March Madness 2018:第1シードのヴァージニア大が初戦敗退の波乱。


強固な"パックラインディフェンス"を敷き、NCAAでも最小平均失点を誇るヴァージニア大。
NBAドラフトの上位候補となる様なスーパースターはいないものの、ノースカロライナ大、デューク大といった強豪がひしめくカンファレンス"ACC"のレギュラーシーズンを17勝1敗で制し、続くACCトーナメントでも優勝。
South Regionの第1シードに選ばれ、1984年以来となるFinal4進出が期待されました。

ヴァージニア大の初戦の相手は第16シードのメリーランド大ボルティモア校(UMBC)。
マイナーカンファレンスのAmerica East Conferenceに所属し、カンファレンストーナメント優勝でNCAAトーナメント進出を果たしたチームです。

ヴァージニア大が難なく勝利を収めると予想された試合ですが、前半終わって21-21の同点。
同点ではありますが、ロースコアの展開を得意とするヴァージ二ア大のペースかと思われましたが、後半に入って主導権を握ったのはUMBC。
猛追を図るヴァージ二ア大のプレスディフェンスを最後までかいくぐり、74-54でUMBCが上位シードを破る"Upset"を起こしました。

過去のNCAAトーナメントで第16シード校は第1シード校を相手に0勝135敗。
UMBCはこれまで1校として成しえなかった快挙を達成し、NCAAトーナメントの歴史に新たなる1ページを刻みました。


UMBCがNCAAトーナメント史上最大のUpsetを達成。


NCAAトーナメント史上最大のUpsetを達成したUMBCですが、その立役者となったのがK.J・モウラとジャイルス・ライルスのシニアガードの2人。

モウラはプエルトリコ出身で、短大からの3年次編入でのUMBCに加入した選手。
身長173センチ程のスモールガードですが、カンファレンスのDefensive Player of the Yearに輝いた選手です。
この試合では10得点3アシスト2スティールを記録。
特にオフェンス面での貢献が素晴らしく、後半UMBCはモウラのドライブやアシストから流れに乗り、試合の主導権を握りました。
試合終盤にはヴァージニア大のプレスディフェンスを掻き乱し、最後までヴァージニア大に追撃の隙を与えませんでした。

UMBCのエース、ライルスはこの試合でもゲームハイとなる28得点を記録。
好調な3PTに気を取られたヴァージニア大のディフェンスをドライブで切り裂き、FG成功率9/11という高確率で得点を重ねました。
ドライブでヴァージ二ア大のディフェンスに的を絞らせず、脚を攣りながらも後半53得点を記録したUMBCのオフェンスを牽引しました。
ちなみにライルスのご両親はヴァージ二大出身で、お父様はフットボールチームで活躍し、NFL入りも果たした選手の様です。

UMBCは試合を通じで12/24の高確率で3PTを成功。
リバウンドでも33-22でヴァージニア大を上回り、史上最大のUpsetを演じました。

上位進出が期待されたヴァージニア大ですが、高確率の3PTに気が取られたか、自慢のパックラインディフェンスが崩れ、ドライブからのワイドオープンでのレイアップを何度も許してしまう悪い流れを最後まで引きずりました。
オフェンスでも3PTが4/22で全く当たらず、FT数も僅か8本とアグレッシブさを欠きました。
最後までプレスディフェンスで追撃を試みましたが、大量リードを築き余裕のUMBCはモウラを中心に難なくプレスディフェンスをかいくぐり得点を重ねました。
ACCのSixth Man of the Yearにも輝いたディアンドレ・ハンターを怪我で欠いたことも、この敗戦の要因の1つでしょう。

試合後、解説者はUMBCにかけて
U
Must
Be
Cinderella
とコメント。
第1シード校を破った史上初の第16シード校となったUMBCですが、このまま今年のトーナメントのシンデレラチームとなれるでしょうか。

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