NBAドラフト2022:それでも推しはジェイレン・ドゥーレン

ビッグマンが豊作とされる今年のドラフト候補。

ゴンザガ大のチェット・ホルムグレン、デューク大のパオロ・バンケロ、オーバーン大のジャバリ・スミスJr等、オールラウンド系のプレーヤーがドラフト上位候補と目されているが、僕の推しはメンフィス大のジェイレン・ドゥーレン。

ドゥーレンはインサイドを主戦場とする古典的なビッグマンで、カレッジでは当初期待された程の活躍は出来なかったかもしれない。

しかしながら、そのポテンシャルは高く、NBAでもスタープレーヤーとなれるだけの身体的資質を備えている。



ジェイレン・ドゥーレン

所属:メンフィス大
学年:フレッシュマン
生年月日:2003年11月18日
ポジション:C
出身:モントバードアカデミー(フロリダ州)
主な受賞歴:AAC Freshman of the Year (2022)/First-team All-AAC (2022)
シーズンスタッツ:25.3分12.0得点8.1リバウンド1.3アシスト2.1ブロック0.8スティール
FG59.7%/3PT0%/FT62.5%

身体測定結果

身長:6フィート11インチ(210.8cm)
体重:113.4kg
ウイングスパン:226.7cm

ハイライト


※高校時代のハイライト

高校では全米制覇に貢献

2020-2021シーズンにペンシルベニア州のローマンカソリックハイスクールから、モントバードアカデミーに転校したジェイレン・ドゥーレン。

圧倒的なパワーと身体能力でインサイドを制圧。

ミシガン大に進学したケイレブ・ヒュースタン、クレイトン大に進学したライアン・ネムハード等と共に、全米大会の無いアメリカ高校バスケにおいて実質的な全米No1決定戦とも呼べるGEICO Nationalsの優勝にチームを導いた。

この年のモントバードアカデミーのスターティング5では、ドゥーレンが唯一のインサイドプレーヤー。

リバウンドやシュートブロックなど、特にディフェンス面で絶大な存在感を示した。

当初は2022年に高校を卒業する予定だったドゥーレンだが、高校卒業を1年早め、今季からペニー・ハーダウェイがヘッドコーチを務めるメンフィス大でプレー。

チームのNCAAトーナメント出場に貢献し、カンファレンスの最優秀新人賞及びカンファレンス1stチームに選出された。

サイズ、パワー、身体能力を高次元で揃えるフィニッシャー

今季のドゥーレンの主要スタッツは12.0得点8.1リバウンド1.3アシスト2.1ブロック。

ドラフト上位候補としては、一見物足りない数字の様にも思えるが、フレッシュマンとしては十分過ぎる数字である事、ドゥーレンが2021年11月で18歳になったばかりの若いプレーヤーである事を忘れてはいけない。

現時点でのドゥーレンの最大の魅力は、屈強なフィジカル、正統派センターをこなすサイズ、高い身体能力といった身体的な面だろう。

今季の開幕前に開催されたメンフィス大のPro Dayの資料に記載されたドゥーレンの身体測定結果は、登録身長6フィート11インチ(210.8cm)、ウイングスパン7フィート5.25インチ(226.7cm)、登録体重250ポンド(113.4kg)。

この数字は、2005年のドラフト前の計測でのドワイト・ハワードの記録と同等以上。

サイズと身体能力に加え、パワーまで備えるドラフト候補は稀で、その点、ドゥーレンは貴重な存在と言えるだろう。

機動力の点では、最近流行りの"大きいのにガードの様に軽やかでクイック"なタイプでは無いが、4WDの様にパワフル。

リング近辺でのフィニッシュにおいては、1.44PPP(93thパーセンタイル)と効果的な数字を記録した。

ポストアップのシチュエーションでは、0.78PPP(40thパーセンタイル)と自身で得点をクリエイトする能力はまだ乏しいが、これからのオフェンススキルの向上に期待したい。

また、高校時代からパスセンスが高く評価されており、ハンドリングが向上すれば、NBAでそのパスセンスは開花するだろう。

ディフェンス面も発展途上

前述の通り、2003年11月生まれのドゥーレンは、ドラフト時点でも18歳と若い。

身体は既にプロ級でも、まだまだ発展途上のエリアは少なくない。

ディフェンスでも、ポテンシャルを評価する声はあるが、現時点ではポジションにングやローテーション等、チームディフェンスの理解を深める必要があり、オフボールでの決定的なミスも見られた。

ハイライトに残るブロックや、集中した試合で記録したリバウンド数など、インパクトを残す活躍こそしたが、現時点では優れたディフェンシブプレーヤーではないだろう。

身体面の話をすれば、そのサイズと機動力から、インサイドだけでなく全てのポジションをガードするポテンシャルがあり、その点ではNBAで活躍するバム・アデバヨにも通ずる。

波に乗ったドゥーレンのプレーはスケールが大きく、どんなに活躍しようとも"まだまだ出来るだろう"と思ずにはいられず、今後の成長次第ではリーグ屈指のディフェンシブプレーヤーになるだろう。

貴重な正統派センターとして大化けに期待

まだまだ課題の多いドゥーレンであるが、18歳のビッグマンとしては十分過ぎる活躍を見せた事は事実。

将来的には、オフェンスではパスを捌き、ディフェンスでは全ポジションをカバーする現代的なビッグマンとなるかもしれないが、まずは攻守にインサイドでのスキルをブラッシュアッに期待。。

サイズや身体能力の高さに疑いの余地はないが、スキルや経験値の不足は否めず、NBA1年目から即戦力としての安定した活躍を求めるのではなく、瞬間的なハイライトプレーを楽しんで、長い目で見てあげてほしいかな。

将来的には、現代版ドワイト・ハワードの様なNBAを代表するインサイドプレーヤーへの成長が期待出来る大器だろう。


コメント

  1. 現代バスケでは敬遠されるタイプですが、個人的には昔ながらのセンターが好きなので、中途半端に外を覚えるのではなく、自分の土俵で闘えるようになってほしいですね。
    それにしても2blkはすごいです。

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    1. スコアリングスキルは乏しいですが、パスセンス、オールポジションを守る事の出来るポテンシャルがあるのは、ちょっと今っぽいエッセンスかなと思います。
      何れにしろまだ18歳なので、この先が楽しみでなりません。

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    2. ポジションレスの時代にこの身体でオールポジションを守ることができるのはNBAでも数少ないですよね。
      WSも魅力的ですし、育成が上手なチームにドラフトされることを願うばかりです。

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