ドラフト上位候補は何故Gリーグを選んだのか?

NBA関連で今年の注目トピックの1つが、有望高校生のGリーグ行きでしょう。

ジェイレン・グリーン、ジョナサン・クミンガ、アイザイア・トッド等、2021年のドラフト上位候補が、NCAAディビジョン1の強豪校への進学を回避し、Gリーグのプロフェッショナルパスに進む道を選びました。

プロフェッショナルパスは2019-2020シーズンから始まった新らしいプログラムで、このプログラムを選んだのは。今年の彼等が初めて。

では、何故彼等は王道のカレッジバスケではなく、Gリーグを選んだのでしょうか?



プロフェッショナルパスとは?


Gリーグのプロフェッショナルパスは、実は2019-2020シーズンから存在したプログラム。

・カレンダーイヤーに19歳
・高校卒業後1年間経過

というNBAへのアーリーエントリーの条件を満たしていない、高卒のエリートプレーヤー向けのプログラムで、年間12万5千ドルの給与を受けGリーグでプレーしながら、翌年のドラフトに備えるというプログラムでした。

しかし、1年目にこのプログラムにエントリーしたプレーヤーは0。

そこでGリーグはプログラムの育成・サポート体制を強化。

育成面では、プロフェッショナルパスにエントリーしたプレーヤーのみの、NBAチームから独立した新規チーム(イグナイト)を設立。プレーヤー達はNBAでの経験豊富なコーチ陣やサポートプレーヤーとプレーし、研鑽を積みます。

サポート面でも給与、住居、食事、大学への奨学金制度など、より充実した制度となり、総勢6人の有望プレーヤーがプロフェッショナルパスを選ぶことになりました。

何故プロフェッショナルパスを?

有望高校生がプロフェッショナルパスを選んだ理由としては、

・給与
・育成環境

が考えられますが、僕は彼らにとって重要だったのは”育成環境”だったのだろうと考えています。

有望高校生の進路の王道、NCAAディビジョン1は学生スポーツであり、プレーヤーの金銭的な支援はありません。(奨学金や住居、食事など、実質的な支援はありますが)

アメリカでは一大ビジネスであるカレッジスポーツにおいて、その主役であるプレーヤー達が無給で酷使されているとし、批判は高まっています。(この問題も改善に向かっている様ですが)

しかしながら、プロフェッショナルパスで彼等が得る給与は年間数10万ドル程と見られています。これは、ドラフト指名順位次第では1年で取り返せる金額。

ドラフト上位指名候補の彼等が、数10万ドルの給与の為に、前例の無いプロフェッショナルパスを選択したとは、僕には思えません。

カレッジでは、練習時間が厳しく定められており、学業も重要です。イグナイトには、NBAでの経験が豊富なブライアン・ショウをコーチとして招聘。練習時間にも制限はありません。

プロフェッショナルプレーヤーを選んだプレーヤー達は、ドラフト上位指名を目指す上で、イグナイトがより優れた環境であると判断したのではないでしょうか?