2023-2024:今季気になるカレッジプレーヤー【ハンドラー編】

さてさて、アメリカでは間もなくバスケットボールシーズンも開幕。

現地ではファンを集めてのイベントやエキシビジョン等も開催され、シーズンインに向けて盛り上がりも高まっている。

という事で、当ブログでも今季気になるカレッジプレーヤーのまとめを。

まずはハンドラー編から。※身長はチーム公式ページの数値を記載


エリオット・カドー

所属:ノースカロライナ大
学年:フレッシュマン
生年月日:2004年9月4日
ポジション:PG
身長:185.4cm
出身:リンクアカデミー(ミズーリ州)
主な受賞歴:FIBA U18 European Championship Division B MVP (2022)

ハイライト

全米No1に輝いたポイントゴッド

スウェーデン国籍を有し、既にスウェーデンフル代表としてのプレー経験も有するエリオット・カドー。

昨季はリンクアカデミーでプレーし、チームを実質的な全米No1決定戦であるGEICOナショナルズ制覇に導いた。

ゲームメイクに優れ、司令塔としてチームを掌握するポイントゴッドタイプ。トランジションでは迅速且つ的確なパスで速攻を演出し、ハーフコートでもクリエイティブなプレーでチームの得点シーンを創り出す。

緩急巧みなハンドリングと高精度のシューティングを有し、個人での打開力も高い。

高校時点での支配力という点では、同じくノースカロライナ大出身のコール・アンソニーを思い出させる。

今季のノースカロライナ大は全米屈指のスコアリングガードであるRJ・デイビスや、身体能力に優れる2wayガードのセス・トリンブルを有し、全米屈指のガード層の厚さを誇る。

全米屈指のフレッシュマンであっても、出場時間を獲得することすら容易では無い状況だが、カドーであればポジションを勝ち取り、フロアリーダーとしてチームを牽引してくれるだろう。

インサイドには全米トップレベルのビッグマン、アルマンド・ベイコットを擁し、2022年以来となるNCAAトーナメントFinal4進出にも期待が掛かる。

DJ・ワグナー

所属:ケンタッキー大
学年:フレッシュマン
生年月日:2005年5月4日
ポジション:PG/SG
身長:193cm
出身:カムデンハイスクール(ニュージャージー州)
主な受賞歴:McDonald's All-American Game MVP (2023)/Nike Hoop Summit (2023)

ハイライト

電光石火の2世プレーヤー

祖父(ミルト)、父(デュワン)共に元NBAプレーヤーというサラブレッド、DJ・ワグナー。

ワグナーがNBA入りを果たせば、史上初の3代連続のNBA入りとなる。

下級生の頃から学年を代表するコンボガードとの評価を得て来たワグナーは、最終的にはESPNの評価で学年4位のプレーヤーとしてケンタッキー大へ。

ディフェンスを縦にぶち抜く電光石火のクイックネスと左右に振り回すハンドリングスキルを持ち、適格にチームメイトにパスを見つける堅実なゲームメイクを見せる。

無論、スコアリングスキルは高く、高校のスター達が集まるオールスターゲームであるマクドナルドオールアメリカンでも19得点を記録し、大会MVPを受賞した。

進学先のケンタッキー大はNBA候補生が集まるスター軍団。特に近年はディア―ロン・フォックス、SGAなど優れたガードをNBAに輩出しており、ワグナーも先輩達に続く活躍が期待される。

スキル、バスケットボールIQは高く、ディフェンスでもボールマンに精力的にプレッシャーを掛ける。アウトサイドシュートやドライブからのランナーを安定して決める事が出来れば、スター軍団のエースとなれる逸材だ。

ケイレブ・ラブ

所属:アリゾナ大
学年:シニア
生年月日:2001年9月27日
ポジション:PG/SG
身長:193cm
出身:クリスチャンブラザーズカレッジハイスクール(ミズーリ州)
主な受賞歴:ACC All-Freshman Team (2021)

ハイライト

大舞台で暴れまわるスコアリングガード

2022年のNCAAトーナメントでの活躍が記憶に新しいスコアリングガード、ケイレブ・ラブ。

決して得点効率の良いプレーヤーでは無いが、一見常軌を逸したシュートセレクションからタフショットを次々と沈める爆発力で全米の注目が集まる大舞台でスタイリッシュに得点を重ね、チームを決勝まで牽引した。

NCAAトーナメントでの活躍を経て、更なる飛躍が期待された昨季。得点、FG成功率共にキャリアハイを記録したが、それでもFG成功率は37.8%。プレシーズンで全米1位にランクされたチームもまさかのNCAAトーナメント不出場に終わった。

迎えた今季、ラブはノースカロライナ大がアリゾナ大に転校し、新天地で再起を図る。

アリゾナ大にはディフェンスに優れるカイラン・ボズウェル、アスレティックなジェイデン・ブラッドリーと優秀なガードが揃い、ラブとのスリーガードはカレッジでもトップレベルにエキサイティングなラインナップになりそうだ。

