NBAドラフト2017:ロンゾ・ボールにはLALがよく似合う。


2017年のドラフトですが、1位指名はマーケル・フルツでほぼ決定的でしょう。
ボストンセルティックスが1位指名権をトレードで他チームに譲渡したとしても、他の選手が1位指名を受けることは考えにくいんじゃないかなと。

1位はフルツで決まりとして、気になる2位指名権を持つのはロサンゼルスレイカース(LAL)。
指名候補と呼べるのはジョッシュ・ジャクソン(カンザス大)、ジェイソン・テイタム(デューク大)、ディアーロン・フォックス(ケンタッキー大)、ロンゾ・ボール(UCLA)位でしょうか。

ロンゾ・ボールファンの私は、是が非でもLALにはボールを指名して欲しい所です。
LALにとってボールが最良のピックがどうかは分かりませんが、カリフォルニア育ちでUCLAで活躍したボールの価値を最大化するのはやはりLALだと思うのです。

3位指名権を持つフィラデルフィア76ersには、昨年の1位指名のベン・シモンズというオールラウンドプレーヤーがおり、彼とボールの共存は難しい。
4位指名権を持つフェニックスサンズにはフィットする可能性もありますが、サンズはPGだらけですし、ボールにはやっぱりLAが似合う。(ボールファンの勝手な暴論です。ごめんなさい。)

基本的にはLALにとってボールが良いというよりも、ボールにとってLALが最適な場所なので、LALさん是非ボールをお願いしますというスタンスです。



ロンゾ・ボール


※2014年アメリカ代表キャンプでの計測




スタッツ




ロンゾ・ボールの経歴

高校時代はカリフォルニア州のChino Hills High Schoolでプレー。
高校4年次(日本の高3)には2人の弟(リアンジェロとラメロ)と共に35勝0敗とシーズン無敗のままカリフォルニア州大会を制覇。
8分×4ピリオドかつショットクロックが35秒のカリフォルニアの高校バスケにあって、100点オーバーの試合を連発するスタイルで強豪校をなぎ倒し、大きな話題を呼びました。

高校卒業後はカリフォルニア州の名門UCLAに進学。
前年に15勝17敗と負け越し、NCAAトーナメント出場を逃したチームを31勝5敗と生まれ変わらせました。
NCAAトーナメントではSWEET16で敗退し、期待された結果を残すことは出来ませんでしたが、ボール個人はConsensus first-team All-American、First-team All-Pac-12、First-team All-Pac-12に選出されています。
NCAA Division 1の最多アシストも記録しており、フレッシュマンでの最多アシストは2002年のT.J・フォード以来の快挙。

カレッジバスケットボールのキャリアは僅か1年で終わりましたが、強烈なインパクトを残しました。

ロンゾ・ボールの長所と短所

一般的に言われているボールの長所と短所はこんな所でしょうか。

長所

  • サイズ
  • オールコートオフェンスの創造力
  • シュート力
  • 試合を決めに行く精神力
サイズについては私は結構懐疑的です。
言われている程大きく無いし、ウイングスパンもそこまで...。
小顔なのでスタンディングリーチはSGの平均程度はありそうです。

シュート力に関しても、7割を切るFT成功率を見るとNBAではカレッジ程の成功率を残すことは出来ないだろうと思っています。
勿論、今後の成長次第では成功率を向上させる可能性も大いにあると思いますし、よく言われているシュートフォームも多きな問題では無いと考えます。
結局シュートは入ればいいし、適切なフォームは身体の構造によって異なる訳ですし。

ボールの最大の長所はやはり速攻です。
オールコートオフェンスでは、素晴らしい視野の広さとパス精度ではイージーバスケットを創り出します、
リバウンドに強いというのもボールの強み。
リバウンドを取ってそのままタッチダウンパス投げ、1人で速攻を作ってくれます。

短所

  • ハーフコートオフェンスが下手
  • ディフェンスでのフィジカル不足
  • FT成功率が低い
  • 集中力にムラがある
短所の多くは特異なスタイルを取っていた高校からの悪癖。
高校では、ほぼオールコートオフェンスでハーフコートでも好き勝手シュート打ち放題。ハーフコートオフェンスを組み立てることに関しては経験不足が否めません。
ディフェンスも高校時代は常ゾーンを敷いていたので、ヘルプディフェンスがメイン。
しっかりとオフェンスとマッチアップすることには不慣れです。
この弱点に関しては、経験で改善していく可能性は大いにあると思っています。

FT成功率の低さはシュート成功率に直結する例が多々あるので、結構深刻かもしれませんが...。

ボールはLALにフィットするのか?

ハッキリ言って、ボールは器用なプレーヤーではありません。
速攻主体のオフェンスの中では活きますが、ハーフコート主体のチームではドラフト上位指名権を使って取る意味がありません。

ボールを指名する=オールコート主体でボール中心のオフェンスを構築する。
その位の覚悟を持って取る必要のあるプレーヤーです。
もし、このスタイルがハマれば、多くのイージーバスケットとハイライトが生まれ、エキサイティングなバスケットを披露してくれるでしょう。

速攻主体のオフェンスの中でボールからのアシストを受け、昨季シュートに苦しんだブランドン・イングラムもシュート成功率を一気に上げるかもしれませんし、ジュリアス・ランドルやラリー・ナンスJrも多くのハイライトを残してくれるかもしれません。
あくまでボール主体のオフェンスがハマればですが...。

最大の問題はディアンジェロ・ラッセルとの併用でしょう。
ディアンジェロ・ラッセルもLALが2位指名権を使って獲得した選手。
彼もフランチャイズプレーヤーとしての期待を背負っています。
大型のPGという点ではボールと役割が重なり、ボールを指名した場合、ラッセルはどうするのか。
本来PGを任せたいラッセルをSGとしてプレーさせ、ラッセルの才能を消費してしまうのか。
これはLALにとっても、ラッセルにとっても重大な問題です。

ボールをPGとしてチームを作る場合、SGにはシューターを置きたい。
尚且つ、ボールはポロポロミスをするので、そこをカバーしてくれる器用さも欲しい。
器用さというところではラッセルは適任かもしれませんが、ラッセルをただのシューターとして使うのは余りに勿体ない。

LALファンの方には、ラッセルとの併用が難しいと分かっている中でボールを指名する必要があるのか、と考えている方も少なくないでしょう。
一方、ボールを指名すべきと考えるファンの方は、ボールを中心としたショータイムレイカースの復活を期待している、といった所でしょうか。

私はボールのファンとして、地元LALでフランチャイズプレーヤーに成長して欲しいと願っています。
もし、ボールがLALに指名された場合はかなり大きなトレードが起きるかもしれませし、そこまでしてボール中心のチームを作らなければボールを指名する意味は薄いかもしれません。
ボールをPGとしてプレーさせ、ラッセルがSGとして高確率で高得点を記録する、となれば万々歳かもしれませんが、そうは上手くいかない様な気がしています。
今年のドラフトでボールを指名することになれば、LALの将来を左右する大きな転機となるかもしれません。

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