日本人の手本となる選手:ノースカロライナ大のルーク・メイ

名門ノースカロライナ大(UNC)のスターティングPFであるルーク・メイ。
2017年のNCAAトーナメントでは、Final4進出を懸けた対ケンタッキー大戦で値千金のジャンパーを沈め、UNCの全米制覇に貢献すると共にSouth Regionalの最優秀選手賞を受賞。
2018年には所属カンファレンスの1st Teamに選出され、Most Improved Playerにも選ばれる等、着実にUNCのエースへと成長してきた選手です。

今やカレッジを代表する選手となったルーク・メイですが、身長はPFとしては平凡で、跳躍力やクイックネスも並かそれ以下。
彼がカレッジ屈指の選手たる所以は、精度の高いアウトサイドシュートと懸命にリバウンドに飛び込むタフさ。
身体的に平凡で技巧派として活躍するビッグマンとして、日本人にとっても非常に参考となる選手です。

ルーク・メイ


コミット時にはウォークオンの可能性も

両親共にUNC出身のメイがUNCへの進学を決断したのは自然の流れだったかもしれません。
現在ではカレッジ屈指の選手に成長したメイですが、2014年にUNCへコミットした時点では、初年度の奨学金も確約されていなかった様です。

リクルート時の期待値が決して高くはなかった彼は、1年目のシーズンは平均出場時間5.6分と多くの時間をベンチで過ごしています。

2年次のNCAAトーナメントでブレーク



2年目のシーズンには出場時間を平均14.2分まで増加せたメイ。
彼の名前が全米中に轟くこととなったのが、Final4進出を懸けた対ケンタッキー大戦。
ロールプレーヤーの1人過ぎなかったメイはその試合で次々とシュートを決め、17得点を叩き出し、ゲームウィナーとなるジャンパーまで沈める活躍を見せました。

メイの活躍でFinal4進出を果たしたUNCはそのままの勢いでトーナメントを駆け上がり、決勝でゴンザガ大に勝利しNCAAトーナメント制覇を果たしています。

NCAAトーナメントでの活躍により、飛躍を期待された3年目のシーズン。
メイは期待を上回る進化を見せ、平均16.9得点10.1リバウンドでシーズン平均ダブルダブルを達成。
3rd Team All Americaを始め数多くの個人賞を受賞し、一躍カレッジ屈指のインサイドプレーヤーに成長しました。

今季は昨季より少し数字を落としていますが、先日の対ゴンザガ大戦で八村塁とのマッチアップの中20得点16リバウンドの活躍を見せ、徐々にギアを上げ始めています。

最大の武器はシュート精度

サイズや跳躍力、クイックネスが平凡な彼の最大の武器はシュート精度。
3PTやターンアラウンドジャンパーを高確率で沈め、昨季の3PT成功率は43.1%とインサイドの選手として非常に高水準。
また、強靭なフィジカルと反応の良さを武器にリバウンドも量産している点も彼のサイズと身体能力を考えると驚異的です。

公称では身長2m3cm程ですが、公称は靴込の身長である場合が多いため、恐らく裸足での身長は2mあるかないか。
クイックネスや跳躍力も日本人のビッグマンと比較して大きな差がある訳ではありません。
しかし、先日の試合ではマッチアップした八村塁を高い技術で翻弄。
高精度のアウトサイドシュートを武器にした彼のオフェンスの展開力は、日本人のビッグマンが世界で戦う上で非常に参考になる技術でしょう。

まあ彼の強靭なフィジカルを見ると、平凡な能力の選手では無い気もしますが、そこはトレーニングで習得出来る強さでもありますし、彼を目指すことは日本人にとって決して不可能なことではないはずです。
サイズと身体能力を考えると、恐らくNBAに定着することは無い選手ではありますが、日本人にとって手本となるビッグマンの1人として、私はルーク・メイを推しています。

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