今季でシニアとなるラブには、得点効率の改善、リーダーとして再度チームを全米上位に導く活躍を期待したい。

デュワン・ハリス

所属:カンザス大
学年:ジュニア
生年月日:2000年12月11日
ポジション:PG
出身:188cm
出身:ロックブリッジハイスクール(ミズーリ州)
主な受賞歴:Big 12 Defensive Player of the Year (2023)/Big 12 All-Defensive Team (2022, 2023)

ハイライト

全米制覇を経験したロールプレーヤー

2022年にスターティングガードとしてNCAAトーナメントを制し、全米王者に輝いた司令塔、デュワン・ハリス。

昨季は平均2.2スティールを記録し、カンファレンスの最優秀ディフェンス選手賞も受賞したカレッジ屈指のディフェンシブガードだ。

平均得点は昨季の時点で8.9得点に過ぎないが、平均6.2アシストとゲームメイクに優れ、FG成功率47.1%、3PT成功率40.5%とシュート効率も高水準。身体能力も高く、スコアリング面での成長にも期待したい。

今季はカレッジ屈指のビッグマン、ハンター・ディキンソンがミシガン大から転校で加入し、ハリスとディキンソンによるピック&ロールが猛威を振るうだろう。

大量得点をあげるスーパースターでは無いが、全米トップレベルのディフェンスと堅実なゲームメイクによるいぶし銀のプレーで、今季もチームを勝利に導いてくれるだろう。

リース・ビークマン

所属:バージニア大
学年:シニア
生年月日:2001年10月8日
ポジション:PG
身長:190.5cm
出身:スコットランドビルマグネットハイスクール(ルイジアナ州)
主な受賞歴:ACC Defensive Player of the Year (2023)/Third-team All-ACC (2023)/ACC All-Defensive Team (2022, 2023)

ハイライト

全米屈指の2wayガード

全米屈指のディフェンシブチームとして名を馳せるバージニア大の司令塔、リース・ビークマン。

カンファレンスの最優秀ディフェンス選手賞を受賞しており、全米屈指のディフェンシブガードとの定評がある。

ゲームメイクにも優れ、平均5.3アシストを記録しただけでなく、AST/TO比はカンファレンス1位の3.36とミスも少ない。

最終的にはカレッジに戻ったが、昨季終了後にはNBAドラフトへのアーリーエントリーを表明している。

ドラフトコンバインでは助走有の跳躍で96.5cm、スプリントで参加者の中で3位タイと身体能力の高さも証明。その身体能力から、時にはド派手なハイライトプレーも見せてくれる。

昨季の主力は卒業や転校でチームを去り、今季のバージニア大にはエース不在。

ディフェンスにおいては持ち前のチーム力でカバーが出来るが、得点面ではビークマンのステップアップを期待したい。

アイザイア・コリア―

所属:USC
学年:フレッシュマン
生年月日:2004年10月8日
ポジション:PG
身長:195.6cm
出身:ウィーラーハイスクール(ジョージア州)
主な受賞歴:Naismith Prep Player of the Year (2023)/McDonald's All-American Game MVP (2023)

ハイライト

学年No1のスコアリングガード

ESPNによる評価でclass of 2023のNo1プレーヤーに輝いたスコアリングガード、アイザイア・コリア―。

DJ・ワグナーと並びマクドナルドオールアメリカンのMVPを受賞し、その実力に疑いの余地は無い。

PGとしては恵まれた身長と屈強な肉体を有し、フィジカルでディフェンスを制圧するスコアリングガード。

爆発的なクイックネスは無いが、巧みな緩急から繰り出されるパワフルなドライブで得点を量産する。

その一方で広い視野と安定したパススキルを有し、速い展開でもハーフコートのピック&ロールでもゲームメイクには抜かりなし。

USCには昨季カンファレンスの1stチームに選出されたブギー・エリスがおり、コリア―とエリスのデュオはカレッジでも屈指の危険でエキサイティングなバックコートになるだろう。

フレッシュマンではあるが、チームを牽引するリーダーシップにも期待したい。

タイラー・コレク

所属:マーケット大
学年:シニア
生年月日:2001年3月27日
ポジション:PG
身長:190.5cm
出身:セントジョージスクール(ロードアイランド州)
主な受賞歴:Second-team All-American(2023)/Big East Player of the Year (2023)

ハイライト

カレッジを代表する司令塔

昨季は2ndチームオールアメリカンに選出され、今年はプレシーズンのオールアメリカンにもその名を連ねたカレッジ屈指の司令塔、タイラー・コレク。

日本人プレーヤーのテーブス流河君も所属したAAU、ミドルセックスマジックの出身者でもある。

爆発的な身体能力は無いが、多彩なハンドリングでディフェンスを翻弄。

4割近くの成功率を誇る3PTと強気のドライブから昨季は平均12.9得点を記録している。

ドライブでディフェンスを引き寄せ、クリエイティブなパスを繰り出すゲームメイクはカレッジ屈指で、昨季はNCAAディビジョン1全体で3位の7.5アシストを叩き出した。

身体的には平凡だが、完成されたスキルと度胸満点のメンタルでチームを率いるカレッジの上級生らしい素晴らしいガードだ。


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