NCAAが大規模なルール変更を決定。NBAドラフトへの影響も。

全米体育協会(NCAA)がNBAドラフトへのアーリーエントリー、高校生選手のリクルート及びNBAドラフトエントリーにも関わる大規模なルール変更を決定しました。
今回のルール変更は、FBIによるNCAAの高校生選手へのリクルートにおける贈収賄捜査が大きく影響していると考えられます。
また、NBAは2021年頃に高卒選手のNBAドラフトへのエントリーを解禁する方向と見られており、今回のルール変更はその変更も睨んでのモノでしょう。

気になった変更点をまとめますが、正確に詳細を確認したい方は、こちらをご参照ください。


高校生選手の代理人契約が可能に

high school basketball players can be represented by an agent beginning July 1 before their senior year in high school, provided they have been identified as an elite senior prospect by USA Basketball.
上記はこちらからの引用です
高校生選手はシニア(最上級生)になる年の7月1日以降、USAバスケットボールにより"elite senior prospect"として認定された選手に限り、代理人と契約をすることが可能になります。
この変更の施行は、NBAとNPBAによる高卒選手のNBAドラフトへのエントリーの許可以降となります。

これまで、代理人との契約をした経歴のある選手のNCAA入りは認められていませんでした。
この変更により、高卒プロ入りを検討し代理人と契約を結んだ選手が、NBAドラフトから撤退した場合のNCAA入りが可能となります。
要はNCAAにとって、有望な選手のNCAA入りの可能性を高める変更です。

注目は"elite senior prospect"の定義と人数。
多くの人数が"elite senior prospect"に認定された場合、NBA入りの検討だけではなく、他の海外リーグ行きの検討が進み、有望選手の海外流失が進み、NCAAにとっては痛手となります。

"elite senior prospect"選定の明確な定義は難しく、もし世代別USA代表メンバー経験者が定義となれば、各学年15人~20人程が選定されることになりそうです。

カレッジプレーヤーのアーリーエントリーにも柔軟に対応

College basketball players who request an Undergraduate Advisory Committee evaluation, participate in the NBA combine and aren’t drafted can return to school as long as they notify their athletics director of their intent by 5 p.m. the Monday after the draft.
上記はこちらからの引用です。
NBAコンバインに参加し、NBAドラフトで指名を受けなかった下級生は、ドラフト後の午後5時までに各校のアスレティックディレクターに通知することで、大学に戻ることが可能になります。

このルール変更はNBAとNPBAが、NBAドラフトにアーリーエントリーを表明し、ドラフト指名を受けず大学に戻った選手が、翌シーズン終了後までNBA入りが出来ない様にルール変更をして以降に施行されます。

この変更が施行されれば、カレッジ選手はより気軽にアーリーエントリーが可能となり、アーリーエントリーを表明する選手は現状より増加が見込まれます。
一方で、NCAAはアーリーエントリーし、ドラフト指名を受けなかった選手のGリーグや海外リーグへの流出を防ぐことが出来ます。

NCAAに有利な変更

上記の変更を見ると、NCAAが有力選手を確保する為に非常に有利な変更という印象を受けます。
FBIによる贈収賄捜査や、選手達からのNCAAに対する否定的な発言が見受けられる中、NCAAは有力選手を確保していくために、高校生選手、選手のプロ入り検討に対してより柔軟な制度を整えました。

施行開始時期に関しては未定な変更も多く、今後の動向にも注視が必要です。


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