NBAドラフト2017:サクラメントキングスの指名が冴えわたる。


現地時間6月22日、2017年のNBAドラフトがブルックリンネッツの本拠地、バークレイズセンターで開催されました。
1位指名は既定路線のマーケル・フルツ、2位指名もロンゾ・ボールと上位陣に関して言えば、サプライズの少ないドラフトだったのではないでしょうか。

今年のドラフトで勝者はどのチームだったかと問われれば、間違いなくサクラメントキングスでしょう。
キングスはディアーロン・フォックス(ケンタッキー大)、ジャスティン・ジャクソン(ノースカロライナ大)、ハリー・ジャイルズ(デューク大)、フランク・メイソン(カンザス大)の4名を獲得。
皆昨シーズンのカレッジバスケを沸かせた主役ばかり。

キングスファンにとっては楽しみなシーズンとなりそうです。

指名順位

1巡目5位:ディアーロン・フォックス
1巡目15位:ジャスティン・ジャクソン
1巡目20位:ハリー・ジャイルズ
2巡目4位:フランク・メイソン

※1巡目10位指名のザック・コリンズをポートランドトレイルブレイザーズの15位指名・20位指名選手とトレード。

身体測定結果


体力測定結果








2016-2017シーズンスタッツ


ディアーロン・フォックス

ポジション:PG
大学:ケンタッキー大
学年:フレッシュマン


名門ケンタッキー大の司令塔を務めたフォックス。
逸材揃いの今年のPGの中でも、電光石火のクイックネスはNO1と評されています。
身体的にはサイズもウイングスパンも中々の高水準。
体重はちょっと軽すぎるものの、スタンディングリーチはNBAのSGクラスの高さを持っています。

スタッツを見ると3PT成功率の低さに目が行きますが、高校時代には1試合で10本の3PTを成功させたこともあり、FTも標準程度の成功率を記録していることからも、そこまで大きな問題にはならないのではと思っています。

アリゾナ州立大戦ではケンタッキー大史上2人目となるトリプルダブルも達成。
NCAAトーナメントでのUCLA戦では39得点を記録と爆発力も高い選手。
シーズンが進むに連れ、スコアリングの役割が大きくなりましたが、早い展開の中でのアシスト力にも確かなモノがあります。

今年ドラフトされたPGの中で、5年後に最も成功を収めているのがフォックスだったとしても全く驚きはありません。

ジャスティン・ジャクソン

ポジション:SF
大学:ノースカロライナ大
学年:ジュニア


今年のNCAAトーナメントを制覇したノースカロライナ大のエース。
ソフォモアではイマイチ乗り切れないシーズンを過ごしましたが、ジュニアになった昨季にエースとして覚醒。
Consensus first-team All-American、ACC Player of the Yearと多くの多くの個人賞も獲得しました。

3PT成功率は標準ちょい上ですが、打っているレンジが広く、難易度の高いセレクションも目立つので、ロールプレイヤーとしてキャッチ&シュートに徹すれば確率は更に良くなるかも。
垂直跳びはそこそこですが、アジリティは優れており、ウイングスパンとスタンディングリーチも標準以上でNBAで3&Dプレイヤーとして活躍する素養は十分。

非凡なセンスを見せるわけでは無いけれど、丁寧に求められるスペースにアシストを通すパスの技術も魅力。
主役として大成するというよりも、与えられた役割の中で輝くプレイヤーとなりそうです。

ハリー・ジャイルズ

ポジション:PF/C
大学:デューク大
学年:フレッシュマン

高校時代には学年トップ選手として名を馳せたジャイルズ。
高校から怪我に悩まされ、大学でも怪我で不完全燃焼に終わりましたが、ポテンシャルは今ドラフトでも上位に入る逸材。
ドラフト屈指のハイリスクハイリターン案件と見られていたジャイルズを獲得したのはキングスでした。

高校時代にはオールラウンドタイプのフォワードとして期待されましたが、NBAではまずディフェンスのプレイヤーとして出場時間を勝ち取りたい所。
ウイングスパンの長さ、スタンディングリーチの高さは申し分無し。
アジリティはビッグマンとしては超優秀で、ゴール下のヘルプディフェンスで存在感を発揮することは間違いなく、スイッチではガードやウイングのプレイヤーにも対応出来るでしょう。

もし彼が健康を維持し、高校時代の輝きを取り戻すことが出来れば、今ドラフトのベストピックとなる可能性を大いに秘めています。

フランク・メイソン

ポジション:PG
大学:カンザス大
学年:シニア


私が今年のドラフトでキングスが最も良い動きをしたと感じる要因は、ジャイルズの獲得ではなく、メイソンの指名があったからかもしれません。
昨季の大学最優秀選手賞の受賞者ながら、サイズ不足や年齢などのマイナス要因が多く、ドラフト指名から漏れるのではと言われていたメイソン。

将来性なんて不確定なモノに惑わされず、確かな実力者のメイソンを指名したことには、非常に好感が持てます。

フォックスを指名してなおPGであるメイソンを指名したことには疑問も有るかもしれませんが、フォックスの高さはSG並なので2人の併用も可能。
スコアリング能力・ゲームメイキング能力の高いフォックスとメイソンの併用は将来的に他チームの脅威に成長することも期待されます。

カレッジ屈指のタレントのフォックスとジャイルズに加えて、カレッジ屈指の実力者のジャクソンとメイソンを獲得したキングスは間違いなく今ドラフト最大の勝者でしょう。

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