ドラフト1位指名候補を考える

今年も間もなく2月という事で、ドラフトネタを書いていこうかなと。

今回のネタは過去のドラフト1位指名プレーヤーを調べ、その傾向を見て行こうという話です。過去5年間のドラフト1位指名プレーヤーの、チーム成績、個人スタッツから何か見えてくればなと思います。

今回もいつもと同じように、結局これといった答えの無い回となりそうですが...

強豪から選ばれるとは限らない


まずチーム成績から見ていきましょう。

ドラフト年プレーヤーカレッジチーム成績APランキングNCAAトーナメント
2016ベン・シモンズLSU19勝14敗-不出場
2017マーケル・フルツワシントン大9勝22敗-不出場
2018ディアンドレ・エイトンアリゾナ大27勝8敗12位1回戦敗退
2019ザイオン・ウィリアムソンデューク大32勝6敗1位Elite 8
2020アンソニー・エドワーズジョージア大16勝16敗--

過去5年間にドラフト1位指名を受けたプレーヤーの内、所属チームがAPランキング上位25位以内にランクインしていたのはエイトンとウィリアムソンの2人のみで、NCAAトーナメントに出場したのもその2人のみ。シモンズが1位指名を受けた時には、NCAAトーナメントに出場していないプレーヤーの1位指名として話題となりましたが、翌年フルツも同様にNCAAトーナメント不出場でドラ1指名。2020年はNCAAトーナメントがキャンセルされましたが、いずれにしろエドワーズの所属したジョージア大はNCAAトーナメントには届かず。

近年の1位指名プレーヤーを見ると、ドラフト1位指名を受ける為には、必ずしもチームが好成績を残している必要は無い様です。(あくまで近年の傾向です。)

チーム成績よりも個人の活躍が重要

次にスタッツを見ていきましょう。カッコ内の数字はチーム内での順位です。
 
ドラフト年プレーヤー平均得点平均リバウンド平均アシスト平均スティール平均ブロック
2016ベン・シモンズ19.2(1位)11.8(1位)4.8(1位)2.0(1位)0.8(1位)
2017マーケル・フルツ23.2(1位)5.7(2位)5.9(1位)1.6(2位)1.2(2位)
2018ディアンドレ・エイトン20.1(1位)11.6(1位)1.6(4位)0.6(4位)1.9(1位)
2019ザイオン・ウィリアムソン22.6(2位)8.9(1位)2.1(3位)2.1(1位)1.8(1位)
2020アンソニー・エドワーズ19.1(1位)5.2(2位)2.8(2位)1.3(1位)0.6(4位)

主要スタッツを見ると、全てのプレーヤーが複数の項目でチーム1位の数字を残しています。シモンズに至っては、主要スタッツ全てでチーム1位という絶対的な数字を残しているのですから、1位指名も納得です。

上記の5名は全員フレッシュマン(1年生)ですから、高校を卒業してすぐに、チームの絶対的エースに君臨しています。

一方で、高校を出たばかりのプレーヤーですから、弱点も少なくありません。

ドラフト年プレーヤーFG成功率3PT成功率FT成功率
2016ベン・シモンズ56.033.367.0
2017マーケル・フルツ47.641.364.9
2018ディアンドレ・エイトン61.234.373.3
2019ザイオン・ウィリアムソン68.033.864.0
2020アンソニー・エドワーズ40.229.477.2

シュート成功率を見ると、FT成功率が7割を下回ったプレーヤーが3人も。3/5がインサイドプレーヤーという事もありますが、3PT成功率が4割を超えたのもフルツのみでした。

私的にはFT成功率は当たり外れを占う重要な指標の1つだと考えていたのですが、1位指名プレーヤーにおいては、あまり重要視されていないのかもしれません。この数字だけで結論付ける事は出来ませんが、5人共にフレッシュマンという事からも、カレッジ時点でのプレーヤーとして完成度よりも将来性が重視されている事が伺えます。

今年のドラ1候補は?

