NBAドラフト2024で富永啓生のライバルとなるドラフト候補は?
コネチカット大の全米2連覇で幕を閉じた今年の男子カレッジバスケ。
シーズンも終了し、今年もNBAドラフトが近付いてきた。
今年のドラフトにおいて、日本のバスケットボールファンの関心事の1つが"富永啓生はドラフト指名を受けるか?"という点だろう。
ネブラスカ大のエースとしてチームを2014年以来となるNCAAトーナメントに導き、Hanes Originals Soft Touch Men’s 3-Point Championshipを制した富永君はカレッジを代表するシューターであり、2019年の八村君以来となる日本人としてのドラフト指名にも期待がかかる。
現時点では、富永君はドラフト指名が確実視される評価を受けておらず、指名を受けるとしても2巡目だろう。
これからドラフトまでの間、日本人ファンはドラフトプロセスの中での富永君関連のニュースに一喜一憂する日々を送る事になりそうだ。
また、1巡目、2巡目で計60名という限られたドラフト指名枠の中でドラフトを受けるかどうかを妄想する上で、ドラフトにおける富永君のライバルを知っておくことは非常に重要だろう。
という事で、今回は
・上級生
・ウイング
・シューター/スコアラー
という枠で2巡目やドラフト当落線上と評価されるプレーヤーのまとめを。
例の如く、徐々に追記するスタイルになりそうですがご容赦を。記載している身長はチーム公式の身長です。
富永啓生
所属:ネブラスカ大学年:シニア
生年月日:2001年2月1日
ポジション:SG
生年月日:2001年2月1日
ポジション:SG
身長:188cm
スタッツ:26.0分/15.1得点/2.3リバウンド/1.4アシスト/0.9スティール/0.0ブロック/FG46.6%/3PT37.6%/FT87.5%
主な受賞歴:Second-team All-Big Ten (2024) /Big Ten All-Tournament Team (2024)
主な受賞歴:Second-team All-Big Ten (2024) /Big Ten All-Tournament Team (2024)
長所
- 波に乗るとどんなタフショットでも沈める爆発力
- ディフェンスの裏をつく巧みなオフボールムーブ
ハイライト
全米トップレベルに成長した日本人シューター
まずは富永君のスタッツや受賞歴の確認を。
エースとしてネブラスカ大を2014年以来のNCAAトーナメントに導き、現地でも多くのメディアに取り上げられるプレーヤーへと成長した日本人シューター、富永啓生。
その活躍が評価され、全米屈指のカンファレンスであるBIG Tenの中でもカンファレンスの2ndチームに選出されている。
彼の最大の長所は当たり出したらコート上のどこからでもリングを射抜くシュート力であるが、プルアップシュートの得点期待値において今季NCAAディビジョン1でNo1となる1.26PPSという数字を記録。
NCAAトーナメント期間中に開催されたHanes Originals Soft Touch Men’s 3-Point Championshipを制した事からも、富永君が名実共にカレッジを代表するシューターの1人である事に疑いの余地はないだろう。
NBAレベルではウイングとしてのサイズや身体能力不足、シューターに特化したスタイルやスキルが懸念事項として上がるが、今後のドラフトプロセスでもカレッジ屈指のアウトサイドシュートを武器にその評価を上げて行く事を期待したい。
2024年5月6日追記
毎年ドラフト前にドラフト指名有力候補を招集し開催されるショーケースイベント、ドラフトコンバインの招待者リスト78名がNBAから発表されたが、そこに富永君の名前は無く。
この78名は各NBAチームの投票により選出されている。
ドラフトコンバインには招待されなかった、44名が選出されるGリーグエリートキャンプの正式な招待選手リストが現地月曜に発表される予定だが、そこに富永君の名前が無ければドラフト指名は中々に厳しくなりそうだ。
2024年5月10日追記
結局富永君はGリーグエリートキャンプの招待選手45名には選出されず。
ドラフトコンバイン選出の78名、辞退を報じられた選手を含めGリーグエリートキャンプに招待された47名の計125名が少なくとも現時点でNBAチームから富永君を上回る評価を得ていると言えるだろう。
富永君のドラフト指名を占う上で中々厳しい状況になっている。
キャム・スペンサー
所属:コネチカット大学年:シニア
生年月日:2000年4月6日
ポジション:SG
生年月日:2000年4月6日
ポジション:SG
身長:193cm
スタッツ:32.8分/14.3得点/4.9リバウンド/3.6アシスト/1.5スティール/0.3ブロック/FG46.8%/3PT41.7%/FT87.8%
主な受賞歴:First-team All-Big East (2024)
主な受賞歴:First-team All-Big East (2024)
長所
- 安定したアウトサイドシュート力
- 2ndハンドラーもこなすオールラウンドなスキル
- 精力的なオフボールムーブ
ハイライト
全米2連覇を支えたいぶし銀のシューター
今季ラトガース大から転校し、コネチカット大の全米2連覇に大きく貢献したシューターのキャム・スペンサー。
過去3シーズン連続で3PT成功率は40%超え、FT成功率も87%超えとそのシュート精度に疑いの余地は無い。
縦横無尽にコートを駆け巡り、正確無比なアウトシュートを沈めたかと思うと、ドライブからは多彩なステップワークで得点を重ねる。
また、ハンドラーとしての視野もあり、ピック&ロールからビッグマンに的確なアシストを供給。単なるシューターだけには収まらないカレッジのオールラウンドプレーヤーである。
身体能力はNBAレベルでみれば秀でているとは言えないが、プレーの流れを読み1.5スティールを記録している点も見逃せない。
これだけ完成度が高く、チームの全米制覇にも貢献したプレーヤーではあるが、年齢や身体能力の問題からか、2巡目下位での指名やドラフト外と予想されている。
