NBAドラフト2021:ジェイレン・グリーンが全米1位を奪取。class of 2020のTOP10まとめ。

早いものでもう2020年。

そろそろ来年のドラフトの予習を始める頃ですかね。2021年のドラフトの中心となるclass of 2020はここ数年で1番のタレント揃いで、完成度の高いウイングが揃うのがこの学年の特徴。

現在、ESPNランキングの上位にランクインしている選手が、2021年のドラフトで主役となるのは間違いありません。

目下ESPNランキング1位にランクされているのが、プロリフィックプレップのジェイレン・グリーン。そう、私が1番推している選手です。

今回はジェイレン・グリーンのランキング1位獲得記念として、ESPNランキングのTOP10をまとめます。

1位:ジェイレン・グリーン

所属校:プロリフィックプレップ(カリフォルニア)
ポジション:SG
進学先:未定


USA代表としてU17、U19と2つのカテゴリーで世界制覇を経験しているジェイレン・グリーン。U17ワールドカップでは大会MVPも獲得しています。

母親はフィリピン系で夏にはフィリピンでもプレーしており、現地での知名度も高い様。昨年の夏には、フィリピンの至宝、カイ・ソット―の上からダンクを叩き込んでいます。

爆発的な跳躍力と空中での抜群のバランス感覚を持ち、ランニングプレーでの決定力は驚異的。

今季からジョッシュ・ジャクソンやゲイリー・トレントJrをNBAに輩出したプロリフィックプレップに移籍し、オールラウンドなプレーに磨きをかけ、ハーフコートでの得点力やパスセンスも日に日に向上しています。

昨年12月のラ・ルミエールスクール戦では、後半だけで29得点を叩き出し、1度乗り始めたら手の付けられない爆発力も彼の魅力。

今夏のAAUではNike主催のEYBLに出場し、抜群の勝負強さで所属チームをプレーオフで準優勝に牽引。まだまだ発展途上の選手ではあるが実力派揃いのclass of 2020にあって、最もスター性の高い選手はジェイレン・グリーンでしょう。

2位:エバン・モーブーリー

所属校:ランチョクリスチャンスクール(カリフォルニア)
ポジション:C/PF
進学先:USC

父はUSCでコーチングスタッフを務め、1学年上の兄であるアイザイア・モーブリーもUSCに入学。エバン・モーブリーがUSCにコミットしたのは自然な流れでしょう。

7フッターのサイズと長いウイングスパン、スムースな身のこなしを持ち、ディフェンスではどこへ行っても即戦力の逸材。

長いストライドから繰り出されるドライブは並のビッグマンには止められないでしょう。シューティングやパッシングにもビッグマンとしては非凡なセンスを見せます。

粗削りな選手ですが将来性は高く、モーブリー級のサイズと機動力を備えるビッグマンが、今後数年は出てきそうにないことを考えると、彼の評価の高さも納得です。

上位でビッグマンを狙うのであればエバン・モーブリーの一択かなと。

3位:ケイド・カニングハム

所属校:モントバードアカデミー(フロリダ)
ポジション:PG/SG
進学先:オクラホマ州立大


この学年で最も完成度の高い選手。現時点での高校No1プレーヤーはケイド・カニングハムです。彼の兄がオクラホマ州立大のコーチングスタッフにいることから、強豪とは言えないオクラホマ州立大への進学を決めています。

得点、アシスト、リバウントと全てに秀でたオールラウンダー。長いウイングスパンと強靭なフィジカルを誇り、先日の対IMGアカデミー戦ではエースのジェイデン・スプリンガーをシャットアウト。ディフェンス面でも非の打ちどころはありません。

公称200.7cmの身長で純粋なPGとしてプレーしている事は、特筆に値します。

所属校のモントバードデアカデミーのコーチであるケビン・ボイルは近年だけでもディアンジェロ・ラッセル、ベン・シモンズ、RJ・バレットとオールラウンドなスター候補を育てた名将。カニングハムは彼等に次ぐ、スター候補です。

ゲームメイク、アウトサイドシュートと確実にプレーの幅を広げており、今後も着実な成長が期待され、NBAでも即戦力として計算出来る選手でしょう。

4位:スコッティ・バーンズ

所属校:モントバードアカデミー(フロリダ)
ポジション:PF
進学先:フロリダ州立大


3位にランクインしたケイド・カニングハムのチームメイト、スコッティ・バーンズ。U19ワールドカップでも、主力としてUSA代表の世界制覇に貢献しました。

PFながらハンドリング、パスセンスに優れ、リバウンドからそのまま速攻を演出をすることの出来るポイントフォワード。万能なスキルだけでなく、パワフルなプレーにも定評があり、高校で最もハードにプレーする選手の内の1人です。

今季からモントバードアカデミーに転校し、オールラウンダーの育成に優れるケビン・ボイルの下、その万能性に更に磨きを掛けます。

更に評価を上げる為には、アウトサイドシュート精度の向上が必要でしょう。NBAのインサイドとしてはアンダーサイズ気味ですが、ウイングスパンも長く高さには問題無し。

順調に行けばドレイモンド・グリーンの様な選手への成長が期待されます。

5位:ジェイレン・サッグス

所属校:ミネハハアカデミー(ミネソタ)
ポジション:PG/SG
進学先:ゴンザガ大


下級生の頃から世代別代表の常連だった世代屈指のエリートプレーヤー、ジェイレン・サッグス。アメリカンフットボールでも、QBとして高い評価を受けます。

進学先には八村塁の出身校であるゴンザガ大を選びました。

彼もまた何でもこなすオールラウンダーで得点、アシスト、リバウンドと穴は無く、クイックネスや跳躍力も抜群。スタープレーヤーながら、チームの為に地味なプレーを厭わない献身的なプレーを見せ、サイズもコンボガードとして申し分ありません。

