NBAドラフト2022の主役、class of 2021の話

2021年のドラフトが当たりと言ってきたり、次の当たりは2023年だと言っている僕ですが、2022年のドラフトの話はあまりしてこなかったなと。

2022年のドラフトからドラフトルールが改定され、高卒でのアーリーエントリーが可能となるとの話もあったが、最近はその進捗の話も聞かれず。2022年のドラフトは現行のルールまま開催される可能性が高いだろう

となれば、2022年のドラフト上位指名の中心となるのは、今年の高校最上級生であるclass of 2021の面々。今回はclass of 2021の注目プレーヤーのまとめを。

ちなみに、注目のイマニ・ベイツは年齢の関係上、ドラフトルールが改定されなければ、学年変更をしたとしても2022年のドラフトにはエントリーは出来ない。

※ESPNランキングは2021年1月23日時点の順位を記載




チャット・ホルムグレン

所属:ミニハハアカデミー(ミネソタ州)
ポジション:PF/C
ESPNランキング:1位
進学先:未定

ハイライト

アウトサイドとハンドリングに優れるユニコーン

ステファン・カリー相手に、カリーの得意ムーブをお見舞いし、その動画がSNSで拡散された事で日本でもその名を知られる様になったチャット・ホルムグレン。

7フッター級の身長と長いウイングスパンに恵まれ、ディフェンスでも絶大な存在感を誇り、2桁ブロックを記録することも珍しくない。バスケットボールを始めた頃から、ガードのスキルを練習していたという事で、ハンドリングやアウトサイドシュートもビッグマンとは思えない程ハイレベルだ。

昨シーズンまでは現在ゴンザガ大でプレーするジェイレン・サッグスが同チームに在籍し、ホルムグレンはまだサッグスに使われるプレーヤーだったが、今シーズンは大黒柱として大車輪の活躍で、ボールハンドラーさえこなしている。

ちなみに、サッグスとはAAUで小学生の頃からチームメイトだった模様。

レブロン以来最高の高校生と称されるイマニ・ベイツとの直接対決では、31得点12リバウンド6ブロックを叩き出し、チームを勝利に牽引した。

進学先は未定だが、最有力は八村塁の母校であるゴンザガ大と言われている。体重は90kgに満たないパワー不足のホルムグレンが、カレッジではどんなプレーを見せてくれるだろうか?

成長次第ではノビツキーにディフェンスをプラスした様なプレーヤーになるかもしれないし、KDの様なタイプに成長するかもしれないし、はたまたネクストラフレンツになるかもしれない。

アウトサイド、ハンドリング、ショットブロックと現代的ビッグマンに求められる要素満載のユニコーンは2022年のドラフトの主役となるプレーヤーだろう。

ジェイデン・ハーディ

所属:コロナドハイスクール(ネバダ州)
ポジション:SG
ESPNランキング:2位
進学先:未定

ハイライト

絶対的な爆発力を誇る学年No1スコアラー

高校最上級生となり、支配力を更に延ばしたジェイデン・ハーディ。

全米から強豪8校が集まり開催されたトーナメント、GEICO Top Flight Inviteでは圧巻のスコアリングパフォーマンスを見せ、チームを準優勝に導いた。同イベントでの学年No1プレーヤー、チェット・ホルムグレンとの対決でも、30得点を叩き出し勝利を収めている。

当たり出したら止まらないアウトサイドが魅力で、リズムに乗ったハーディはどんなに難しいタフショットでも容易くリングに沈めてしまう。プレースタイルこそ違えど、爆発力という点では、現在Gリーグに所属し今年のドラフト上位指名候補でもあるジェイレン・グリーンにも引けを取らない。

進学先はまだ未定な上、既に今シーズンはもう公式戦でプレーしない事を明言しており、ハーディの一挙手一投足に注目が集まる。この学年の中でも、スター性という点ではホルムグレンにも引けを取らず、高い将来性を感じさせるプレーヤーだ。

パオロ・バンケロ

所属:オデアハイスクール(ワシントン州)
ポジション:PF
ESPNランキング:3位
進学先:デューク大

ハイライト

スキルフルな現代的インサイドプレーヤー

ワシントン大で活躍し、WNBAでもプレーしたロンダ・バンケロ(旧姓:スミス)を母に持つサラブレット、パオロ・バンケロ。父がイタリア系という事で、高校生にして既にイタリアのナショナルチームのメンバーでもある。

