NBAドラフト2022:ドラ1にはチェット・ホルムグレン推し
ゴンザガ大のフレッシュマン、チェット・ホルムグレン。
7フッターの身長に7フィート6インチ(228.6cm)とも言われるウイングスパン、そしてそのサイズに似つかわしくないオールラウンドなスキルを有するカレッジバス界の"ユニコーン"だ。
今年のNBAドラフトでもオーバーン大のジャバリ・スミスJr、デューク大のパオロ・バンケロと並び、ドラフト1位指名の有力候補に名前が挙がるが、僕はその中でもホルムグレンをドラ1の最有力候補に推したい。
学年:フレッシュマン
生年月日:2002年5月1日
ポジション:PF/C
出身:ミニハハアカデミー(ミネソタ州)
主な受賞歴:Consensus second-team All-American (2022)/WCC Defensive Player of the Year (2022)/WCC Newcomer of the Year (2022)
シーズンスタッツ:26.9分14.1得点9.9リバウンド1.9アシスト3.7ブロック0.8スティール
FG60.7%/3PT39.0%/FT71.7%
ホルムグレンの父、デイブ・ホルムグレンも7フッター級の身長を有し、ミネソタ大でプレーしたバスケットボールプレーヤーで、その血を受け継いだホルムグレンも幼少の頃から周囲より大きかったと言われている。
ミニハハアカデミーに加入した6年生時には、身長は既に6フィート2インチ(188cm)あったと言われ、8年生時のロスターにも身長は6フィート7インチ(200.7cm)と記載されている。
そんなホルムグレンがオールラウンドなスキルを身に付けたのは、小学生の頃に加入したAAUチーム、グラスルーツシズルでの育成のお陰の様だ。
当時から周囲より身長の高かったホルムグレンに対し、ガードスキルを叩き込んだと言われている。
ちなみに、後にミニハハアカデミーでも共にプレーする現オーランドマジックのジェイレン・サッグスとは、グラスルーツシズル時代からのチームメイト。
ホルムグレンが一躍その名を世界に轟かせる事になったのは、2019年に参加したステファン・カリー主催のキャンプでの一幕。
そのキャンプでホルムグレンがカリー相手にカリーの得意ムーブを決めた動画がSNSの波に乗り世界中に拡散され、ホルムグレンの存在は世界中に知られる事になった。
ゴンザガ大への入学前の2021年夏にはUSA代表メンバーに選出され、ラトビアで開催されたU19Wカップに出場した。
正直、当時の僕はホルムグレンが同年代の世界トップレベルのプレーヤーを相手に通用するのか懐疑的だった。
しかし、ホルムグレンは平均11.9得点6.1リバウンド3.3アシスト2.7ブロックを記録し、チームの世界制覇に貢献。
個人としても大会MVPを受賞し、同世代の世界トップレベルのプレーヤーに対し、インサイドプレーだけでなく、ウイングやアウトサイドのプレーも披露し、既に世界トップレベルのオールラウンダーである事を証明した。
鳴り物入りでゴンザガ大に入学したホルムグレンは、デビュー戦の対デュクシーステイト大戦で14得点13リバウンド6アシスト7ブロックと攻守に渡り"ユニコーン"っぷりを遺憾なく発揮。
ゴンザガ大にはカレッジ屈指のポストプレーヤー、ドリュー・ティミーがいた事で、インサイドだけに張り付く必要が無く、広いエリアでプレー出来た事も彼の成長にとってはプラスだっただろう。
シーズン平均で14.1得点9.9リバウンド1.9アシスト3.7ブロックを記録し、カンファレンスのDPOY、最優秀新人賞を同時受賞。
Consensus second-team All-Americanにも選出され、名実共にカレッジのトッププレーヤーに。
NCAAトーナメントではアーカンソー大に負け、SWEET16で敗退したが、カレッジトップレベルのチームを攻守で支えた。
オフェンスでは、3PT成功率39%を記録したアウトサイドシュート力、滑らかなハンドリングスキル、確かなローポストスキルを有し、コートのどこからでも、どんなシチュエーションからでも得点が可能。
ウイングスキルがフォーカスされる事の多いプレーヤーであるが、インサイドでは左右の手でフィニッシュする事が出来るし、ショートフローター系も上手。インサイドプレーヤーとしても優秀なスコアリングスキルを有している事を忘れてはいけない。
