イマニ・ベイツよどこへ行く

メンフィス大のフレッシュマン、イマニ・ベイツ。

高校時代には"レブロン・ジェームズ以来最高の高校生"とも評された逸材だ。

ペニーことアンフェニー・ハーダウェイの下、メンフィス大で1シーズンプレーしたが、シーズン終了後に他校への転校の意志を明らかにした。



イマニ・ベイツ

生年月日:2004年1月28日
ポジション:SF/PG
出身:イプシプレップアカデミー(ミシガン州)
主な受賞歴:Gatorade National Player of the Year (2020)

ハイライト

史上初、ソフォモアでのゲータレード賞受賞

高校入学前から、その身長と高いスコアリングスキルから"KDタイプ"のプレーヤーとして、その名を広く知られてきたイマニ・ベイツ。

2020年には高校最優秀選手賞であるゲータレード賞を受賞。ソフォモア(日本の高1相当の学年)での受賞は史上初。

しかも、その年の高校最上級生だったケイド・カニングハム、ジェイレン・グリーン等を抑えての受賞とあって、大きな注目を浴びた。

ジュニア(日本の高2相当の学年)のシーズンからは、ベイツの父が創設したチーム、イプシプレップアカデミーに移籍。

シーズンを通じて全米レベルの強豪と対戦し、10勝3敗と上々の成績を残したが、全米トップレベルのチームであったAZコンパスプレップとの試合には76-33で大敗し、苦い思いも。

その試合ではベイツ自身も3得点に抑え込まれ、フィジカルなディフェンスへの懸念も露呈された。

進学を早め、メンフィス大に進学するも

当初2022年に高校を卒業予定のclass of 2022の学年だったベイツだが、進学を早め2021-2022シーズンからメンフィス大でプレー。

ペニーがヘッドコーチを務め、今季からはNBAでの経験も豊富なラリー・ブラウン、ラシード・ウォレスがコーチングスタッフに加入。

彼等の指導の下、ベイツがPGにも挑戦すると報じられ、ベイツのプレーには注目が集まった。

開幕3試合こそ平均16得点と上々のスタートを切ったベイツだったが、その後はカレッジの強度に苦戦し失速。

故障もあり、シーズン18試合の出場で平均9.7得点3.3リバウンドに留まった。

18歳のフレッシュマンとしては十分以上の活躍だが、当初の期待を考えると満足なシーズンとはいかなかった。

年齢上ベイツがNBAドラフトにエントリー可能となるのは2023で、もう1シーズンはカレッジ、又はプロでプレーが必要だが、シーズン終了後にはメンフィス大を去り、転校する事を表明した。

現在、転校先の候補としてはミシガン大、アーカンソー大、シートンホール大、デポール大、ルイビル大、イースタンミシガン大の6校の名前が挙がっている。

過度な期待は禁物

これまで、同世代の中で最も大きな期待を背負って来たベイツ。

シューティングやハンドリングと優れたスキルを持っている事は事実だが、フィジカルは華奢。

身長こそSFとしては高い部類だが、メンフィス大での測定ではウイングスパンの短さ、身体能力の低さも明らかとなった。

アウトサイドシュートこそ高い技術を垣間見せたが、サイズと身体能力不足からかリング近辺のフィニッシュ力も乏しかった。

NBAのウイングとしてはサイズに欠けるベイツは、メンフィス大でシーズン当初にPGにも挑戦したが、新たな役割に苦しんだ。

勿論、ベイツが来季急成長を見せる事も考えらえるが、若いベイツは成長にまだ時間を要するプレーヤーだろう。

前述の通り、2023年からドラフトエントリーが可能だが、これまで通りのウイングスコアラーでプレーするにしろ、PGに転向するにしろ、カレッジで出来る限り経験値を積み、スキル、フィジカルを強化してからNBAに進んだ方が良いタイプだと僕は思っている。

何にせよ、若いプレーヤーに過度な期待を寄せる事は酷。ベイツの成長は長い目で見守っていきたい。


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