NBAドラフト2021:Gリーグイグナイト最大の成功者、アイザイア・トッド
Gリーグが始めた育成プログラムのメンバーを中心に構成されたチーム、Gリーグイグナイト。彼等のシーズンもプレーオフ初戦敗退で幕を閉じたので、育成プログラム組のシーズン振り返りを。
前回のジョナサン・クミンガに続いて今回はアイザイア・トッドを。
当初ミシガン大への進学を予定していたトッドは、進学を撤回しGリーグの門を叩いた。プロ向きと呼ばれ、現代的ビッグマンに求められる要素を揃えるトッドだったが、華奢なフィジカルからプロの中でやっていけるのかどうか疑問符も。
そんな懸念もよそに、トッドはシーズンの経過と共にその存在感を増していった。
育成プログラム組で主力としてプレーした4名の中で最も顕著な成長を見せ、Gリーグに進んだプレーヤーの中で最大の成功者と言っても過言は無いだろう。
Isaiah Todd, who committed to Michigan in October, has now decommitted and will look to play professionally next season, his mother told ESPN. https://t.co/b0B1UTYWGF
— SportsCenter (@SportsCenter) April 14, 2020
アイザイア・トッド
ポジション:PF/SF
所属:Gリーグイグナイト
生年月日:2001年10月17日
登録身長:6フィート10インチ(208.3cm)
出身校:ワードオブゴッドクリスチャンアカデミー(ノースカロライナ州)
ESPNランキング:15位(class of 2020)
主な受賞歴: マクドナルドオールアメリカン(2020)
スタッツ
ハイライト
進学を撤回しGリーグへ
高校では下級生の頃からその名を広く知られたアイザイア・トッド。
ビッグマンながら柔らかいシュートタッチと高い機動力を見せた現代型ビッグマンのトッドは、学年No1プレーヤーと評され、2017年にはU16USA代表メンバーに選出され、U16アメリカ選手権にも出場した。
しかし、中々プレーの強度や安定感が向上せず、学年No1プレーヤーの評価も徐々に降下。
高校卒業時点での評価はESPNランキングで学年15位に。(それでも十分モンスターなのだけれど)
2019年10月にミシガン大へのコミットを表明したトッドだったが、2020年4月に進学を白紙に。カレッジ進学への道を捨て、ジェイレン・グリーンに続きGリーグに飛び込んだ。
Five-star prospect Isaiah Todd is expected to sign an NBA G League deal and join the new Southern California team with Jalen Green, per @ShamsCharania pic.twitter.com/9XsnzuRknW
— Bleacher Report NBA (@BR_NBA) April 16, 2020
アウトサイドシュートに活路を見出す
ZAY TODD CALLED GAME and tried to duck the locker room showers 😭 @zaytodd @nbagleague (via @JonathanKuming6) pic.twitter.com/KKgjtjxm06
— Overtime (@overtime) February 28, 2021
Gリーグでのデビュー戦、対サンタクルスウォリアーズ戦では2得点3リバウンドに終わり、所在無さげに不安そうなプレーを見せたトッド。"プロの中では厳しいか"とも思われたが、2戦目では得意のアウトサイドシュートを思い切りよく放ち、12得点7リバウンド。
この結果に自信を付けたのか、その後もアウトサイドシュートに活路を見出し、シーズン平均12.3得点と堂々の成績を。レギュラーシーズン最終戦の対オースティンスパーズ戦では3PT4本を含むキャリアハイの25得点に加え11リバウンドをもぎ取り、自身初のダブルダブルも達成した。
FG成功率と3PT成功率はそこそこと言った所だけれど、それはタフショットを放ってしまうシュートセレクション故。
ワイドオープンで放った3PTは高確率で決まり、ワンレッグジャンパーなど難易度の高いシュートもお手の物。
82.4%というFT成功率からは、トッドの高いシュート精度が伺える。ハンドリングも非凡で、数年後にはウイングからのオフェンスパターンは更に多彩になっているはずだ。
また、高い機動力を備えリムランにも意欲的。1試合平均1.8得点を速攻から獲得し、この数字はジェイレン・グリーン、ジョナサン・クミンガに次ぐチーム3位の数字。
特にアウトサイドシュートが好調な試合では、リムランやリバウンドでも献身を見せた。縦の機動力だけでなく横のクイックネスも上々で、クイックなガードへのディフェンスにも適正を見せた。
パワー不足は今の残る課題
当初からインサイドでのパワー不足が課題とされていたトッド。その評価通り、ペイントエリアでは押し込まれ、オフェンスでも決定力に欠けた。
それでも闘争心は高く、対カントンチャージ戦では、サイズ、フィジカルで後れを取るマーキス・ボールデン相手にペイントエリアで奮闘。一度アクセルが掛かると全てのプレーに良い影響が出るタイプで、この試合では試合終了のブザーと共に決勝ジャンパーも沈めている。
パワー不足は今後も懸念されるだろうが、戦う気概は持っており、大きな問題にはならないと予想する。
現代型のシューティングビッグマン
"プロの中で通用するのか"という懸念もあったトッドだけれど、僕の不安は見事に外れ、堂々の活躍を見せてくれた。彼のセールスポイントである運動能力の高さとアウトサイドシュートはGリーグの大人たちの中でも異彩を放った。
Gリーグでの活躍、現代的なプレースタイルから考えれば、ロッタリー内での指名の可能性も十分だろう。
NBAプレーヤーとの比較では、クリス・ボッシュの名前も挙がる。
同年代の頃のボッシュと比較すると、トッドの方がプレーエリアがアウトサイド寄りでディフェンスやリバウンドでのインパクトも及ばないけれど、プレーヤーとしてのスケールであれば、トッドが大きく劣る事は無いかなと。
Gリーグでの活躍だけでも1巡目のロッタリー内に値し、彼の現代的なプレースタイルと将来性を見れば1巡目10位以内での指名も考えるべきプレーヤーだろう。
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