ケイレブ・ラブ
所属:アリゾナ大学年:シニア
生年月日:2001年9月27日
ポジション:SG/PG
生年月日:2001年9月27日
ポジション:SG/PG
身長:193cm
スタッツ:32.3分/18.0得点/4.8リバウンド/3.4アシスト/1.2スティール/0.3ブロック/FG41.3%/3PT33.2%/FT83.9%
主な受賞歴:Second-team All-American – USBWA, NABC (2024)/Pac-12 Player of the Year (2024)
主な受賞歴:Second-team All-American – USBWA, NABC (2024)/Pac-12 Player of the Year (2024)
長所
- 当たり出したら止まらないカレッジ屈指の爆発力
- コンボガードとして両ガードポジションでプレー可
ハイライト
カレッジ屈指の爆発力を誇るインスタントスコアラー
2022年にはノースカロライナ大のエースとしてチームをNCAAトーナメント決勝に牽引したコンボガードのケイレブ・ラブ。
今季からはアリゾナ大に転校し、カンファレンスの最優秀選手賞を受賞している。
タフショットを多投する傾向があり、カレッジ4シーズンでFG成功率が4割を超えたのは今シーズンのみと安定感には欠けるが、1度波に乗ると手が付けられない爆発力を誇り、1月の対オレゴン大戦では36得点を記録。
前述の通り、2022年のNCAAトーナメントでもSWEET16の対UCLA戦で30得点、FINAL4の対デューク大戦で28得点とその爆発力を遺憾なく発揮し、チームを全米制覇まであと一歩の所まで押し上げた。
また、今季も平均3.4アシストを記録し、コンボガードとしてゲームメイクもこなす事が出来る。
単に得点を重ねるだけでなくそのプレーには華があり、観客の度肝を抜くタフショットを沈め、チームを勢いに乗せる事が出来るという点では富永君にも近い所があるかもしれない。
NBAでもその得点力を武器にベンチからのインスタントスコアラーとなる事が期待される。
強豪カンファレンスであるPAC-12で最優秀選手賞に輝いたプレーヤーであるラブですら、ドラフト評価は高くなく、2巡目又はドラフト外(カレッジであと1年プレー可能な為、ドラフト撤退の可能性も)と目されている。
ブー・ブーイ
所属:ノースウェスタン大学年:シニア
生年月日:1999年12月7日
ポジション:PG/SG
生年月日:1999年12月7日
ポジション:PG/SG
身長:188cm
スタッツ:36.9分/19.0得点/3.3リバウンド/5.0アシスト/1.4スティール/0.1ブロック/FG43.8%/3PT43.4%/FT85.8%
主な受賞歴:First-team All-Big Ten (2023, 2024)/Lefty Driesell Award (2024)
主な受賞歴:First-team All-Big Ten (2023, 2024)/Lefty Driesell Award (2024)
長所
- 高確率のアウトサイドシュート
- アシストでも得点をクリエイトするゲームメイク
ハイライト
大学得点記録も保持するスコアリングガード
今季富永君を擁するネブラスカ大とカンファレンスの上位シードを争ったノースウェスタン大のエース、ブー・ブーイ。カレッジでの5年間をノースウェスタン一筋で過ごし、同大の通算得点記録ホルダーでもある。
昨季の時点でカンファレンス1stチームに選出された中、今季は3PT成功率を昨季の31.8%から43.4%と大きく向上。ゲームメイクにおいても平均5.0アシストはキャリアハイの数字だ。
2年連続でBIG Tenのカンファレンス1stチームに選出され、カレッジ屈指のスコアリングガードとしての地位を確固たるものとした。
また、今季はカレッジ最優秀のディフェンシブプレーヤーに贈られるLefty Driesell Awardを受賞しており、クイックネスと読みを駆使したディフェンスでの貢献も期待出来る。
攻守両面で魅力的なプレーヤーであり、実績も十分であるものの、年齢やサイズの問題からか、ブーイのドラフト指名を予想する声はあまり聞かれない。その事からも、NBAドラフトで指名を受ける事が如何に難しいことか分かるだろう。
ドラフトコンバイン、Gリーグエリートキャンプには招待されず
追記の通り、ドラフト指名が有力視されるドラフトコンバイン、Gリーグエリートキャンプに富永君は招待されなかった。
両ショーケースの招待選手はNBAチームの投票により選出されており、富永君はNBAチームが"見たい"と思うプレーヤーには選ばれなかった。
ドラフトコンバインに対して身体測定や体力測定といったイメージを持っている方もいるかもしれないが、シューティングドリルや5対5のスクリメージ、医学的検査やチームとのインタビューも実施される。
もし、富永君がコンバインに参加し、ドリルやスクリメージの中で他のドラフト候補相手に秀でた活躍を見せ、インタビューでも好印象を残す事が出来れば、それはドラフト候補として大きなプラスになっていただろう。
今回ドラフトコンバインにも、Gリーグエリートキャンプにも招待をされなかった事は、ドラフト指名を占う上で非常に残念ではあったものの、今後の各チームとのワークアウトの中で優れたパフォーマンスを残し、評価を上げて行く事を期待したい。
いつも拝見しております。
返信削除サム・スペンサーはGSWのパットの弟ですね。
富永はどこかハマるチームが見つかって、奇跡的にドラフト指名されないかと期待していますが、本当に奇跡のレベル…
ただ現代は総合力がある程度求められるので、ディフェンスやハンドリングなども一定レベルじゃないと難しいですね。
コメントありがとうございます。
削除シュート力に関してはカレッジトップレベルなものの、サイズや身体能力不足から来るディフェンスでの懸念は特に大きそうですね。
現時点からNBAレベルでのハンドラースキルを身に付けるハードルは中々に高く、厳しそうですね。