NBAドラフト2021:実際どうなのGリーグイグナイト組
NBA入りを目指すアメリカの有望高校生の進路選択は、NCAAディビジョン1の強豪カレッジに進むのが王道。
2020年に高校を卒業したclass of 2020のESPNランキングで学年1位の評価を得ていたジェイレン・グリーン。
コンゴ民主共和国出身のジョナサン・クミンガ。ESPNランキングではclass of 2020で4位にランクされた。class of 2021から学年変更をしているので、まだ18歳と若いプレーヤー。
UCLAへの進学を撤回し、育成プログラムの道を選んだデイシェン・ニックス。ESPNランキングではclass of 2020の21位にランクされ、マクドナルドオールアメリカンにも選出された。
ESPNランキングで15位にランクされたアイザイア・トッド。現代的なインサイドプレーヤーに求められるアウトサイドシュートと運動能力を高い次元で備え、素材型ながらも"プロ向き"と評されてきたプレーヤーだ。
しかし、2019-2020シーズンからGリーグが高卒プレーヤー向けの育成プログラムを始め、制度の態勢が充実した今季はジェイレン・グリーン、ジョナサン・クミンガ、デイシェン・ニックス、アイザイア・トッドの注目高校生を始め、6人がGリーグの育成プログラムに進みました。
育成プログラムに進んだプレーヤー達は、ジャレット・ジャック、アミア・ジョンソン等のベテランと共にGリーグイグナイトに所属。現在イグナイトは開幕から3連勝と好調な船出を切っている。
今回は開幕3試合を終えたイグナイトの育成プログラム組の中から、既に試合に出場している4人を備忘録的に。
ジェイレン・グリーン
スタッツ
高校時代から高い評価を得ていた爆発力と決定力の高さはGリーグでも健在。一度火が付くとドライブ、プルアップジャンパーで簡単に得点を重ね、3試合中2試合で20得点オーバーを記録している。まだ3試合であるが、ウイングとしてFG成功率が55.9%というのは特筆すべき点だろう。
ドライブは爆発力に加え緩急や方向転換にも優れ、一度空中でシュート体制に入れば高い確率でゴールをもぎ取る。スイッチが入るとアウトサイドも止まらくなり、ボールを持たせると"何かをしてくれる"期待感が漂う特別なプレーヤーだ。
課題も多く、ハンドリングの甘さからTOの多さは改善しなければならない。チームにまだ適応しきれていないのか、チームに上手く絡めず存在感が消えてしまう時間もあり、ベテランプレーヤーから動きに関して指摘を受けている様な場面も見られる。チームディフェンスに関しても向上は必須で、オンボールディフェンスにも波がある。
高校時代は常にチームの中心にいたため、チームの中での動きを覚えなければならないのは致し方ないだろう。カレッジをスキップし、1年早くプロを経験で来ているのはグリーンの様なプレーヤーにはプラスでしょう。
既にスコアラーとして稀有な存在感を見せながら、伸びしろも大きく、底知れないポテンシャルを誇るプレーヤーだ。
ジョナサン・クミンガ
スタッツ
3試合を終え、平均22得点でチームのスコアリングリーダーに輝いている。身長、運動能力に優れ、緩急も巧みなドライブはアンストッパブル。シュートまで持ち込む力強さ、ファールを引き出す賢さもあるが、決定力にはイマイチ欠ける。積極的に放つアウトサイドシュートも精度は怪しい。
ウイングのプレーヤーながら、ハンドリングや視野の広さに優れ、パスセンスも一級品。ガード的な先読みをしたパスというよりは、瞬間的にセンスから繰り出されるパスという印象で、ガードタイプではなく、あくまでパスも巧いウイングが適している様に思う。
育成プログラム組の中だけでなく、2021年のドラフト候補全体で最も有望な2wayウイングであるクミンガだが、彼の身長、運動能力があれば、ディフェンスでも更に存在感を増して良いでしょう。順調に成長を続ければ、"一回り大きいジェイレン・ブラウン"の様な選手になれるはず。
デイシェン・ニックス
スタッツ
登録身長6フィート5インチ(約195.6cm)のサイズに加え、体重は101.6kg。屈強なフィジカルと巧みなハンドリングから繰り出されるドライブは破壊力抜群。Gリーグでの3試合を終え、平均で2桁得点を残している。ジャンパーを積極的に狙うプレーヤーではないが、課題と言われている3PTシュートも、本数は多くないが50%と良い数字。
アシストは平均4.7本で、19歳になったばかりのガードながらゲームメイクも上々。一度得点を狙うモードに入ると得点に偏り、プレーのセレクションが悪くなる場面もあり、自身のスコアリングとチームを巻き込んだゲームメイクのバランスを学んでいく必要があるでしょう。
体重が重すぎるという指摘もあり、確かにクイックなガードへのディフェンスは苦手。オフェンスでは重さから来るフィジカルコンタクトの強さを武器にしている所もあり、良い塩梅を見つけたい。
Gリーグのシーズンが始まり評価を上げたプレーヤーで、このままのプレーを続けられれば今年のドラフトで1巡目指名も射程圏内に。デロン・ウィリアムスの様なパワフルなガードへの成長を期待している。
アイザイア・トッド
スタッツ
Gリーグでの初戦では2得点に終わり、まだプロには早いかとも思われたが続く2試合では2桁得点。課題とされているフィジカルコンタクトには今も不安を残すが、得意のアウトサイドシュートで活路を見出している。
3試合目の対ラプターズ905戦では、自信満々にアウトサイドシュートを放ち、4/5という高確率で3PTシュートを沈めた。3試合で早くもプロへの順応を見せているのは嬉しいサプライズでしょう。
インサイドではパワーに欠けるものの、ウイングやガードを守る事の出来る機動力の高さもトッドの魅力。ブロック数には繋がっていないが、ディフェンスでも積極的にブロックに跳び、ガムシャラに頑張る姿勢も見せている。
ドラフト前にGリーグでもやれるという事を証明出来ているのは、ドラフト指名順位にもいい影響を与えるはずだ。
※Gリーグの公式からトッドのハイライトが出たらハイライトを追記します。
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