シャリーフ・クーパーは次のトレー・ヤングとなり得るか?

オーバーン大フレッシュマンポイントガードのシャリーフ・クーパー。ここまでNCAAから出場許可が下りていなかったクーパーが、現地時間1月9日の対アラバマ大戦で遂にカレッジデビューを飾った。

チームは90-94で接戦を落としたが、クーパーは26得点9アシスト4リバウンド3スティールで衝撃的なデビュー。初戦とあって、チームメイトとはまだまだ噛み合っていないにも関わらずだ。

タイトルでは"次のトレー・ヤング~"と書いたが、勿論、2人のプレースタイルに異なる面も多々あることは重々承知。記録的なスタッツを残すフレッシュマンのスモールガードという点で同じになるのではというお話。



ジュニアで高校を代表するプレーヤーに


まずはシャリーフ・クーパーの高校時代から。

クーパーはジョージア州のマッキーチャンハイスクールで4年間プレー。ジュニアだった2018-2019シーズンには、アイザック・オコロ(クリーブランドキャバリアーズ)等と共にチームをシーズン無敗に牽引し、コービー・ブライアントやレブロン・ジェームズ等も受賞したUSA Today選出の全米最優秀戦勝を受賞した。

ESPNランキングでは同学年で20位。こういったランキングは高校時点での完成度だけでなく、身体的なポテンシャルも重視される傾向がある。スモールガードのクーパーの評価は、彼の実績やスキルからすれば、妥当な順位とは言えないだろう。

現在はNBAの第一線で活躍するトレー・ヤングも、同様の理由から高校時代のESPNランキングは学年23位に過ぎなかった。

ちなみに、彼の姉はロサンゼルススパークスでプレーし、ドワイト・ハワードと結婚したティア・クーパー。つまりクーパーはハワードの義弟。クーパーには更に姉が1人と双子の兄弟(クーパー自身が双子)が1人いる。

高い得点能力と広い視野が魅力の正統派


デビュー戦でのクーパーは、久々の実戦と合って、前半はスコアリングのギアが掛からない様子だったが、広い視野から繰り出されるパスで多くのハイライトを演出。クーパーのパスを受け、JT・ソーやデバン・ケンブリッジ等が次々とダイミックなプレーを見せた。

切れ味鋭いドライブでディフェンスを切り裂き、ディフェンスを収縮させると的確なパスをワイドオープンのチームメイトに供給。周囲とのレベルの差が大きい高校時代は、スコアリングガードの側面が際立ったが、カレッジデビューではガードとしてのパスセンスや創造性が輝いた。クリエイティブなパスセンスはカレッジでも異彩を放ち、今季のカレッジバスケ界屈指のファンタジスタと呼べるだろう。

後半に入ると調子を取り戻し、後半だけで20得点。NCAAディビジョン1の強豪カンファレンスに属するアラバマ大であっても、クーパーの変幻自在のドライブを止める事は出来なかった。3PT成功率は1/7(14.3%)に終わったが、本来はロングレンジのシュートも得意とするプレーヤー。この試合でもアウトサイドが決まっていれば、30得点以上を悠々と叩き出していただろう。

試合の終盤でプレーが読まれ、立て続けにTOを犯してしまったが、そこは実戦から長く離れていたからかなと。チームメイトもまだクーパーのパスになれていない様で、ここが噛み合ってくれば、クーパーは更に数字を伸ばしていくだろう。

開幕から1人出遅れてのデビュー戦で、ここまでの活躍を出来たのだから、この先に期待を抱かずにはいられない。3年前にNCAAディビジョン1で得点王、アシスト王を同時受賞したトレー・ヤング級の数字をクーパーが残しても、僕は驚きません。

コメント