高校バスケもスーパーチーム全盛の時代に

NBAは複数のスーパースターが1チームに集結するスーパーチームが全盛ですが、同様の流れは高校バスケにも。今年のGEICO Nationalsを制し、実質的な全米最強チームに輝いたIMGアカデミーは3人ものマクドナルドオールアメリカンを擁し、個の力でライバルチームをなぎ倒していきました。

今季のIMGには昨季以上のタレントが揃い、同じくフロリダの強豪Montverdeアカデミーや2年連続でカリフォルニア州大会優勝を果たしたSierra CanyonもIMGに劣らないメンバーを集めています。

今季も高校でプレーする選手は、極力名前からハイライトに飛ぶ様にしています。

今年も充実のIMG

アルマンド・ベイコット(UNC)、ジェレマイア・ロビンソン-アール(ビラノバ大)、ジョッシュ・グリーン(アリゾナ大)と全米制覇の主力3人が卒業でチームを去ったIMGですが、今季も有望転校生や新入生の加入で昨季以上の戦力を維持。

バック・コートには昨季からのスターターであるノア・ファラカンジェイデン・スプリンガーが残留。そこにESPNランキング5位のオールラウンダー、ジェイレン・ジョンソンや、ESPNランキング29位のマーク・ウィリアムス等が加入。

下級生でもclass of 2021でESPNランキング10位のムーサ・ディアバテが今季から加入し、昨年から主力の一角を担ったclass of 2022 ESPNランキング11位のジャレス・ウォーカーが健在。新入生にも関わらず7フッタークラスのサイズを持つジャザーレ・ジャクソンも入学し、今季のIMGはタレントで溢れかえっています。

ここには日本人選手の田中力君も在籍していますが、上にも下にも逸材が溢れ、活躍の前に出場時間を得ることも容易くありません。新規加入の選手が多い中、IMGで2年目となる経験はプラスとなります。勿論これだけの選手の中で出場時間を獲得することが出来れば、D1強豪大学への進学も約束された様なものでしょう。

完成度の高い選手が揃うMontverde

IMGに勝るとも劣らないタレントを揃えたのが今年のGEICO NationalsでIMGに敗れたMontverde。ESPNランキング11位のスコッティ・バーンズが転校で加入し、昨年からのエースでESPNランキング2位のケイド・カニンガムと並びます。タフで多才なプレーを見せる学年屈指のオールラウンダー2人が揃うのは他チームにとっては悪夢そのもの。最上級生では技巧派スコアラーのモーゼス・ムーディ、今季から加入でUNCにコミット済みのビッグマン、デイロン・シャープが脇を固めます。

下級生では、class of 2022のESPNランキング4位でスムースで柔らかな動きが魅力のケイレブ・ヒュースタン、同じく7位のコンボガード、ダリク・ホワイトヘッドが要注目の逸材です。

カニンガム、バーンズの2人はU19ワールドカップでUSAの大会制覇に貢献した主力選手。どちらもタフで成熟したプレーを見せる選手で、高校レベルでこの2人が揃ってしまうのは反則的。打倒IMGの最有力候補はMontverdeで間違いないでしょう。ここのHCであるケビン・ボイルは近年ドラフト上位指名選手を多数輩出しているので、ドラフト的な視点でもこのチームの選手達は注目しておくべきでしょう。

2世選手の加入で注目を集めるSierra Canyon

レブロン息子ウェイド息子の加入で注目を集めた西海岸の強豪Sierra Canyon。レベルの高いカリフォルニア州大会を2連覇中のチームで、class of 2022でESPNランキング6位のアマリ・ベイリーは世代別USA代表にも選出され、U16アメリカ選手権で活躍したコンボガード。今年最上級生となるESPNランキング77位のテレン・フランクもアンダーサイズですがインサイドで献身的なプレーの出来る選手です。

そこにclass of 2020でESPNランキング5位のザイアー・ウィリアムス、同9位のBJ・ボストンの世代を代表するウイングが2人も加入。Sierra Canyonは一躍全米最強候補の1校に躍り出ました。世代別USA代表候補でclass of 2022のシャイ・オドムも加わり、ロスターは更に厚みを増しています。ちなみにSierra Canyonには中国出身で身長220cmクラスのビッグマン、ハロルド・ユーが在籍中。彼のプレーにも要注目です。

カリフォルニア州大会でプレーするチームはカリフォルニア州大会終了後の大会には出場が認められていないはずなので、Sierra CanyonのGEICO Nationalsの出場は現実的に不可能で、シーズン中の招待トーナメントでのIMGやMontverdeとの対戦が待たれます。

スーパーチームの流れが進む

この3校の他では、私的推しメンNO1のジェイレン・グリーンニマリ・バーネット擁するProlific Prep、カイリー・ウォーカーマイケル・フォスター擁するHill Crest Prepも爆発力の高い選手が揃い、十分に上の3校を倒す力を秘めています。

1校にスター選手が集まるのはあんまり好きじゃないんですけどね。地元で負け知らずみたいな無謀な高校生のプレーって見てるの楽しいじゃないですか。カレッジ入学前に良い選手の揃った環境で腕を磨くのが最近の流れですかね。皆目標はNBA入りで高校はあくまで通過点ですからね、先を見据えた動きは今後も変わらないのでしょうね。ボール三兄弟を中心に、地元出身の選手でシーズン無敗を貫いたChino Hillsの様なチームは特別なチームでしたね。


コメント