やっぱり今年は上級生ガードの年

11月18日のNBAドラフトまで後10日。今年のドラフトネタは結構書きましたが、最後にまたドラフト上級生ネタを。

ドラフト上位候補は安定感に欠け、ここ数年の中では"小粒"な感が否めない今年のドラフトですが、上級生のポイントガードが充実。完成度の高いガードを探しているチームには悪いドラフトではないかなと。

という訳で、2020年のドラフトネタの最後として上級生ガードのまとめを。

オフェンスの総合力ならカシアス・ウィンストン


4年間に渡りミシガン州立大(MSU)を支えたカシアス・ウィンストン。

3年目の2018-2019シーズンには負傷でベストメンバーが揃わなかったMSUを獅子奮迅の活躍でNCAAトーナメントファイナル4に牽引。ジュニアにしてカンファレンスの最優秀選手賞にも輝きました。

最上級生で迎えた昨季は主要スタッツこそ前シーズンよりも落としましたが、カレッジを代表するガードとして堂々たるプレーを披露しています。

カレッジ屈指のスコアラー兼フロアリーダーで、昨季も平均18.6得点5.9アシストを記録。3PT成功率43.2%FT成功率85.2%のアウトサイドシュートも魅力です。

巧みなピック&ロール捌きが魅力で、自身、チームメイトを含め多くの得点を演出。トランジションでの決定力には欠けますが、それを除けばスポットアップ、オフスクリーンとどんな形でも高効率で得点を重ねます。

スキルの完成度の高さも勿論ですが、闘将トム・イゾー相手にも物怖じしないメンタルの強さも兼ね備えたウィンストンは、今年のドラフト候補の中で最も完成されたガードの1人でしょう。

スコアリングのデパート、ペイトン・プリチャード


オレゴン大シニアのペイトン・プリチャード。フレッシュマンでNCAAトーナメントファイナル4にスターティングメンバーとして経験したプリチャードも遂にカレッジを卒業。

昨季は主要スタッツ全てでキャリアハイの数字を叩き出し、20.5得点5.5アシスト4.3リバウンド。カレッジ最優秀ポイントガードに贈られるボブ・クージー賞をはじめ、ルート・オルソン賞など、多くの個人賞を受賞しました。

カレッジのスコアリングガードと言えば、真っ先にマーケット大のマーカス・ハワードが思い浮かびますが、ハワードに劣らない完成されたスコアラーがプリチャード。

コートのどこからでも決める事の出来る広いシュートレンジを武器に、ピック&ロール、スポットアップ、トランジションとあらゆるシュチュエーションで得点効率が高いのがプリチャードの魅力。

サイズや運動能力が平凡な中、どんなシュチュエーションでもシュートを決めてしまうのは、彼のスキルの高さ故でしょう。サイズに劣るスコアリングガードは運動能力を高いウイングのディフェンスを苦手としている印象がありますが、プリチャードにはそれが無く、得意なパターンだけで得点を重ねる単なるスコアリングガードとは一線を画します。

何本連続でシュートを外そうとも、シュートを打ち続けるスコアラーとしてのメンタリティも彼の強み。

スコアリングに長けたガードを選ぶのであれば、僕はプリチャードを推します。

2wayならばマラカイ・フリン


サンディエゴ州立大ジュニアのマラカイ・フリン。ワシントン州立大から転校し、転校規定にによる1年の出場停止明けの昨季、サンディエゴ州立大をシーズン30勝2敗の好成績に導き、2ndチームオールアメリカンに選出。カレッジを代表するガードの仲間入りを果たしました。

オフェンススキルに秀でた上級生ガードが豊富な今季ですが、ディフェンスを含めた2wayガードを探しているのであれば、フリンが候補に入ってくるでしょう。

身長・ウイングスパンは平凡と見られますが、執拗なオンボールディフェンダーで1.8スティールを記録。カンファレンスの最優秀ディフェンス選手賞も獲得しています。

勿論オフェンスも優秀で特にピック&ロールから高効率で得点を重ねました。3PT成功率37.3%とFT成功率85.7%という数字はアウトサイドシュートの信頼感を示すには十分。平均17.6得点5.1アシスト4.5リバウンドを記録し、ディフェンスを含めた総合力では、ドラフト候補の中でも屈指の存在です。

コスパの良いガードを求めるならば上級生を

青田買いの要素が強いドラフトでは、年齢の若い下級生が上位指名を受ける傾向にあり、上に挙げた上級生たちも1巡目下位から2巡目での指名が予想されます。

カレッジバスケのファンからの視点で見れば、確かな実績を残している上級生ガードは身体的な魅力では上位指名候補の下級生ガードには見劣りしますが、プレーヤーとしてのスキル・経験値では決して劣りません。

そんな上級生ガードを2巡目で取れるのであれば、コストパフォーマンスの良い指名となるでしょう。

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