混迷極めるケンタッキー大、泥沼の6連敗に

近年多くのNBAプレーヤーを輩出している、NBAプレーヤー養成所のケンタッキー大。

今季も多くの有望プレーヤーを集め、シーズン開幕前にはランキング上位に位置されたケンタッキー大でしたが、苦境が続きます。

開幕戦ではモアヘッド州立大に勝利したケンタッキー大でしたが、その後は5連敗。1勝5敗で迎えた対ルイビル大戦でも、終盤までは粘りを見せましたが、最後は競り負けて6連敗。シーズン成績は1勝6敗に。

ケンタッキー大のシーズン成績が1勝6敗となったのは、1911年、1926年に続いて、その長い歴史の中でも僅か3度目との事。6連敗も1989-1990年シーズン以来とのことで、シーズン開幕前には予想だにしなかた状況に追い込まれています。

懸念された経験不足が露呈


泥沼の6連敗に陥ったケンタッキー大。その1つの要因は、メンバーの経験不足でしょう。

例年、多くのプレーヤーがNBAドラフトへのアーリーエントリーでチームを去るケンタッキー大。昨季の主力全員がNBAへと旅立ち、今季のメンバーで昨季もローテーションに入っていたメンバーは、ソフォモアのキーオン・ブルックスJRのみ。そのブルックスも故障で開幕に出遅れており、今季のケンタッキー大は昨季から全く別のチームとなりました。

有望新入生と実力派転入生の加入で、個々のタレントを見れば充実したチームですが、経験不足は否めず。攻守に完成度の不足が露呈され、一度流れが悪くなると踏ん張る事が出来ません。

特にオフェンス力不足は致命的で、平均得点は昨季の74.4得点から64.9得点と激減。平均アシスト数もNCAAディビジョン1全体で301位の10.7本と低迷し、チームオフェンスの完成度の低さが響いています。

期待の新入生も伸び悩み

今季も多くの有望新入生が加入したケンタッキー大ですが、その中心は共にESPNランキングTOP10に入った、ブランドン・ボストンJr(BJ・ボストン)とテレンス・クラークでした。

ボストンは、チーム1位の平均14得点に加え、6.4リバウンドを記録していますが、FG成功率36.7%、3PT成功率15.6%と効率に課題を残します。ディフェンスをかわす巧みさはありますが、決定力に欠け、フィジカル不足も懸念。

クラークもボストンに次いでチーム2位の平均10.7得点を残しますが、こちらも3PT成功率22.7%、FT成功率47.1%と得点効率は及第点に届かず。大型ガードとしてハンドラーを務める時間もありますが、フィジカル不足で決定的な仕事が出来ず、器用貧乏な感は否めません。

共に来年のドラフト上位指名が期待される逸材ですが、活躍は当初の期待に遠く及ばず。何かをきっかけに、殻を破ってほしい所です。

個のタレント力は充実

歴史的苦境に追い込まれているケンタッキー大ですが、ボストン、クラークを筆頭にタレントは充実しており、個の力に疑いの余地はありません。

チーム全体で3PT成功率25%、FT成功率66.2%とシューティングスランプに陥っていますが、この泥沼を抜ければ、連勝街道を突き進んでもおかしくないメンバーが揃います。

ケンタッキー大は推しのチームではありませんが、何故だか弱いケンタッキー大も見たくない。きっかけを掴み、浮上してくれる事を願います。

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