2019-2020:今季カレッジ注目のスモールプレーヤーまとめ
Early candidates for the 2020 Naismith Trophy:— NCAA March Madness (@marchmadness) May 18, 2019
Markus Howard
Cassius Winston
Tre Jones
James Wiseman
Cole Anthony
Udoka Azubuike pic.twitter.com/8FEE3IehCu
昨季NCAAトーナメントを制したヴァージニア大のエース、カイル・ガイは裸足身長は185cmも無く、SGとしてはかなり小さな選手ではありましたが、高精度かつ勝負強いアウトサイドシュートでチームを全米の頂点に導きました。
今季のカレッジバスケでもチームを勝利に牽引するスモールプレーヤー達の活躍が期待されます。
カシアス・ウィンストン
大学:ミシガン州立大(MSU)ポジション:PG
学年:シニア
主な受賞歴:Consensus second-team All-American (2019)/ Big Ten Player of the Year (2019)
シーズン開幕前のランキングで1位にランクされるMSU。このランク付けにはエースガードのカシアス・ウィンストンの存在が欠かせません。昨季MSUがスターティングSGのジョシュア・ラングフォードを怪我で欠きながらもNCAAトーナメントのFinal4に進出したのはウィンストンの獅子奮迅の活躍によるもの。
サイズ不足は否めませんが高確率のアウトサイドシュート、強気のゲームメイクでNCAA屈指の名門校を引っ張ります。昨季の時点で平均18.8得点7.5アシストとスタッツは超優秀。今季はカレッジ最優秀選手の最有力にも名前が挙がるカレッジバスケを代表する選手です。
マーカス・ハワード
大学:マーケット大ポジション:PG
学年:シニア
主な受賞歴:Consensus second-team All-American (2019)/ Big East Player of the Year (2019)
カレッジ屈指の点取り屋であるハワード。爆発的な跳躍力も電光石火のクイックネスも持たない選手ですが、ふり幅の大きなステップバックと正確無比なアウトサイドで得点を量産。昨季は大学記録、カンファレンス記録を共に塗り替える1試合53得点を記録。過去20年の間で1シーズンで2度の1試合50得点を記録した唯一の選手でもあります。
昨季の平均得点は25.0得点。ディフェンスに厳しいマークを受けながらも3PT成功率40.3%を記録し、FT成功率も89.0%でシュート精度はカレッジでも彼の右に出るモノはいません。ディフェンスとスペースを作る技術も巧みで、この辺は日本人選手の参考にもなる選手かなと。
アンダーサイズでアスレティックではないスコアラーである彼は、NBAから高い評価を受けるタイプではありませんが、カレッジでは押しも押されぬスーパースター。今季も期待を上回るスコアリングパフォーマンスを見せてくれることでしょう。
コール・アンソニー
大学:ノースカロライナ大(UNC)ポジション:PG
学年:フレッシュマン
主な受賞歴:McDonald's All-American Game MVP (2019)/ Jordan Brand Classic Co-MVP (2019)
Nike Hoop Summit MVP (2019)
高校生としてSLAM誌の表紙をピンで飾ったのはザイオン・ウィリアムソン以来。元NBA選手、グレッグ・アンソニーを父に持つ高校バスケ界のカリスマは、高校バスケの名門Oak Hill Academyを経て、カレッジ屈指の強豪UNCに入学する王道を選択しました。
昨季の主力は卒業やアーリーエントリーでチームを去りましたが、脇を固めるロールプレーヤータイプの上級生は充実。実力派の転入生も加入し、アンソニーのサポート体制は万全です。
切れ味鋭いハンドリングから繰り出される1対1はディフェンスを寄せ付けず、フィニッシュのパターンも多彩で高精度。点が取りたい時に思うがままに得点の出来る選手です。助走有のジャンプでは109.2cmを記録し、身体能力も抜群。高校ではトリプルダブルを量産したオールラウンドガードはカレッジでも間違いなくスターになるでしょう。
既に来年のドラフトのTOP3候補の呼び声も高く、怪我さえ無ければ今季のカレッジバスケの主役の1人となることは間違いないでしょう。
トレー・ジョーンズ
大学:デューク大ポジション:PG
学年:ソフォモア
主な受賞歴:ACC All-Freshman team (2019)
デューク大でフレッシュマンながらにスターティングPGを担ったジョーンズ。彼と同期でスターティング5に名を連ねたザイオン・ウィリアムソン、RJ・バレット、キャメロン・レディッシュの3人は皆1巡目上位でNBA入り。ジョーンズもエントリーをしていれば、ドラフトで指名を受ける可能性が十分にありましたが、彼はデューク大で2年目のシーズンを過ごす事を選びました。
ディフェンスに定評があり、今季はカレッジでもベストディフェンダーの1人となると予想されます。一方で3PT成功率が3割を切るオフェンスには大きな課題を残します。昨季はバレット、レディッシュとハンドラーとなれる選手と共にプレーしていましたが、今季はオフェンスリーダーとしての独り立ちも求められます。
デボン・ドットソン
大学:カンザス大ポジション:PG
学年:ソフォモア
主な受賞歴:Third-team All-Big 12 (2019)
昨季充実したメンバーを揃えながらも主力の怪我で不振にあえいだカンザス大。スピードスター、ドットソンの活躍はカンザス大にとって数少ない明るい材料の内の1つでした。昨季と比較するとスターパワーこそ落ちますが、インサイドには圧倒的なパワーでゴール下を制圧するユドカ・アズブーキ、ウイングには抜群の身体能力を誇るオチャイ・オビアグと各ポジションにカレッジ屈指のメンバーが残り、今季も十分にFinal4を狙えるタレントが揃います。
インサイドの層は特に厚いものの、多くは使われて能力を発揮するタイプ。ドットソンのフロアリーダーとしての力量が試されます。彼の類まれなクイックネスを効果的に使う判断力が身に着けば、カレッジ屈指のガードに成長するはずです。
何だかんだで小さな選手が試合を決める
NBAに進むようなスターの多くはサイズにも身体能力にも恵まれた選手ですが、如何にアマチュア最高峰のNCAAディビジョン1と言えど、そういった選手ばかりではありません。昨季の全米王者、ヴァージニア大のエースはカイル・ガイでしたし、テキサス工科大を準優勝に導いたのはダビド・モレッティとマット・ムーニーの爆発的な得点能力。MSUもカシアス・ウィンストンの20得点10アシストの活躍が無ければ、Final4をかけた試合でデューク大に勝利することは出来なかったでしょう。
日本バスケでも170cm台の選手層が厚いのと同様、カレッジバスケでも層が厚いの180cm台の小さな選手達。そして、勝負を分ける局面で大きな仕事をやってのけるのも、卓越した技術を備えるスモールプレーヤー達なのです。