NBAドラフト2020:今年の推しメン③ メリーランド大のジェイレン・スミス
推しメンの3人目はビッグマンからメリーランド大のジェイレン・スミスを。
フレッシュマン終了時点でアーリーエントリーをしていても、ドラフト指名を受けていただろうと言われるスミスでしたが、ソフォモアのシーズンもカレッジに残留する道を選択。昨季から大きな成長を見せ、カレッジに残留した判断の正しさを証明しました。
ゴリゴリ系のインサイドばかりが並ぶ今年のドラフト候補生の中では貴重なオールダータイプ。現代的で汎用性の高いビッグマンを求めるのであれば、それはジェイレン・スミスでしょう。
ゴリゴリ系のインサイドばかりが並ぶ今年のドラフト候補生の中では貴重なオールダータイプ。現代的で汎用性の高いビッグマンを求めるのであれば、それはジェイレン・スミスでしょう。
Just a kid from Baltimore.
— Maryland Basketball 🐢 (@TerrapinHoops) November 19, 2020
Time to rep the hometown, @thejalen_smith. pic.twitter.com/FaM9KcTeMH
プロフィール
スタッツ
アドバンスドスタッツ
身体測定
ハイライト
フレッシュマンからのジャンプアップ
最近地味に良いビッグマンが集まっているメリーランド大のソフォモア、ジェイレン・スミス。
ゴリゴリ系のオールドスクールなインサイドが目立つ今年のドラフト候補の中では貴重な現代的なビッグマン。高校時代はマクドナルドオールアメリカンに選出され、ESPNランキングでも学年10位と高い評価を受けていたプレーヤーです。
ジェイレン・スミスにおいて特筆すべきはフレッシュマンシーズンからの飛躍でしょう。
得点(11.7得点→15.5得点)、リバウンド(6.8リバウンド→10.5リバウンド)、ブロック(1.2ブロック→2.4ブロック)とインサイドプレーヤーとしての主要スタッツをすべて大きく伸ばしました。
シュート精度についても、FG成功率(49.2%→53.8%)、3PT(26.8%→36.8%)、FT成功率(65.8%→75.0%)と改善しています。
彼のオフェンスレーティング(123.6)とディフェンスレーティング(88.1)は、メリーランド大のローテーションの中では共にベストの数字。攻守においてメリーランド大の最重要プレーヤーに成長しました。
現代的なオフェンススキル
ポストアップからのオフェンスでも巧みな得点スキルを見せたスミスですが、ピック&ロール、カットと多彩なパターンで得点を重ねました。中でも、ピック&ロールのロールマンとして威力を発揮し、1試合平均で3.1得点をピック&ロールから稼ぎ出しました。
ポストアップから自身で得点をクリエイトする力、ピック&ロールやキャッチ&シュートでチームオフェンスの流れの中で得点する力の両面に優れているのがスミスの魅力でしょう。
ポストアップから自身で得点をクリエイトする力、ピック&ロールやキャッチ&シュートでチームオフェンスの流れの中で得点する力の両面に優れているのがスミスの魅力でしょう。
メリーランド大にはカンファレンスの1stチームに選出されたガードのアンソニー・カワンJrを筆頭にアグレッシブなアウトサイドプレーヤーが揃い、必ずしもスミスがオフェンスの1stオプションではありませんでした。
スミスはスクリーンやボールの中継地点としても献身的かつ器用なプレーを見せ、バスケットボールIQの高さで言えば、今年のビッグマンの中で最も優れている選手かもしれません。
フィジカルを強化しディフェンスでの信頼感も
前述の通り、ブロック数を(1.2ブロック→2.4ブロック)、スティール数を(0.4スティール→0.7スティール)とディフェンスにおいてもこの1年で大きなステップアップを見せたスミス。
"Stix"というあだ名が付く程に華奢だった身体を鍛え上げ、ディフェンスでの逞しさを身に着けました。
元々機動力の高さに定評のあった彼がフィジカルを強化した事でディフェンスでの存在感が大幅にアップ。同時にポストオフェンスでもグッと力強さを増しました。
未だにフィジカルコンタクトが懸念事項とされるスミスですが、この1年で見せた成長を見れば、大きな不安とはならないでしょう。
身体的にも魅力十分
先日公開されたドラフトコンバインでの身体測定の数値も上々。(例年とは状況が異なるので信ぴょう性は...ですが。)
身長208.9cm、ウイングスパン219.1cmはパワーフォワードとして平均以上。279.4cmのスタンディングリーチはセンターとしても十分にプレー出来るレベルです。
ウイングスパンとスタンディングリーチで見れば、ロサンゼルスレイカーズのコスタス・アデトクンボとほぼ同等のサイズ感。
102.0kgの体重はインサイドプレーヤーとしては物足りなく、課題のパワー不足解消の為にも増量は必須でしょう。
スターにならずとも良いグルーガイに
シーズン終了時点で24勝7敗と好成績を残し、APランキング12位にランクイン。強豪ひしめくBig Tenでレギュラーシーズン1位タイ(ウィスコンシン大、ミシガン州立大と同率)と素晴らしい成績を残したメリーランド大。
現代的なビッグマンと書きましたが、これと言って跳び抜けた長所がある選手ではなく、器用貧乏に終わってしまう懸念も。しかしながらフレッシュマンからの成長は顕著で、弱点をキッチリと改善してきた彼の姿勢はNBAでの確かな成長を期待させます。
今年のドラフトは不作なドラフトと言い続けてきましたが、5番もこなせるインサイドプレーヤーの枚数に関しては来年、再来年よりも豊富。
その中でも完成度が高く、攻守に使い勝手の良いジェイレン・スミスが予想よりも早い段階で指名を受けたとしても驚きはありません。