勝利の為にアンセルフィッシュなプレーが出来る選手で、どのチームにも必要とされるタイプ。全てにおいて高水準の選手ですが、カレッジではプロでも武器となる"何か"を見つけたい。

6位:ブランドン・ボストン

所属校:シエラキャニオンスクール(カリフォルニア)
ポジション:SG/SF
進学先:ケンタッキー大


レブロン息子とウェイド息子が加入したことで全世界から注目を集めるシエラキャニオンスクール。そこでエースの1人を務めるのがブランドン・ボストン(BJ・ボストン)です。

スムースなプレーが魅力でイメージは小さめのブランドン・イングラムといったところでしょうか。

3PTラインのはるか後方から3PTを沈めるシュートエリアの広さ、多彩な得点パターンを持ち、どこからでも得点の出来る選手。今季のAAUではFT成功率74.8%とまずまず。シュート精度も信頼がおけます。

進学先はOne and Doneの名産地ケンタッキー大。彼のスムースなプレーは、プロ受けしそう。ブランドン・ボストンがこれまでのケンタッキー大のフレッシュマンと同様、1年でカレッジを去ることになるでしょう。

7位:ザイアー・ウィリアムス

所属校:シエラキャニオンスクール(カリフォルニア)
ポジション:SF/PF
進学先:未定


今季からシエラキャニオンスクールに加入したザイアー・ウィリアムス。ブランドン・ボストンと並びチームのエースを務めます。

U19USA代表にも選出され、控えながら高いポテンシャルを垣間見せていました。

公称で身長203.4cmとPFまでこなせるサイズに恵まれ、AAUではFT成功率88%とイメージよりも遥かにシュート精度は高い。ハンドリングを向上させ、シュートに持ち込む技術を向上させることで、身長の利をより効果的に使い、生産性の高いプレーヤーに成長することが出来るでしょう。

Top10の中では完成度は低めですが、その分、残された伸びしろは計り知れません。ウイング寄りのコンボフォワードが欲しいのであれば、この学年ではザイアー・ウィリアムスをおススメします。

8位:テレンス・クラーク

所属校:ブリュースターアカデミー(ニューハンプシャー)
ポジション:SG/SF
進学先:ケンタッキー大


class of 2021からclass of 2020に学年変更をしたテレンス・クラーク。class of 2021では学年TOP3に入る逸材でした。所属校のブリュースターアカデミーはシェーファーアヴィ幸樹の出身校でもあります。

アウトサイドシュートには課題を残しますが、ハンドリングやアシストのスキルは、この学年のウイングの中でもハイレベル。

クイックネスや跳躍力にも優れ、ここから更に化ける期待も。NBAでもスターに上り詰めるだけのポテンシャルは十分な一方、非効率な器用貧乏に終わる可能性も多分に感じさせる選手でもあり...。

進学先はケンタッキー大。有望選手があつまるチームにあっても、彼のバスケットセンスは別格でしょう。来年のドラフト時点で、Top3クラスまで評価を上げていたとしても、驚きはありません。

9位:グレッグ・ブラウン

所属校:バンデグリフトハイスクール(テキサス)
ポジション:PF/SF
進学先:未定


高校バスケ界屈指のダンカーとしてその名を轟かすグレッグ・ブラウン。今季も多くのハイライトプレーを生んでいます。

コンボフォワードタイプですが、アウトサイドのプレーはまだまだでインサイド寄りな印象。

インサイドプレーヤーとしては抜群のクイックネスを誇り、速攻のフィニッシャーとしての破壊力は抜群。跳躍力は高さだけでなく速さも優れ、リバウンドやシュートブロックでも猛威を振るいます。

オフェンスにおいては、今の所使われることでより大きな力を発揮するタイプでしょう。

跳躍力、クイックネスにおいてはNBAでもスター級のモノを持っていますが、技術が追い付かなければ宝の持ち腐れとなる懸念も...。

10位:ジョシュ・クリストファー

所属校:メイフェアハイスクール(カリフォルニア)
ポジション:SG/PG
進学先:未定


高校バスケ界のファッションリーダー、ジョシュ・クリストファー。ファッションだけでなく、実力も折り紙付き。身体的な魅力では上位の選手からは劣りますが、プレーの完成度は非常に高いコンボガードです。

オールラウンドなプレーヤーですが、シュートセレクションには改善の必要有。

無謀に見えるシュートも並みに乗っていれば当然の様に決めてしまうので何とも言えない部分もあるのですが..。

ちょっとぷよっとしていますが、華奢な選手が目に付く高校バスケの中ではフィジカルコンタクトにも強い。

カレッジでは、生産性は高くないけれど、爆発力の高いスコアラーとなるんじゃないかな。3PTラインからの爆発力が増せば、NBAでもインスタントスコアラーとして記憶に残るプレーヤーになれる選手でしょう。

オールラウンドなウイングが充実

この学年の特徴はオールラウンドなウイングが充実していることでしょう。

NBAのトレンドに合わせて、高校バスケにおいてもポジションを問わないオールラウンドな技術を持つプレーヤーが増加傾向に。

一方、目玉となり得るビッグマンは2位のエバン・モーブリーのみと不作。ビッグマンが豊作となりそうな学年は、少なくとも数年は出てきそうにありません。

この学年の選手は完成度の高い選手が多く、2021年のドラフトは近年で1番の当たり年となるでしょう。