NBAドラフト2020:ミシガン州立大を4年間支えた司令塔、カシアス・ウィンストン

ミシガン州立大のポイントガード、カシアス・ウィンストン。

同級生のマイルス・ブリッジスやニック・ウォードがアーリーエントリーでチームを去っていく中、4年間ミシガン州立大を支え続けた司令塔です。

ジュニアのシーズンにはミシガン州立大をNCAAトーナメントのFinal4に牽引し、カレッジトッププレーヤーの地位を確固たるものとしました。

ウィンストンも4年間のカレッジでのキャリアを終え、遂にNBA入りを果たします。



プロフィール

氏名カシアス・ウィンストン
カレッジミシガン州立大
学年シニア
生年月日1998年2月28日
ESPN
ランキング
31位(2016)
ポジションPG
出身校ユニバーシティオブデトロイト
ジェスイットハイスクール
(ミシガン州)
主な個人賞コンセンサス2ndチームオールアメリカン(2019/2020)
Big Ten最優秀選手賞(2019)
ジョーダンブランドクラシック(2016)
特記事項Big Tenの通算アシスト記録を更新
長所・卓越したピック&ロール捌き
・強気なゲームメイク
・高確率のアウトサイドシュート
懸念事項・サイズとクイックネスは平凡

スタッツ

出場時間(分)FG%3PT%FT%OFF RebDEF RebREB
32.744.843.285.20.22.32.5
ASTBLKSTLPFTOPTS
5.901.223.218.6

アドバンスドスタッツ

USG%OFF RTGDEF RTG+/-TS%OFF REB%
29.20%114.097.017.0059.10%0.80%
DEF REB%REB%AST%STL%BLK%TO%
7.70%4.60%36.50%2.10%0.10%16.90%

身体測定結果

靴有身長(cm)裸足身長(cm)体重(kg)ウイングスパン
(cm)
スタンディング
リーチ(cm)
備考
カシアス・ウィンストン186.7184.289.0198.1246.42020ドラフト
コンバイン
PG平均189.0185.784.1198.2247.22015-2019の
コンバイン平均

ハイライト

2019年にはチームをFinal4に牽引

2016年にミシガン州立大に入学したカシアス・ウィンストン。

高校時代にはジョーダンブランドクラシックに選出された有力プレーヤーです。同期入学にはマクドナルドオールアメリカンのマイルス・ブリッジスとジョシュア・ラングフォードに加え、ビッグマンのニック・ウォードもおり、この学年は現ヘッドコーチのトム・イゾー就任以降、"最高の新入生"と評されました。

ウィンストンはソフォモア(大学2年生)からスターティングポイントガードに定着。ジュニア(大学3年生)となった2019年には平均18.8得点7.5アシストを記録し、所属カンファレンスであるBig Tenの最優秀選手賞を受賞しています。

2019年には主力のラングフォードを怪我で欠き、万全の状態とは言えなかったミシガン州立大をNCAAトーナメントのFinal4に牽引。名実ともにカレッジトップレベルのポイントガードです。

巧みなピック&ロール捌きが魅力

ウィンストンのオフェンスの主軸がピック&ロール。1試合平均で5.0得点をピック&ロールから稼ぎ出したピック&ロールの匠と呼べるプレーヤーです。

自身の得点だけでなくアシストも巧みで、ピック&ロールからの展開で多くの得点を演出しています。

今年のドラフトにアーリーエントリーしているビッグマン、ゼイビア・ティルマンSrとのピック&ロールの破壊力は抜群で、所属カンファレンスであるBig Tenの通算アシスト記録も更新しています。

シュート精度も抜群で、3PT成功率、FT成功率は共にカンファレンスで2位。ビッグマンが上位を占めるEFG%でもカンファレンス5位に食い込んでいます。

得点のイメージこそ薄いものの、シュート効率を表すTS%は59.1%を誇り、カレッジ屈指のスコアリングガードであるマーカス・ハワード(60.1%)ペイトン・プリチャード(60.6%)にも遜色ありません。

スポットアップ、オフスクリーンと高効率で得点を重ねたウィンストンですが、サイズやクイックネス、跳躍力は平凡な為、トランジションのフィニッシャーとしてはイマイチです。

彼の得点はアスレティックな能力ではなく、巧みなスキルを駆使したものであり、NBAでも通用する可能性も高いでしょう。

クイックなプレーヤーへのディフェンスは懸念

オフェンスでは高い完成度を誇るウィンストンですが、ディフェンスでは懸念も。

カレッジでは大きな問題はありませんでしたが、サイズ、クイックネスは平凡でNBAの大きく速いガード達には苦戦をするでしょう。経験値、バスケットボールIQは高く、身体的な面をカバーすることが期待されます。

コンバイン結果を見る限り、ウイングスパン、スタンディングリーチはポイントガードとして平均的な水準にあり、僕の勝手な予想よりは良い数字。

その一方で体力測定では助走有の垂直跳びが71.1cm、スプリントが最下位と散々な結果に。

強豪校出身らしく、ディフェンスシステムは身体に染み込んでいるので、システムがキッチリと構築されているチームであれば、ディフェンスも大きな不安とはならないかもしれません。

予想指名順位は1巡目下位~2巡目

上級生のポイントガードが充実する今年のドラフト候補生の中で最も推しているのがカシアス・ウィンストン。

ピック&ロールからの展開を得意とし、オフェンスの総合力では、今年のドラフト候補のポイントガードで彼を上回る選手はいないでしょう。

シニアという年齢を考えると彼の指名順位は良くても1巡目下位でしょうか。

例年であれば2巡目だろうけれど、新型コロナの影響でNCAAトーナメントも無くなった今年のドラフトでは、実績抜群のウィンストンの価値は上がると予想します。

カレッジで優れた実績を残した上級生ガード達は、NBAでも堅実なプレーを見せており、高い技術を誇るウィンストンも安定した活躍が期待できます。

NBAでも長きに渡り活躍する選手になると予想しています。