NBAドラフト2020:ワイズマンの次にビッグマンを選ぶなら

常々今年のドラフトはレベルが低いと言ってきたが、ビッグマンに関して言えば来年、再来年のドラフトよりも層は厚い。ビッグマンでのNo1がメンフィス大のジェームス・ワイズマンというのは不動だが、それに次ぐ選手は団子状態。

バーノン・キャリーJr(デューク大)
アイザイア・スチュワート(ワシントン大)
オニエカ・オコングー(USC)
ジェイレン・スミス(メリーランド)

の4人辺りがジェームス・ワイズマンに次ぐTier2を争っている。勿論チームのニーズやスタイルで選手の評価は変わってくるが、この4人の中で誰を選ぶべきだろうか。スタッツとレーティングを見ながらちょっと考えてみたいなと。

正直スタッツは詳しくないので的外れな比較かもしれず...。そこは予めご容赦を。ハイライトは追記するかも。ドラフトコンバインの身体測定結果が出ればそれも追記しようかな。


スタッツ

MPGPPGFG%3PT%FT%Off RebDef RebTotal RebASTBLKSTLTO
バーノン・キャリーJr24.617.657.6%36.8%64.9%2.86.08.81.01.50.72.0
アイザイア・スチュワート32.116.956.2%22.2%77.0%2.65.98.50.92.20.52.2
オニエカ・オコングー30.416.762.2%0.0%72.0%3.45.58.91.12.81.22.0
ジェイレン・スミス30.815.253.4%36.4%75.6%3.27.310.50.72.30.81.8
※2020年2月28日時点の数字

レーティング

USGOff RtgチームOff Rtg+/-Def RtgチームDef Rtg+/-
バーノン・キャリーJr31.0%120.1112.57.687.392.2-4.9
アイザイア・スチュワート24.9%118.6101.217.492.194.4-2.3
オニエカ・オコングー23.9%123.8101.022.888.395.3-7.0
ジェイレン・スミス22.9%122.3106.815.586.094.2-8.2
※2020年2月28日時点の数字

ハイライト

バーノン・キャリーJr

アイザイア・スチュワート

オニエカ・オコングー

ジェイレン・スミス


まずはデューク大のバーノン・キャリーJrから。レーティングのチーム平均との差はOff Rtg+7.6/Def Rtg-4.9で他の3人と比較すると思っていたよりオフェンスでの貢献度が大きくない。彼の出場時にはローポストオフェンスで大きな存在感を発揮していたので、これは意外な数字。ことしのデューク大は個の力に頼るのではなく、ディフェンスからの速攻主体のチームバスケットを展開しているので、彼の不在時にも他のプレーヤーでカバーが出来ているとのことだろう。ディフェンス関してはバーノン・キャリーJrを除き、デューク大にはリング周辺を守れる選手が不在というのを表している数字だろう。

続いてはワシントン大のアイザイア・スチュワートOff Rtg+17.4/Def Rtg-2.3となっている。彼のディフェンスでのレーティングはこれまた意外な結果に。平均2.2ブロックと良い数字を出しているにも関わらず、ディフェンスでの影響力は低い。ワシントン大は2-3ゾーンのディフェンスを敷いており、その中心に位置するアイザイア・スチュワートは必然的にブロック数は増えるが、クイックネスに欠ける彼のディフェンスは実際にはそこまで効果的ではないということなのだろう。ただチーム内ではディフェンスレーティングもベストの数字。ゾーンディフェンス主体の場合、ここのディフェンスの能力が余りレーティングに反映されないのかもしれない。一方、オフェンスでは巧みなローポストプレーで絶大な存在感を発揮していることが数字に表れている。

USCのオニエカ・オコングーは最近メキメキと評価を上げてきている。Off Rtg+22.8/Def Rtg-7.0とどちらも素晴らしい数字。高校入学時点ではディフェンスの選手だったが、高校時代にフィジカルを強化し、ローポストでのオフェンスを成長させた。高校時代の評価ではバーノン・キャリーJrとアイザイア・スチュワートに劣っていた選手だが、カレッジでのプレーはこの2人を上回っている。3人共にゴリゴリのインサイドプレーヤーだが、クイックネスという点ではオニエカ・オコングーが一歩上を行く。その点が試合への影響力に数字として表れているのかもしれない。1試合平均2.8ブロックに加えて、インサイドプレーヤーとしては優秀な1.2スティールを記録しているのも優れたクイックネス故だろう。

今回の4人の中では唯一のソフォモア(2年生)のジェイレン・スミス。インサイドゴリゴリ系である他の3人と比較すると3PTシュートも備える現代的なプレーヤーでOff Rtg+15.5/Def Rtg-8.2という数字。昨季アーリーエントリーをせずに1年間カレッジに残った判断は正解だっただろう。フィジカルを強化したことで、ディフェンスでのレーティングが昨季より大幅に伸びた。ガードやウイングに積極的な選手を抱えるメリーランド大にあって、ジェイレン・スミスのオフェンスレーティングがここまで良いのは嬉しい驚き。アウトサイドのシュートが自由にプレーできるのも、彼のスクリーンやスペース取りの巧さのお陰なのだろう。

あくまで参考の1つになれば

スタッツ上はさほど変わらない様に見える4人だが、レーティングにはその差がハッキリと出ている。これはチームの状況やメンバー構成によっても変わるので一概に良し悪しを言えるものではないが、選手を見る上での1つの視点として知っておいても良いのではと。正直スタッツには詳しくないので、解釈に誤りがあれば申し訳ない限りなのだけれど…

トーナメントやドラフトを控えたこの時期の楽しみがドラフト候補の話なので、話の種にでもなってくれれば嬉しい限り。

実際の試合やスタッツを見ているだけでは見えない面もレーティングからは見えてくるので、数字って面白い。

レーティング上ではオニエカ・オコングーとジェイレン・スミスの影響力が高いが、NBAで成功するのは誰かとなるとまた変わってきそうなのでそれも面白い。この2人の数字が良いのは、やっぱりクイックネスが優れているからじゃないかなと気がしている。展開が早い現代バスケットではビッグマンも瞬間的な速さが求められ、実際にそれがレーティングに反映されているのではないかなと。

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