NBAドラフト2024:ビッグマンが豊作な予感

まだまだカレッジシーズンも開幕していないけれど、またもや来年のドラフト妄想。

どうやら来年のドラフト候補にはビッグマンが豊作な模様。

カレッジではフレッシュマンから上級生まで、プレースタイルではフィニッシュとディフェンスに特化したタイプやスキルビッグ、トラジショナルビッグと多様なタレントが揃う。

今回は来年のNBAドラフトに向けたビッグマン候補のまとめ。

シーズンも始まる前なので、"ドラフト候補の名前を覚えておくか"位の軽い感じで見て頂ければ。

※例の如く追記のスタイルで。身長は所属チームの公式ページに記載された数字を。


【飛躍が期待されるソフォモア】

ドノバン・クリンガン

所属:コネチカット大
学年:ソフォモア
生年月日:2004年2月23日
ポジション:C
身長:218.4cm
出身:ブリストルセントラルハイスクール(コネチカット州)
主な受賞歴:Big East All-Freshman team (2023)

ハイライト

全米制覇を支えた守護神

ベンチからコネチカット大全米制覇に貢献したビッグマン、ドノバン・クリンガン。

平均13.1分と短い出場時間ながら、6.9得点5.6リバウンド1.8ブロックを記録している。

身長218.4cm、体重127kgとカレッジの中でも一際大きなフィジカルを駆使しペイントエリアを支配。恵まれた機動力とゲームの流れを読む高いバスケットボールIQを有し、ディフェンスで絶大な存在感を見せる。

エースのアダマ・サノゴがNBAに旅立ち、今季クリンガンの出場時間が倍増する事は確定的。オフェンスでもこれまで以上の役割が与えられるだろう。

ピック&ロールや速攻のフィニッシャーとしては既に優秀だが、今季は自身で得点をクリエイト出来る所も証明してほしい。

FT成功率も48.6%と壊滅的だったので、今季はシュート精度の改善も必要だろう。

2年目の飛躍に期待したい。

アデム・ボナ

所属:UCLA
学年:ソフォモア
生年月日:2003年3月28日
ポジション:C/PF
身長:208.3cm
出身:プロリフィックプレップ(カリフォルニア州)
主な受賞歴:Pac-12 All-Defensive Team (2023)/Pac-12 Freshman of the Year (2023))

ハイライト

反則的な身体能力を誇るモンスター

昨季のPac-12の最優秀フレッシュマン、アデム・ボナ。

ビッグマンとは思えない程のモンスター的な身体能力を有し、UCLAの身体測定では助走有りの跳躍で97.8cmを記録した。

跳べるだけでは無く、機動力の高さもビッグマンとしては異常な程。

驚異的な速度でカバーから飛び込むブロックは後出しジャンケンの様に反則的だ。

昨季は平均22.9分出場時間で7.7得点5.3リバウンド1.7ブロックを記録。スタッツを飛躍的に向上させるだけの身体能力があり、経験を積んだ今季は一躍カレッジトップクラスのビッグマンになる可能性も。

昨季のカンファレンストーナメントで左肩を故障し、まだ回復の途上との事。身体接触のある練習は限られた一方シューティングに時間を割けた様で、それがプラスに作用するかも。

まずは故障からの完全な回復を。

クレル・ウェア

所属:インディアナ大
学年:ソフォモア
生年月日:2004年4月20日
ポジション:C/PF
身長:213.4cm
出身:ノースリトルロックハイスクール(アーカンソー州)
主な受賞歴:McDonald's All-American (2022)/Jordan Brand Classic (2022)/Nike Hoop Summit (2022)

ハイライト

新天地で飛躍を狙う大器

オレゴン大からインディアナ大へ転校したビッグマン、クレル・ウェア。

高校時代はESPNから学年8位のプレーヤーとの評価を受けたが、オレゴン大では平均15.8分の出場で6.6得点4.1リバウンド1.3ブロックに留まった。

身体能力の高さは7フッターとは思えないレベル。経験を積めばガードやウイングも守る事の出来るプレーヤーになれるだろう。

オフェンススキルは発展途上。

昨季の3PT成功率は27.3%だったが、FT成功率は71.2%とビッグマンとしては良い数字。キャッチ&シュートを磨けば効果的なシューティングビッグになれるポテンシャルを秘める。

