NBAドラフト2025:ドラ1最有力候補、クーパー・フラッグ

最近サッパリブログの更新をしていませんが、今年もドラフトが近付いてきたのでドラフト予習を。

やっぱり今年はクーパー・フラッグ君からでしょう。 2022年のU17W杯での活躍で世界にその名を知らしめ、高校ラストシーズンにはシーズン無敗でChipotleナショナルズ制覇を達成。

カレッジ開幕前には唯一の大学生としてUSAセレクトチームに選出され、カレッジでも期待通りの活躍で最優秀選手賞を総なめ。

最早逆張り不可能な今年のドラ1鉄板候補だ。


クーパー・フラッグ(Cooper Flagg)

所属:デューク大
生年月日:2006年12月21日
ポジション:SF/PF
主な受賞歴:National college player of the year (2025)/ACC Player of the Year (2025)/National high school player of the year (2024)

スタッツ(2024-2025)

GPMINFG%3P%FT%REBASTBLKSTLPFTOPTS
3730.648.138.5847.54.21.41.41.92.119.2

コンバイン測定結果

身長(裸足)指高体重ウイングスパン垂直跳(助走無)
202.6270.5100.2213.473.7
垂直跳(助走有)レーン
アジリティ
シャトルランスプリント最高到達点
90.210.642.923.30360.7

ハイライト


U17W杯で世界中にその名を轟かせる


まずはクーパー・フラッグの経歴をサッと振り返っていこうかなと。

フラッグがその名を知られる様になったのは2022年FIBAU17W杯だ。

フラッグは当時15歳ながらU17W杯のUSA代表メンバーに選出され、チームの主力として活躍。激しいディフェンスで世界制覇に貢献した。

平均9.3得点10.0リバウンド2.4スティール2.9ブロックという驚異的なスタッツを叩き出し、大会ベスト5にも選出された。

大会終了後にはFIBAが公式アカウントにフラッグのハイライト動画をアップロードした事からも、この大会での彼の活躍が如何に衝撃だったかが伺えるだろう。

高校では全米制覇を達成

それまで地元メイン州の高校でプレーしていたフラッグだが、2022-2023シーズンからフロリダ州のモントバードアカデミーに転校。

モントバードアカデミーは近年だけでもケイド・カニングハム、スコッティ・バーンズ、RJ・バレット、アンドリュー・ネムハード等、多くのNBAプレーヤーを輩出する全米屈指の強豪校だ。

転校直後からフラッグは主力として活躍。当初は2025年高校卒業予定のclass of 2025のプレーヤーだったが、卒業を1年早めclass of 2024に。

高校ラストシーズンには、同じく今年のドラフト上位指名候補であるエイサ・ニューエル、デリク・クイーン、リアム・マクニ―リー等とモントバードアカデミーをシーズン無敗のまま、Chipotleナショナルズ制覇に牽引。

Chipotleナショナルズは全米大会の無いアメリカ高校バスケにおける実質的な全米NO1決定戦だ。

フラッグ個人としても全米最優秀選手賞であるゲータレード賞、ネイスミス賞を受賞し、世代No1プレーヤーの座を確固たる物とした。

また、高校卒業後の夏には、大学生として唯一USAセレクトチームに選出され、パリ五輪代表メンバーとのスクリーメージの活躍はSNS上で大きな話題となった。

カレッジでも前評判通りの活躍

鳴り物入りでデューク大に進学したフラッグは開幕から期待通りの活躍を見せる。

2025年1月11日の対ノートルダム大戦ではACCの1年生記録を更新する1試合42得点を記録。また、得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックの主要スタッツ5部門でチームNo1となるデューク大史上初の快挙も記録した

ウッデン賞、ネイスミス賞等のカレッジの最優秀選手賞も総なめ。
フレッシュマンでカレッジ最優秀選手賞を受賞したのは
ケビン・デュラント
アンソニー・デイビス
ザイオン・ウィリアムソン
以来史上4人目となる偉業である。

フラッグに牽引されたデューク大は順当にNCAAトーナメントを勝ち上がり、パオロ・バンケロ等を擁した2022年以来のFINAL4に進出。

FINAL4の対ヒューストン大戦でも終盤までリードを奪い、NCAAトーナメント決勝進出が期待されたが、劇的な逆転負けを喫しフラッグのカレッジキャリアは終焉を迎えた。

