケイド・カニングハム獲得の影響もあり、例年以上に良い選手が集まっている。ケイド・カニングハム1人の力でNCAAトーナメント出場を期待するのは酷だが、オクラホマ州立大が来季の注目校の1つであることは間違いない。

ジェイレン・グリーン

学年:class of 2020
所属:プロリフィックプレップ
ポジション:SG
身長:195.6cm
進学先:未定

長所

  • 高校バスケ界屈指の爆発力
  • 抜群の跳躍力と高い決定力
  • ビッグプレーを決めるスター性

ESPNランキングで学年1位にランクされるジェイレン・グリーン。U17 ワールドカップでは大会MVPも獲得している世代を代表する選手。今季からはジョッシュ・ジャクソンやゲイリー・トレントJrを輩出したヒルクレストプレップに転校し、オールラウンドなプレーに磨きをかけている。

完成度という点では他の候補から見劣りもするが、波に乗った時の爆発力は他を寄せ付けない圧倒的なものがある。華奢な身体ではあるが、空中での安定感は抜群でコンタクトを受けながらの決定力も高い。ここぞという時に間違いなく活躍してくれるスター性があり、何かしてくれるんじゃないかという期待感を持たせてくれる選手。

進学先はまだ未定で候補はオーバーン大、オレゴン大、メンフィス大等。オーバーン大には同学年を代表するガードのシャリーフ・クーパーが既にコミットしており、ジェイレン・グリーンと共にプレーする事になれば、カレッジ屈指のダイナミックなデュオになる。彼の進路選択次第では、カレッジバスケの勢力図にも影響を与えるだろう。

エバン・モーブリー

学年:class of 2020
所属:ランチョクリスチャンハイスクール
ポジション:C/PF
身長:213.4cm
進学先:USC

長所

  • スムースな動きと高い機動力
  • オールラウンダーのポテンシャル

この学年を代表するビッグマン、エバン・モーブリー。父はUSCのコーチングスタッフで、1学年上のアイザイア・モーブリーもUSCに進学しており、彼が進学先にUSCを選択するのも自然な流れだった。

売りは高い機動力とオールラウンダーへの成長を期待させるポテンシャル。パッシングやハンドリングは高校生世代のビッグマンとしては器用な部類。勿論リムプロテクターとしても優秀で現代的なビッグマンに求められるものを押さえている。今年のドラフト上位候補であるジェームス・ワイズマンと比較するとパワーやインサイドでの存在感では劣るものの、プレーエリアや万能性ではエバン・モーブリーが上回るといったところだろうか。

USCでは兄のアイザイア・モーブリーと並ぶことが予想され、兄弟でカレッジ屈指のオールラウンドなインサイドを形成してくれるだろう。

ジェイレン・サッグス

学年:class of 2020
所属:ミネハハアカデミー
ポジション:PG/SG
身長:193cm
進学先:ゴンザガ大

長所

  • 高い跳躍力とクイックネス
  • 攻守に高いエナジーを見せる

下級生の頃から世代別USA代表の常連として活躍してきたジェイレン・サッグス。U19ワールドカップでも、高校生ながらスターティングメンバ―の1人として政界制覇に貢献した。アメリカンフットボールでもQBとして高い評価を受けている。

どこか1点が突出しているタイプではなく、全てのスキルを高い水準で備えるタイプ。スターでありながら献身的なプレーが魅力のチームプレーヤーで、ディフェンスやリバウンドでの貢献度も高い。私的にはオールコートでプレッシャーをかけるしつこいボールマンディフェンスが好み。

進学先はゴンザガ大。class of 2020の同期にも良い選手が集まり、良いビッグマンが揃ったclass of 2019の選手達と噛み合えば、来季のゴンザガは例年以上にタレント豊富なチームになりそうだ。

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