今夏のW杯USA代表メンバーに選出されたウォーカー・ケスラーも転校で2年目にその才能を開花させたプレーヤー。

ウェアもケスラー同様に飛躍のシーズンを迎えるかもしれない。

カイル・フィリポウスキー

所属:デューク大
学年:ソフォモア
生年月日:2003年11月7日
ポジション:PF/C
身長:213.4cm
出身:ウィルブレイハム&モンソンアカデミー(マサチューセッツ州)
主な受賞歴:ACC Rookie of the Year (2023)/Second-team All-ACC (2023)

ハイライト

カレッジ屈指のスキルビッグへ

昨季カンファレンスの最優秀新人賞、カンファレンストーナメントのMVPを受賞したデューク大のソフォモア、カイル・フィリポウスキー。

3X3でU18USA代表に選出され世界制覇も経験。3X3でUSA代表に選出されるだけあり、ビッグマンながらウイングから1対1を仕掛けるスキルに富み、パスセンスにも非凡な才能を見せる。

目を見張る様なジャンプ力を有するプレーヤーでは無いが、見た目以上の機動力とバスケットボールIQの高さでディフェンスでも平均以上のプレーヤー。

昨季はFG成功率44.1%、3PT成功率28,2%とシューティングに効率を欠いており、今季は改善を期待したい。

今季のデューク大は昨季からの主力が多く残留し、そこに有望なフレッシュマンも多数入学。

カレッジ屈指のタレント軍団の中で大幅にスタッツを伸ばす事は考え難く、数字よりもシューティング効率、プレーの幅や安定感の向上を見せてほしい。

【多彩なセンスを見せるインターナショナルプレーヤー】

イザン・アルマンサ

所属:Gリーグイグナイト
生年月日:2005年6月7日
ポジション:PF/C
身長:208.3cm
出身:OTE(ジョージア州)
主な受賞歴:FIBA Under-19 World Cup MVP (2023)/FIBA Under-17 World Cup MVP (2022)/FIBA U18 European Championship MVP (2022)

ハイライト

一家に一台のスペイン人オールラウンダー

U17、U19とワールドカップでMVPを受賞している世代屈指のビッグマン、イザン・アルマンサ。

2021年からはアメリカに渡り、今季はGリーグイグナイトでプレーする。

ハンドリングとパッシングスキルに優れ、リバウンドやブロックから自身でボールをプッシュしフィニッシャやアシストを演出出来る。特にパスセンスは得点力に優れるプレーヤーが並ぶプロの世界で輝きを見せるだろう。(パスセンスのあるビッグってなんかロマンがあって良いよね)

アウトサイドシュートも試投数こそ少ないけれど、シュートタッチは悪くない。

爆発的な身体能力は無いが縦横無尽にコートを駆け巡る機動力があり、リバウンドにも強い。ディフェンスでは優れたバスケットボールIQから先を読んだプレーが出来ている。

スキルフルなビッグマンであるが、チームの為に身体を張る事も出来る"一家に一台"の献身的なチームプレーヤーだ。

アレックス・サー

所属:パースワイルドキャッツ
生年月日:2005年4月26日
ポジション:C
身長:216cm
出身:OTE(ジョージア州)

ハイライト

驚異の機動力を見せるフランス人ビッグマン

NBAプレーヤーのオリビエ・サーを兄に持つフランス人ビッグマン、アレックス・サー。

2021年からアメリカのOTEでプレーし、今季はオーストラリア/ニュージーランドのNBLに所属するパースワイルドキャッツでプレーする。

サーの最大の売りはディフェンス。恵まれたサイズと驚異的な機動力を有し、Gリーグイグナイトとの2試合では共に6ブロックを記録している。

身体つきはまだ華奢だが、NBAレベルでも優れたディフェンシブビッグになれる身体的資質を有している。

オフェンス面でもサイズと身体能力を駆使し優れたフィニッシャー。シュートタッチも悪くないけれどプレーエリアを広げたり自身でクリエイトするスキルを磨くよりも、ペイントエリア内でフィニッシュスキルやチームオフェンスの中での合わせる戦術理解を磨いていく事でより効果的なプレーヤーになれるのではと。

NBLでのデビュー戦では14分3秒の出場時間ながらも9得点5リバウンド2ブロックを記録。

現時点ではドラフト上位指名候補に名前が挙がっており、シーズンの経過と共に出場時間を伸ばし安定した数字を残すことが出来れば、ドラフト上位指名も現実になるだろう。

【有望フレッシュマン】

ゼイビア・ブッカー

所属:MSU
学年:フレッシュマン
生年月日:2004年9月9日
ポジション:PF/C
身長:210.8cm
出身:キャシードラルハイスクール(インディアナ州)
主な受賞歴:McDonald's All-American (2023)/Nike Hoop Summit (2023)

