注目のイグナイト組がGリーグデビューを飾る

高校卒業後直ぐにGリーグの育成プログラムに参加したプレーヤー達を擁するGリーグイグナイト(イグナイト)。イグナイトは高卒で育成プログラムに参加した6名と、アミール・ジョンソンやジャレット・ジャック等のベテランで構成されている。今年のドラフトでの注目候補擁するイグナイトが遂にGリーグデビューを果たしました。

オーランドのバブルで開催された初戦で、イグナイトはサンタクルスウォリアーズと対戦。デビュー戦の緊張故か、序盤は動きがぎこちなくウォリアーズにリードを許したイグナイトだったが、段々とギアが入り109-104で初戦を勝利で飾った。

今回が育成プログラムでイグナイトに加入したプレーヤーをピックアップ。

グリーンはフィジカルの差に苦しむ


最も早くGリーグの育成プログラム入りを表明したジェイレン・グリーン。歴史を作った男はこの日もスターティングメンバ―に抜擢。ドライブからこぼれたボールからゴール下を沈め、チームの初得点を決めて見せました。

今年のドラフト上位候補で僕の推しメンでもあるグリーンだけれど、この日はフィジカルの差に苦しんだ。高校時代では振り切れていたディフェンスも、プロではそう簡単には行かず、マッチアップしたニコ・マニオンに抑え込まれた。

爆発力が売りのグリーンだけれど、この日は波に乗ることは出来なかった。調子が悪い時に大人しくなっちゃうのも彼の悪い癖。

後半に入るとドライブや速攻からのダンクとグリーンらしいプレーが出たけれど、本当の彼はこんなもんじゃない。11得点5リバウンド2アシストは2月9日に19歳になったばかりの彼にとって悪い数字とは言えないけれど、グリーンはまだまだ出来る子だ。

能力の高さを証明したクミンガ


グリーンと共にスターティングメンバ―に入った、コンゴ民主共和国出身のジョナサン・クミンガ。今年のドラフトでの上位指名が有力視されるクミンガは、その評価が正しい事を証明してくれました。

身長、運動能力、センス溢れるスキルを備えるクミンガを抑える事の出来るプレーヤーはウォリアーズにはいなかった。フィジカルも強靭でドライブで抜ききれなくとも、シュートまで持ち込み決めきれる強さを持っている。視野も広く、アシストでも非凡なセンスを見せた。

3PTシュートが1/7とアウトサイドシュートは不発だったけれど、まだデビュー戦でクミンガは18歳と若い。弱点はあるが19得点2リバウンド4アシストを記録し、ポテンシャルの片りんを垣間見せました。

ルーキーとは思えない落ち着きのニックス


育成プログラムのプレーヤーで、この日最も安定したプレーを見せたのはガードのデイシェン・ニックスかもしれない。

登録身長195.6cm、登録体重101.6kgの仕上がったフィジカルを誇るニックスが見た目もプレーもルーキーとは思えない仕上がり。クイックでは無いけれど巧みでパワフルなドライブで得点を重ね、シュートフェイクからディフェンスのファールを引き出す賢さも。TOも1つだけと、18歳のガードとは思えない落ち着きを見せていた。ベンチからの出場となったが、アグレッシブなオフェンスで、重かったイグナイトの流れを変えてくれたのもニックス。

12得点3リバウンド3アシスト1TOというスタッツは上々の出来。この水準のプレーが続けば、ドラフト1巡目、しかもロッタリー内での指名もあるでしょう。

シュートタッチの良さを見せたトッド

柔らかなシュートタッチと運動能力が魅力の素材型インサイドプレーヤー、アイザイア・トッド。この試合では2得点3リバウンド1アシストと、上の3人と比べると数字は少し大人しいけれど、2クオーターに見せたミッドレンジジャンパーは彼らしいプレーだった。

素材型の彼はフィジカルも未完成で、コート上で所在無さげにも見えた。しかしながら、本来であれば、彼はカレッジにいたプレーヤー。Gリーグとは言え、カレッジレベルで特別な活躍を見せたプレーヤーだけが足を踏み入れる事が許されるコートで、少し迷っている様に見えてもそれは当然の事でしょう。

それにこれはデビュー戦。大事なのはこの試合でどんなプレーを見せたかではなく、バブルが終わる頃にどう成長しているかという事だ。

フィジカルの強いクミンガとニックスが良いプレーを見せた一方、グリーンとトッドはちょっと苦戦気味。バブルが終わる頃に彼等がどうプロの環境に適応、成長しているかを楽しみにしたい。

ちなみに、ドラフト上位候補が揃ったイグナイトでスコアリングリーダーに輝いたのはジャレット・ジャック。37歳のベテランは若手に花を持たされることなく、バチバチのプレーで23得点。NBAで長きに渡り活躍してきたジャックの様なプレーを身を持って学ぶことは、カレッジでは出来ない経験だろう。

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