その高さと機動力を駆使し、ピック&ロールのフィニッシャーとしても優秀。リング周辺のフィニッシュでは1.68PPP(100thパーセンタイル)という驚異的な数字を記録した。
フィニッシャーとして優れるだけでなく、ジャンプシュートでも1.19PPP(95th)と素晴らしい数字を残しているのは、流石ユニコーンと言った所だろう。
自身の得点だけでなく、ハンドリングとパススキルに優れるホルムグレンは、チームメイトの得点をクリエイトする事も。ちなみに、高校最上級生のシーズンには、ハンドラーもこなしていた。
身体能力の面で見れば、爆発的ではないがスムースな動きが出来る。既にスキルは高く、今後のフィジカル強化により動きに切れ味が増せば、オフェンスでもより驚異的なプレーヤーになるはずだ。
ハーフコートでのフィニッシュのシチュエーションでは、オフェンスのシュート成功率を44%に抑え込み、それはNCAAディビジョン1全体でNo1の数字との事。
ホルムグレンの針金の様に細い体型を懸念する声は根強いが、その身体でこれだけの実績を積み重ねてきた事は忘れてはいけない。
華奢なビッグマンとして長きに渡りプレーしてきたホルムグレンには、重さに対処するポジション取りやブロックのタイミングのスキルが備わっている。
現時点でもポストアップに対し、0.78PPP(60thパーセンタイル)と一定以上には抑えている。
勿論、フィジカルが強化されれば、攻守に渡りホルムグレンのプレーに磨きが掛かるであろう事に疑いの余地は無いが、ホルムグレンが現在の体型のままではNBAで通用しないと断言する事は出来ないだろう。
2023年のドラフト1位指名候補に名前の挙がるフランスのビクター・ウェンバンヤマは、ホルムグレンよりもインサイド寄りのプレーヤーかなと。
オフェンスでは7フッターのオールラウンダーとして、ディフェンスではカレッジ屈指のリバウンダー兼ショットブロッカーとして活躍し、ガードやウイングにもマッチアップ可能なホルムグレンは、現代バスケの申し子の様なプレーヤーだろう。
7フッターのオールラウンドというワードだけ見れば、まだまだ未完成なプレーヤーを思い描くが、ホルムグレンはどのスキルを取ってみてもビッグマンとしては完成が高い。
完成度の高いスキルとカレッジトッププレーヤーとしての実績を有し、決して"素材型"のプレーヤーではない。それでいて、フィジカルが未完成で伸びしろも果てしなく大きい。
サイズと何でも出来る万能なスキルという特異な組み合わせにより、既存のプレーヤーとプレースタイルが重なる故に指名を回避されるという懸念も少ない。
その稀有なスキルとサイズの組み合わせ、ポテンシャルの高さから、僕はチェット・ホルムグレンを今年のドラフト1位指名に推す。
❤️🐾🐶 pic.twitter.com/omlY3aZMlc
— chet holmgren (@ChetHolmgren) April 21, 2022
チェット・ホルムグレン
所属:ゴンザガ大学年:フレッシュマン
生年月日:2002年5月1日
ポジション:PF/C
出身:ミニハハアカデミー(ミネソタ州)
主な受賞歴:Consensus second-team All-American (2022)/WCC Defensive Player of the Year (2022)/WCC Newcomer of the Year (2022)
シーズンスタッツ:26.9分14.1得点9.9リバウンド1.9アシスト3.7ブロック0.8スティール
FG60.7%/3PT39.0%/FT71.7%
ハイライト
SNS効果で一躍世界で知られるプレーヤーに
まずは大学までのお話から。7 footer Chet Holmgren hit Steph Curry with the SAUCE and then dunked it! #SC30Select @ChetHolmgren @StephenCurry30 pic.twitter.com/xjHZxb4bus
— Ballislife.com (@Ballislife) August 6, 2019
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