攻守に支配的な希代のオールラウンダー

ここからはフラッグのプレーについての話を。

前述の通り、フラッグはスタッツでデューク大主要5部門をリードしており、その事からも分かる通り、攻守に支配的なプレーを見せるオールラウンダーだ。

コート上でのチームへの貢献度を推定する指標であるBPMでは、全米No1の15.0を記録している。

スター選手に囲まれた高校時代にはスコアリングで突出するプレーヤーでは無かったフラッグだが、デューク大では平均19.2得点を記録。

カレッジの中ではサイズ、身体能力に秀でたドライブは強力で、ファール以外で止める事は難しく、フラッグはデューク大の新入生記録である1シーズン179本のFTを決めている。

また、ポストプレーを得意とし、高い打点から繰り出させれるターンアラウンドジャンパーはNBAレベルでもアンストッパブルなムーブとなるかもしれない。

高校時代にはEYBL SCHOLASTICでの12試合で3PT成功率が27%に終わり、アウトサイドシュート精度が懸念されていたが、カレッジでは3PT成功率38.5%を記録。FT成功率も84.0%と高く、アウトサイドシューターとしての信頼感を大きく上げた。

フラッグのオフェンスにおいて、スコアリング以上にNBAで重宝されるのは彼のパッシングスキルかもしれない。

クリエイティブなパスを生み出すプレーヤーでは無いが、広い視野と的確な判断で1試合4.2アシストを記録。ショートロールからビッグマンへのロブパスにも長け、デューク大のビッグマン、カマン・マルアチへ多くのアリウープパスを供給した。

スコアリングのクリエイトの面では、サイズや身体能力に頼る所も大きく、ハンドリングもまだタイトでは無い事から、NBAでは即戦力のスコアラーとはならないだろう。まずはキャッチ&シューターやセカンドハンドラーとしてのチームオフェンスへの貢献に期待したい。

フラッグについて忘れてはならないのは、フラッグがカレッジ屈指のディフェンシブプレーヤーであるという事だ。

カンファレンスのAll-Defensive teamに選出され、カレッジ最優秀ディフェンス選手賞のセミファイナリスト10人の内1人に選出されている。

サイズと身体能力に優れ、カレッジレベルであれば全てのポジションに対応する事が可能で、高いバスケットボールIQからオンボールでもカバーディフェンスでも高い貢献度を見せた。

ドラフトコンバインでの身体測定でも、身長202.6cm、ウイングスパン213.4cm、指高270.5cmとNBAのPF級の数字を記録し、NBAでもマルチディフェンダーとしての活躍が期待出来るだろう。

ドラ1指名に疑いの余地は無し

世界大会、高校、カレッジで圧倒的な実績を残し、攻守にオールラウンドで大きな弱点は無し。2006年12月21日生まれとアーリーエントリーぎりぎりの若さもドラフト候補として大きな魅力だ。

ドラフトコンバインでも良い数字を出していてるフラッグには、実績、スキル、身体の面で不安は無く、彼のドラフト1位指名を疑うことは難しいだろう。

彼に似たプレースタイルのNBAプレーヤーとしてはスコッティ・ピッペン、アンドレイ・キリレンコ、ニコラス・バトゥムとディフェンスに優れたオールラウンダーが並ぶ。
(ジェイソン・テイタムの名前もよく見るけれど、テイタムの程クリエイトに優れたプレーヤーではなく、ディフェンス寄りかなと)

アンセルフィッシュなチームプレーヤーでプレー強度も高く、すぐにスターとはならずとも、チームの勝利に必要不可欠なプレーヤーとなってくれるだろう。

最後に、1位指名権を持つマブスとフラッグ関連でこのブログっぽいどこでも使えないウンチクを入れておくと、

・マブスにはカイリー・アービング、デレク・ライブリーとフラッグと同じデューク出身者が2名在籍
・カイリーとフラッグは高校時代のコーチ(ケビン・ボイル)が同じ
という共通点が。

NBAでの活躍が待ち遠しいですね。


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