NBAドラフト2020:今年の推しメン② ケンタッキー大のタイリース・マキシー

推しメンの2人目はケンタッキー大のフレッシュマン、タイリース・マキシーを。

高校時代からマクドナルドオールアメリカンやフープサミットにも選出されてきた世代を代表するコンボガード。2018年の夏には、世代別USA代表のメンバーとしてU18アメリカ選手権での優勝にも貢献しました。

カレッジでの公式戦デビューとなったシーズン初戦の対ミシガン州立大戦(MSU)。当時全米ランキング1位にランクされていたMSUを相手にゲーム終盤のビッグプレーを連発。ゲームハイの26得点を上げ、チームを勝利に導く衝撃のデビューを飾りました。

その後も強気でスマートなフレッシュマンらしからぬプレーを見せています。



プロフィール

氏名タイリース・マキシー
カレッジケンタッキー大
学年フレッシュマン
生年月日2000年11月4日
ESPN
ランキング
13位(2019)
ポジションPG
出身校サウスガーランドハイスクール
(テキサス州)
主な個人賞2ndチームオールSEC(2020)
SECオールフレッシュマンチーム(2020)
マクドナルドオールアメリカン(2019)
特記事項U18アメリカ選手権にUSA代表として出場。
長所・電光石火のクイックネス
・勝負強くレンジの広いアウトサイドシュート
懸念事項・安定感に欠ける

スタッツ

出場時間(分)FG%3PT%FT%OFF RebDEF RebREB
34.542.729.283.30.43.94.3
ASTBLKSTLPFTOPTS
3.20.40.92.42.214

アドバンスドスタッツ

USG%OFF RTGDEF RTG+/-TS%OFF REB%
22.80%106.798.58.2053.60%1.60%
DEF REB%REB%AST%STL%BLK%TO%
13.30%7.90%18.50%1.50%1.30%14.20%

ハイライト

白の背番号3がタイリース・マキシー

スコアリング能力に優れるコンボガード

One and doneの名産地ケンタッキー大のフレッシュマン、タイリース・マキシー。

電光石火のクイックネスと高い得点能力を誇るコンボガードで、その速さはケンタッキー大のOBであるジョン・ウォールやディア―ロン・フォックスを彷彿とさせます。抜群のクイックネスを駆使したトランジションやピック&ロールで破壊力は一級品。

スピードに加え正しいプレーを選択する知性と度胸、それを裏打ちする確かなスキルを持ち、カレッジのスタープレーヤーが揃うケンタッキー大の中でも、勝負所で最も信頼の置けるプレーヤーがマキシーでした。

一方、キャッチ&シュートは不安定さは大きな課題。3PT成功率は29.5%と安定感を欠きます。FT成功率は82%と高い水準にあり、ビッグショットを沈める勝負強さも備えていることから、アウトサイドシュートは大きな不安にはならないだろうというのが私的な予想。

カレッジでのランキング25位以内に入る強豪との対戦ではシーズンスタッツ以上の平均得点を稼ぎ出しているビッグゲームでの強さは押さえておくべきでしょう。

現時点ではゲームメイクを得意とするタイプではありませんスキルは高く、判断力にも優れるので、経験を積むことでガードとしても成長することが期待できるかもしれません。(私的にはハンドラー系のウイングやサイズのあるガードと組ませる方が力を発揮すると予想しますが)

標準以下のサイズは懸念事項か?


靴有身長(cm)裸足身長(cm)体重(kg)ウイングスパン(cm)スタンディング
リーチ(cm)
備考
タイリース・マキシー189.2185.485.1198.1252.72018年USA代表候補キャンプでの数値
SG平均195.4192.190.7204.6254.32015-2019のドラフトコンバイン平均

コンボガードのマキシーですが、身長はポイントガードの平均程度。身長の割にウイングスパンが長く、スタンディングリーチはシューティングガードの平均近くにまではなります。

カレッジでは優れたディフェンシブプレーヤーとして活躍したマキシー。スティールやブロックの数を稼ぐタイプではありませんが、1対1のオンボールディフェンスに絶対的な強さを見せ、オフェンスをシャットアウトしました。

クイックネスとアグレッシブさはありますが、高さや長さの点ではNBAのSGとしては平均以下。

ディフェンスも魅力のマキシーですが、高さ、速さ、強さ、技術がカレッジから更に数段上がるNBAでは苦労をするかもしれません。

賢さを武器に手の掛からないプレーヤーに

将来性が評価されるNBAドラフトでは、年齢の若いフレッシュマンが高い評価を得る傾向にありますが、カレッジでのキャリアを通じて成長を見せた上級生と比較すると博打の感は否めません。

その点、タイリース・マキシーは自分の長所を理解している賢いプレーヤーなので、育成に余り手が掛からないのではという予想。

思い切りの良い判断力を持ち、大舞台で力を発揮する心臓の強さもNBA向きでしょう。

ここ数年ケンタッキー大でNBA入りをしたガードは
  • ジャマール・マレー(2016)
  • ディア―ロン・フォックス(2017)
  • シャイ・ギルジアス-アレキサンダー(2018)
と活躍が目立ち、今年もマキシーだけでなくイマニュエル・クイックリー、アシュトン・ヘイゲンスとケンタッキー大出身の優れたガードがドラフト候補に並びます。

ガードが豊富とされる今年のドラフトですが、将来性に加えて信頼度の高いケンタッキー大出身であるマキシーは間違いなくロッタリーで指名を受けるべき選手でしょう。