2020-2021シーズン注目チーム:そして誰もいなくなったケンタッキー大

デューク大に続いてケンタッキー大を。ここも毎年アーリーエントリーで選手がチームを去っては、新たに有望選手が加入するNBA選手養成所。選手が活躍しアーリーエントリーをしなければ、渋滞が起きて新入生の居場所がなくなってしまうので、この手のチームにとっては新陳代謝が必要不可欠。

今年は昨季のスターティングメンバ―5人全員がアーリーエントリー。転校や卒業も相まって、主力は誰もいなくなってしまった。

今季のケンタッキー大のリクルートは全米ランキング1位にランクされているが、例年以上に若いチームとなる今季は苦労も少なくないだろう。

流石にインサイドの層に不安が大きく、奨学金枠も余っているはずなので、ここからビッグマンの加入もある気がしている。

卒業・アーリーエントリー・転校

  • ネイト・セスティナ(卒業)
  • ニック・リチャーズ(アーリーエントリー)
  • イマニュエル・クイックリー(アーリーエントリー)
  • EJ・モンゴメリー(アーリーエントリー)
  • アシュトン・ヘイゲンス(アーリーエントリー)
  • タイリース・マキシー(アーリーエントリー)
  • ジョニー・ジュザン(転校)
  • ケイヒル・ホイットニー(シーズン途中にチームを離脱)

フレッシュマン・転入

  • BJ・ボストン(M/J)
  • テレンス・クラーク(M/J)
  • デビン・アスキュー(J)
  • アイザイア・ジャクソン(J)
  • ランス・ウェア
  • キャメロン・フレッチャー
  • デビオン・ミンツ(転入:クレイトン大)
※M=マクドナルドオールアメリカン/J=ジョーダンブランド/H=フープサミット

主力選手

ガード
デビン・アスキュー
デビオン・ミンツ
ウイング
キーオン・ブルックステレンス・クラークドンテイ・アレン
BJ・ボストンキャメロン・フレッチャー
インサイド
アイザイア・ジャクソン
ランス・ウェア

注目フレッシュマン①

BJ・ボストン

学年:フレッシュマン
ポジション:SF/SG
身長:198.1cm
主な個人賞:マクドナルドオールアメリカン/ジョーダンブランドクラシック/カリフォルニア州Mrバスケットボール

ハイライト


注目フレッシュマン②

テレンス・クラーク

学年:フレッシュマン
ポジション:SG/SF/PG
身長:200.7cm
主な個人賞:マクドナルドオールアメリカン/ジョーダンブランドクラシック

ハイライト

多彩なフレッシュマンが充実

ESPNランキング6位のBJ・ボストンと8位のテレンス・クラークを筆頭に、今年も例年通りに多くの有望フレッシュマンが加入するケンタッキー大。アーリーエントリーと卒業だけでなく転校も相まって、去年からローテーションに入っていた選手は、平均出場時間15.1分4.5得点3.2リバウンドを記録したソフォモアのキーオン・ブルックスのみ。近年では最も経験の薄い年となりそうだ。

とは言え、今年のリクルートは全米1にランクされる程の大成功を収めている。

特にBJ・ボストンとテレンス・クラークの2人はケンタッキー大が好きそうな複数ポジションでプレーの出来るオールラウンダー。

ボストンはブランドン・イングラムを彷彿とさせるスムースなスコアラー。ブロニー・ジェームスの先輩ということでご存知の方も多いのではないだろうか?フレッシュマン時点のイングラムと比較するとシュートの精度やハンドリングの技術ではボストンが上回り、スコアリングでチームをリードしてくれるはずだ。

クラークはウイングの選手ながら切れ味鋭いハンドリングと視野の広さが魅力で、カレッジレベルでならポイントガードからスモールフォワードまでをこなす事が出来るだろう。アウトサイドシュートは向上が必要だが、今季のケンタッキー大で最も高いポテンシャルを有するのはクラークだろう。
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インサイドではスパイアインスティテュートでラメロ・ボールともチームメイトだったアイザイア・ジャクソンに期待が掛かる。オフェンスのスキルは未熟だが、機動力と跳躍力はビッグマンとしては高水準。リバウントとブロックで貢献してくれれば万々歳だ。

ガードにはクレイトン大からの転入生のデビオン・ミンツとカリフォルニアの名門マーテルデイハイスクール出身のデビン・アスキューが。アスキューはU18の3x3で世界制覇も達成している選手。勝負強いシュート力を持ち、class of 2021から学年変更をしての入学なので、この学年の中では比較的年齢が若いという点も魅力。ボストンとクラークの2人もハンドラーとしてプレー出来る器用さがあるので、この2人はゲームメイクの負担が軽減される分、アウトサイドからのシュート力を見せてほしい。

ある意味とてもケンタッキー大らしいチーム

経験不足が明らかなのは言うまでもないが、それがケンタッキー大らしさなのだから仕方がない。フレッシュマン頼みの今季は、フレッシュマンの活躍が心置きなく堪能出来るのだから、それを楽しもうと思います。

タレントとしてone and doneクラスなのはボストンとクラークの2人なので、来季は経験値が上積みされているはず。

試合の勝ち負けよりも、有望フレッシュマンの粗削りな輝くを愛でる。それが今季のケンタッキー大の正しい楽しみ方ではないだろうか。

ケンタッキー大の奨学金枠にはまだ空きがあるはずなので、転入生で実力派のビッグマンが獲得出来れば、一気にFinal4の有力候補になる可能性もありますが。

2020年5月7日追記:ウェイクフォレスト大のオリビエ・サーが加入

ウェイクフォレスト大からの転校を表明していたフランス人ビッグマン、オリビエ・サーが転校先としてケンタッキー大を選択。サーは昨季平均13.7得点9.0リバウンド1.2ブロックを記録した機動力とサイズが魅力の実力派のビッグマンだ。

本来転校生は1シーズンの公式戦出場停止となるが、サーは免除を申請中。今季のプレーが可能かどうかは申請が通るか次第だが、今季シニアとなり、7フッターのサイズを持つサーの加入は経験とサイズ不足が課題のケンタッキー大にとって、これ以上ない補強となるだろう。

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