ハイライト

第二のJJJの期待が掛かる現代的ビッグ

MSUのフレッシュマン、ゼイビア・ブッカー。

MSUはドレイモンド・グリーン、JJJと近年だけで2名の出身者がNBAでDPOY(最優秀ディフェンス選手賞)を受賞しており、ブッカーも2人に次ぐ優秀なディフェンシブビッグへの成長が期待される。

高い機動力と長いウイングスパンを有し、ペイントエリアだけでなく、コートの全エリアをカバー出来るポテンシャルを有する。

オフェンスでも非凡なハンドリングとパスセンスを有し、リバウンドやブロックから速攻の演出が可能。アウトサイドシュートもスムースな現代的ビッグだ。

ポテンシャルの高さに疑いの余地は無く、カギはカレッジレベルでどれだけ安定したパフォーマンスを出し続ける事が出来るかだろう。

プレーの強度が高いタイプでは無いけれど、そこはカレッジ屈指の闘将トム・イゾーの指導力に期待。

私的には今季推しているビッグマンの1人。

アーロン・ブラッドショウ

所属:ケンタッキー大
学年:フレッシュマン
生年月日:2004年5月14日
ポジション:C
身長:213.4cm
出身:カムデンハイスクール(ニュージャージー州)
主な受賞歴:McDonald's All-American (2023)

ハイライト

サイズと機動力が売りのディフェンシブビッグ

多くのプレーヤーをNBAに輩出し、"NBA予備校"とも言えるケンタッキー大のフレッシュマン、アーロン・ブラッドショウ。

7フッターの身長とそれに似つかわしくない機動力を有し、ガードやウイングへの対応も可能だ。

オフェンスではフィニッシャーとして威力を発揮し、シューティングタッチも良好。

カレッジレベルで得点をクリエイトする事はまだ難しいかもしれないが、ケンタッキー大には優秀なガードでブラッドショウとは高校、AAUのチームメイトでもあるDJ・ワグナーがおり、ブラッドショウの能力を引き出してくれるだろう。

ケンタッキー大にはユゴナ・オニエンソという今季の飛躍が期待されるビッグマンがおり、出場時間の確保も容易ではない。

脚の故障により出遅れている事もあり、まずは怪我からの完全回復を。

【経験豊富な上級生】

ザック・イーディ

所属:パデュー大
学年:シニア
生年月日:2002年5月14日
ポジション:C
身長:223.5cm
出身:IMGアカデミー(フロリダ州)
主な受賞歴:National college player of the year (2023)/Pete Newell Big Man Award (2023)/Kareem Abdul-Jabbar Award (2023)

ハイライト

カレッジ個人賞を総なめにした巨神兵

パディー大のシニア、ザック・イーディ。

昨季のカレッジ最優秀選手賞を総なめにしたカレッジのNo1プレーヤーだが、第1シードで臨んだNCAAトーナメントはまさかの初戦敗退。イーディ自身もピック&ロールの対応に難のある弱点を露呈してしまった。

ペイントエリアでポジションを取られてしまうとカレッジレベルでは止められない絶対的な支配力を有する。昨季のFT成功率は73.4%と高く、将来的にはシュートエリアも広げられる可能性も。

ディフェンスにおいても平均2.1ブロックを記録し、ペイントエリアでは圧倒的な存在感を見せる。そのサイズ故に身体能力の高いウイングやガードのディフェンスを苦手としており、今季はその点での成長が期待される。

プレースタイルこそ現代的では無いが、そのサイズは何にも代えがたく、NBAでもピンポイント起用で結果を残すタイプになるかもしれない。

コールマン・ホーキンス

所属:イリノイ大
学年:シニア
生年月日:2001年12月10日
ポジション:PF
身長:208.3cm
出身:プロリフィックプレップ(カリフォルニア州)

ハイライト

派手さは無いが堅実なグルーガイ

イリノイ大のシニア、コールマン・ホーキンス。

昨季は平均32.5分の出場で9.9得点6.3リバウンドと特筆するほどではないが、平均3.0アシストとパススキルはビッグマン屈指。

また、1.2リバウンド1.1スティールとディフェンスでの貢献度は高ク、平均ファール数も1.8個とスマート。

3PTも成功率こそ28.0%に留まったが、試投数は1試合平均4.0本。シューティングタッチも良く、今季の大幅な成功率の向上も有り得ない話でもない。

バスケットボールIQも高く、スキルも万能。痒い所に手が届くタイプで、シュート効率を改善する事が出来れば、NBAでも重宝されるグルーガイになれるだろう。


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