身長やウイングスパンはNBAレベルでは並と見られるが、強靭なフィジカルと高い運動能力でインサイドでも抜群の存在感を見せる。

しかし、彼の最大の魅力はオールラウンドなスキル。アウトサイドからのシュート力、ハンドリング、パスセンスと充実のスキルを備える現代的なインサイドプレーヤー。高校レベルであれば、出来ない事は無いと言っても過言ではない。この手のタイプは昨今のトレンドだが、高校生の時点でバンチェロ程の完成度を誇るプレーヤーは稀だ。

平凡なサイズ、アウトサイド精度など、懸念事項はあるが、フィジカル、スキル共に完成度が高く、カレッジでは間違いなく活躍するだろう。2022年のドラフトでも上位指名に食い込んで来ることが期待される。

パトリック・ボールドウィンJr

所属:ハミルトンハイスクール(ウィスコンシン州)
ポジション:SF/PF
ESPNランキング:4位
進学先:未定

ハイライト

高校バスケ界屈指の大型シューター

この学年で1番推してるパトリック・ボールドウィンJr。NCAAディビジョン1のウィスコンシンミルウォーキー大でヘッドコーチを務める父を持ち、プレースタイルもコーチ受けする優等生タイプ。

公称208.3cmの身長ながら、正確無比なアウトサイドシュートを備える高校屈指のシューター。シュータータイプの高校生プレーヤーで、学年トップレベルにランクされるプレーヤーは久々。加えてサイズにも優れるのだから、NBAでも需要は高いだろう。

ステップワークも多彩で、スキルもオールラウンド。アンセルフィッシュで献身的なチームプレーヤーとあって、どこからも欲しがられるプレーヤーだ。

進学先は未定だが、デューク大と父がヘッドコーチを務めるウィスコンシンミルウォーキー大が有力と見られる。ニーズの高いスキルを備えるボールドウィンは、カレッジ、NBAでも無難に活躍してくれるだろう。

マイケル・フォスターJr

所属:ヒルクレストプレップ(アリゾナ州)
ポジション:PF
ESPNランキング:6位
進学先:未定

ハイライト

屈強なフィジカルを誇るモンスター

屈強なフィジカルと高い運動能力を誇るインサイドプレーヤー、マイケル・フォスターJr。身長、ウイングスパンに特筆すべきところはないが、絶対的なパワーでペイントエリアを支配する。

アウトサイドやハンドリンングにも非凡なスキルを持ち、ステップワークも多彩。私的には、ボストンセルティックなどで活躍した元NBAプレーヤーのアントワン・ウォーカーのフィジカルと運動能力を強化したイメージかなと。

プレーのセレクションは難ありで、難しいアウトサイドを乱発する傾向も。プレーの波が激しいのも玉に瑕。彼の有するポテンシャルに経験やバスケットボールIQが追い付けば、ここから更に化け、NBAでもスター候補になれる可能性が。

進学先は未定で、カレッジをスキップしてのプロ行きを予想する声も。能力は高いのですが、当たり外れがハッキリするタイプになりそうだ。

ケネディ・チャンドラー

所属:サンライズクリスチャンアカデミー(カンザス州)
ポジション:PG
ESPNランキング:10位
進学先:テネシー大

ハイライト

電光石火のクイックネスを誇る高校No1ガード

今季の高校No1ガード、ケネディ・チャンドラー。2019年の夏には、所属チームのモカンエリートを、Nike主催のAAUリーグで優勝に導いた。

電光石火のクイックネス、公称185.4cmの身長ながら軽々とダンクを決める跳躍力、広い視野と確かなスキルを備え、ゲームを支配するフロアリーダー。

今季からはカンザスのサンライズクリスチャンアカデミーに転入。チームはチャンドラーの加入でチームは全米上位の評価を受け、全米屈指の選手層を誇るIMGアカデミーからも勝利を上げている。

高校卒業後は強豪テネシー大に進学予定。サイズの不安はあるが、スキルを備えているプレーヤーは何だかんだで成功するもの。チャンドラーもご多分にもれず、そのクイックネスと勝負強さを武器にカレッジで暴れてくれるだろう。

小粒な印象も現代的なプレーヤーが揃う学年

1学年上のclass of 2020や1学年下のclass of 2022と比較すると、小粒な印象も否めないのがclass of 2021だが、スキルフルなオールラウンダーや大型シューターが豊富で、今っぽいプレーヤーの揃う学年でもある。

上位プレーヤーの多くはまだ進学先を決めていないが、昨年の進路選択の傾向を見ると、Gリーグ行きを選択するプレーヤーも出てくるはず。(新型コロナのご時世で海外プロは選ばないのではと。)

将来のスター候補は少ないけれど、ロールプレーヤーとしていぶし銀の活躍を見せてくれるプレーヤーが出てくる学年になるのではと予想している。

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