2017-2018高校バスケ注目校⑤:Chino Hills High School


2015-2016にボール三兄弟を擁してシーズン無敗の35勝0敗を記録し、カリフォルニア州大会を制覇したChino Hills High School(CH)。
アップテンポでエンターテイニングなスタイルのバスケットを展開するCHHSは高校バスケ界1の人気校となりました。

長男のロンゾ・ボールはUCLAで1年プレーし、今年ドラフト2位指名を受けLALに入団。
次男のリアンジェロ・ボールもロンゾに続き、今年UCLAに入学。
ボール三兄弟で高校に残るのも三男のラメロ・ボールのみとなりました。

一昨年からの主力、リアンジェロとエリー・スコットが卒業し、ラメロへかかる期待は昨年以上に大きくなります。
昨季まではオフェンスでの役割が主体だったラメロですが、今季からは兄のロンゾの様に攻守ともに支配的なプレーヤーに成長出来るでしょうか。


ラメロ・ボール

学年:class of 2019
ポジション:PG
身長:188cm
体重:72.6kg


SNSの普及のお陰もあり、世界中に名前を知られるプレーヤーとなったラメロ・ボール。
自由で創造的なプレースタイルから、賛否が分かれるプレーヤーではありますが、ESPNランキングで学年7位と高い評価を受けるプレーヤーです。

本来はclass of 2020のプレーヤーでしたが、三兄弟揃ってCHでプレーするために学年を上げ、年齢はまだ16歳になったばかり。
身長や身体能力も成長中で、伸びしろは計り知れないものがあります。

コートのどこからでもシュートを沈める広いシュートエリア、ディフェンスのバランスを崩すハンドリングスキル、コート全体を把握する視野の広さとディフェンスの意表を突く非凡なパスセンスを持つ高校バスケ界屈指のファンタジスタ。

SNSで広がった92得点ゲームのハイライトのせいで"ディフェンスをしない"プレーヤーとして悪評が広まりましたが、彼のディフェンススタイルはCHのチームスタイルに寄るところが大きく、彼個人の問題でディフェンスをしない訳では無いんですよね。
身長、身体能力が成長してきたことで、今年はディフェンスでも長男ロンゾが務めたポジションでプレーすることが予想され、ディフェンスの活躍も見ることが出来る様になるでしょう。

身体能力が長男ロンゾ並に成長すれば、三兄弟の中で最も高い評価を受ける選手に成長してくれるでしょう。

オニエカ・オコングー

学年:class of 2019
ポジション:C/PF
身長(裸足):198.1cm
体重:106.1kg
ウイングスパン:214.6cm


ラメロと共にCH入学時からスターティングに名前を連ねるオニエカ・オコングー。
高い機動力と長いウイングスパンでゴール下の番人として、アップテンポなオフェンスを武器とするチノヒルズをディフェンスで支えてきました。
個人としてもESPNランキング16位で5つ星の高い評価を受けています。

ディフェンスの選手としての印象が強いですが、オフェンスも年々向上。
特にミッドレンジのシューティングタッチは良く、ハンドリングが向上すれば、オフェンスのプレーエリアは広がってくるでしょう。

既に速攻のフィニッシャーとして、相手ディフェンスの脅威となっていますが、昨季のスターティングの1人エリー・スコットの卒業で、昨季以上に速攻に絡んできて欲しい所です。
スコットはバスケットボールIQが高く、攻守でオールラウンドにチノヒルズに貢献してきた選手。
彼の卒業の穴を埋めるには、オコングーの成長が必要不可欠です。

勝手な願望としては、UCLAでロンゾの相棒を務めたT.J・リーフの様な気の利く選手に成長して欲しいなと思っています。
リムプロテクト出来て機動力の高いT.J・リーフってちょっと高望みな気もしますけど...。

今年は過去2年以上に厳しいシーズンになる可能性も。

リアンジェロの卒業による得点力の低下は、ラメロとオコングーの成長で十分に補える課題ですが、スコットの様に身体能力の高いオールラウンダーの卒業はCHにとって大きな痛手。
今年シニアとなる、ラメロの従妹のアンドレ・ボールやオフレ・ユジャデュギュレがスコットの穴を埋めることが出来なければ、過去2シーズン以上に厳しいシーズンになるかもしれません。

ガードポジションの選手では、昨季から主力メンバーだったファクアン・デイビスが転校でチームを去りました。
チーム随一の運動量を誇ったデイビスの転校もダメージは小さくありませんが、今夏のAAUでブレークしたウィル・プルマで何とか補えるでしょう。
高いシュート力を持つプルマには、リアンジェロの卒業によりアウトサイドシュート力低下のカバーも期待されます。

主力の卒業や転校で過去2シーズンに比べるとタレントの低下するCHですが、ラメロ・ボールとオニエカ・オコングーの成長次第では、今年も全米レベルの強豪チームとなるでしょう。
しかし、カリフォルニア州の高校バスケはレベルが高く、強豪校がゾロゾロ。
特に今季のMater Deiは主力が最上級生となった上に有望転校生も獲得し、昨季以上に充実した戦力を整ています。
2年ぶりのカリフォルニア州大会制覇への道のりは険しいものとなりそうです。

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