NBAドラフト2020:僕の好きなピック②

今年のドラフトで僕の好きだったピックの続き。

ロッタリー以降から2巡目で好きだったピックを。(どこにも需要が無いのは重々承知していますが...)

新型コロナの影響でカレッジのシーズンが途中で終了し、ロッタリー以降は予想外のピックが続きました。

ネクストアデバヨ候補のアチュワがマイアミに


ナイジェリア出身のビッグマン、プレシャス・アチュワは1巡目20位指名を受け、マイアミヒートへ。

ウィングスパン215.3cm、スタンディングリーチ275.6cmのフレームはNBAのパワーフォワードとして十分な数字。加えて、今年のインサイドのドラフト候補の中では屈指の運動能力を誇ります。

メンフィス大ではジェームズ・ワイズマンの早期離脱を受け、インサイドで奮闘。15.8得点10.8リバウンドの活躍で、フレッシュマンにしてカンファレンスの最優秀選手賞を受賞しました。

カレッジではワイズマン不在の影響を受け、インサイド寄りのプレーとなりましたが、ベン・シモンズやRJ・バレットを輩出したモントバードアカデミーの出身で、本来であればオールラウンドなプレーが魅力のプレーヤーです。

マイアミヒートと言えば、粗削りな原石だったバム・アデバヨをリーグ屈指のオールラウンダーに育成したチーム。アチュワもアデバヨと同様に攻守共にオールラウンダーになれる素養有り。ヒートがアデバヨ同様、アチュワを育ててしまうと思うと、他チームにとっては脅威でしかないでしょう。

ドラフト上手のナゲッツがRJ・ハンプトンを獲得


マイケル・ポーターJrやボル・ボルを手ごろな順位で獲得し、近年ドラフト巧者ぶりが冴え渡っているデンバーナゲッツ。

今年もスター性の高いコンボガードのRJ・ハンプトンを1巡目24位という順位で獲得しています。

ハンプトンは高校卒業後、王道のNCAAディビジョン1ではなく、オーストラリア/ニュージーランドのNBL経由でNBAドラフトにエントリー。高校時代はESPNランキングで学年5位にランクされ、世代別USA代表の常連でもあったエリートプレーヤーでした。(ちなみにclass of 2020のプレーヤーでしたが、卒業を1年早めています。)

高卒で挑んだNBLでは、プロ選手の大人たちを相手にスキルの粗さも目につきましたが、ダイナミックなプレーのスケール感はプロの中でも際立っていました。

無難にカレッジに進んでいれば、高い確率でロッタリー以内で指名を受けていたであろうハンプトンが、敢えてリスクを取って高卒プロ入りを選んだ姿勢が僕は好き。

NBL経由でのプレーヤーの数が少なく評価が難しいこともあり、ハンプトンは過小評価されているというのが僕の見方。

そんなハンプトンをサラッと取っていく辺りが流石ナゲッツと言わざるを得ないピック。強豪のナゲッツであれば、すぐに結果を出すことも求められず、時間を掛けて丁寧に育成してくれることでしょう。

即戦力が求められる弱小チームと比較し、ナゲッツの様な強豪は時間が必要な素材型をお得な順位で獲得することが出来るので、ドラフトって結局は強豪に有利な制度なんだろうな。

最優秀フレッシュマンのキャリーはホーネッツへ


皆さんは今年のカレッジ最優秀選手賞受賞者が誰かご存じでしょうか?

2018年にはトレー・ヤング、2019年にはザイオン・ウィリアムソンが選出された最優秀フレッシュマン賞を受賞したのは1位指名を受けたアンソニー・エドワーズでも、オニエカ・オコングでもなく、デューク大のバーノン・キャリーJr。

平均17.8得点8.8リバウンドと堂々たる数字を残したキャリーが2巡目32位まで残ったのは、単にプレースタイルが現代的では無いから。カレッジでの実績では1巡目上位指名のフレッシュマン達に全く引けを取りません。

そんなプレーヤーを2巡目で獲得出来たのですから、ホーネッツにとっては美味しいピック。しかも、キャリーはドラフトに向けてハードワークを積み、身体を絞ってきた様なので、シーズン中以上に機動力やクイックネスに磨きが掛かっているという期待も。

カレッジ時代はインサイドを主戦場にしていましたが、時折見せたドライブは切れ味抜群。アウトサイドのプレーを向上させる事が出来れば、キャリーが今年のドラフトで最もお買い得なピックになったとしてもおかしくはありません。

ピック&ロールの匠、ウィンストンはウィザーズへ


2019年のNCAAトーナメントでザイオン・ウィリアムソン、RJ・バレット、キャメロン・レディッシュ擁するデューク大を撃破したミシガン州立大のカシアス・ウィンストン。

カレッジを代表するピック&ロールの匠は2巡目53位指名を受け、ワシントンウィザーズへ。

カレッジ1と言っても過言ではないピック&ロール捌きを駆使し、通算アシスト数ではカンファレンス記録を塗り替え、2019年にFinal4も経験しているカレッジを代表するガード。

身体測定はまあまあだったものの、体力測定では助走有の垂直跳びが71.1cm、スプリントでは最下位と散々な結果でディフェンスには不安を残します。強豪のミシガン州立大出身とあって、システムの中でのディフェンスは悪くないので、そこはウィザーズのチームとしてのシステム次第かなと...

カレッジでの通算FT成功率84.5%、3PT成功率43%でシュート精度も高く、コントロール、得点力とオフェンスでの総合力ではカレッジトップのガード。

スキルと経験で身体的な不安をカバー出来れば、彼もまたお得なピックとなるでしょう。

コメント