ここで今年のドラフト1位指名候補のスタッツを見てみましょう。

プレーヤー平均得点平均リバウンド平均アシスト平均スティール平均ブロック
ケイド・カニングハム17.2(1位)6.2(2位)3.8(2位)1.2(3位)1.0(1位)
エバン・モーブリー16.5(1位)8.6(1位)1.9(4位)0.9(2位)2.9(1位)
ジェイレン・サッグス13.9(3位)5.2(3位)4.9(1位)2.3(1位)0.5(3位)

現時点で今年のドラフト1位指名有力候補に名前が挙がるのは、オクラホマ州立大のケイド・カニングハム、USCのエバン・モーブリー、ゴンザガ大のジェイレン・サッグスの3人。カニングハムとサッグスがガード、モーブリーがインサイドのプレーヤーです。

3人共にフレッシュマン且つ主要スタッツの内、複数の項目でチーム1位の数字を残しており、過去5年のドラフト1位指名の傾向に当てはまります。

ゴンザガ大という今季のカレッジNo1チームにいる為、サッグスの得点はチーム3位。サッグスの活躍は十分に凄いのですが、過去5年の受賞者を見ると、2019年のザイオンを除き、皆チームの絶対的エースだったプレーヤー。そう考えると、今年のドラフト1位指名はカニングハムかモーブリーが有力となるのでは?(あくまで現時点ですが)

この3人に加え、Gリーグイグナイトに所属するジェイレン・グリーンとジョナサン・クミンガが、2月10日に開幕するGリーグバブルでの活躍次第でドラ1候補に絡んで来るでしょう。

出世頭を見てみると

さてっ、ドラフト1位指名を受けたプレーヤーが、必ずしも同期で最も活躍するプレーヤーとなる訳ではありません。

2016年から2019年にドラフトされ、各年で成功している出世頭を見てみましょう。2016年はシモンズがそれですが、1位指名なのでイングラムを。2018年ではドンチッチかなとも思いますが、彼はヨーロッパからなので、ヤングを2019年はザイオンも活躍していますが、モラントを見てみます。

ドラフト年プレーヤーカレッジチーム成績APランキングNCAAトーナメント
2016ブランドン・イングラムデューク大25勝11敗19位Sweet 16
2017ジェイソン・テイタムデューク大28勝9敗7位2回戦敗退
2018トレー・ヤングオクラホマ大18勝14敗-1回戦敗退
2019ジャー・モラントマレー州立大28勝5敗-2回戦敗退

4人共NCAAトーナメントに出場していますが、ヤングのオクラホマ大はギリギリでの出場だったので、必ずしもチームが好成績を上げていないという点は1位指名と同様です。

スタッツを見ると、

ドラフト年プレーヤー平均得点平均リバウンド平均アシスト平均スティール平均ブロック
2016ブランドン・イングラム17.3(2位)6.8(3位)2.0(4位)1.1(2位)1.4(2位)
2017ジェイソン・テイタム16.8(2位)7.3(2位)2.1(3位)1.3(2位)1.1(2位)
2018トレー・ヤング27.4(1位)3.9(6位)8.7(1位)1.7(1位)0.3(4位)
2019ジャー・モラント24.5(1位)5.7(2位)10.0(1位)1.8(2位)0.8(2位)

モラント(ソフォモア)を除き皆フレッシュマンですが、チームで主要な役割を担っているのは1位指名と同様です。デューク大出身のイングラムとテイタムはチーム内1位の項目がありませんが、有望株がゴロゴロいるチームの性質上、そこは仕方ないでしょう。

ドラフト年プレーヤーFG成功率3PT成功率FT成功率
2016ブランドン・イングラム44.241.068.2
2017ジェイソン・テイタム45.234.284.9
2018トレー・ヤング42.236.086.1
2019ジャー・モラント49.936.381.3

シュート成功率を見ると、FT成功率8割を超えるプレーヤーが3人もいますが、これはインサイドメインだった1位指名に対して、こちらはガード、ウイングが並んでいるという事もあるかなと。とは言え、私的にはFT成功率は重要な指標と思っているので、成功を予想する上ではFTを見ておくのは悪くないでしょう。

今回もいつも通りに何かを言っている様で何も言っていないネタになってしまいましたが、ドラフト妄想の一助になれば幸いです。

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