注目のブロニー・ジェームズは2巡目55位でレイカーズへ

今年のNBAドラフトにおいて、1巡目1位指名に劣らぬ注目を集めたトピックが"ブロニー・ジェームズはドラフト指名を受けるのか"という事だっただろう。

ブロニー・ジェームズは言わずと知れたNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズの長男だ。

高校時代にはESPNから同学年で20位と高い評価を受け、鳴り物入りで地元カリフォルニアのUSCに入学したブロニーだったが、健康上の理由からシーズン開幕に出遅れ、シーズン成績も平均19.4分の出場で4.8得点2.8リバウンド2.1アシストに留まった。

コンバインやワークアウトの中で評価を上げたブロニーは2巡目55位でドラフト指名を受けるも、それが父レブロンの所属するレイカーズだった事から、"縁故採用"としてブロニーの指名を疑問視する声も。

ブロニーのプレーヤーとしての評価はドラフト指名に値するものだったのだろうか?


ブロニー・ジェームズ(Bronny James)

所属:USC
生年月日:2004年10月6日
ポジション:PG/SG
スタッツ(2023-2024):19.4分/4.8得点/2.8リバウンド/2.1アシスト/0.2ブロック/0.8スティール/FG36.6%/3PT26.7%/FT67.6%

身体測定結果

裸足身長:186.7cm
体重:95.4kg
ウイングスパン:201.3cm
指高:250.2cm
垂直跳び(助走有):102.9cm
最高到達点:353.1cm

ハイライト


世代屈指の高校生プレーヤーとしてUSCに入学するも

高校入学当初からレブロンの息子として注目を集めて来たブロニー。

ESPNからは学年全体20位の評価を受け、マクドナルドオールアメリカン、Hoop Summitと有望高校生の代名詞とも呼べるオールスターゲームにも選出され、同世代のトッププレーヤー相手に活躍。

カレッジでの活躍も予感させ、オレゴン大やUCLAを擁する強豪カンファレンス、PAC-12に属する地元カリフォルニアのUSCに入学した。

ここでも活躍を期待されたブロニーだったが、シーズン前の練習中に先天性心疾患により心肺停止に倒れ、病院に搬送。シーズン開幕に出遅れる事となった。

12月10日の対ロングビーチステイト大戦でカレッジデビューを飾るも、スタッツは4得点3リバウンド2アシストに留まり、その後もシーズン前に期待された様な数字を残す事は出来なかった。※ブギー・エリス、アイザイア・コリア―というカレッジ屈指のタレントを有したUSCのバックコートでフレッシュマンとして平均19.4分という出場時間を獲得した時点では並大抵の事では無いが。

当初の期待通りの数字を残す事が出来なかったブロニーだったが、シーズン終了後にはNBAドラフトへのアーリーエントリーを表明した。

コンバインで好成績を残しドラフト圏内へ

アーリーエントリーを表明したブロニーだったが、当時の評価ではドラフト圏外。ESPNによるドラフト候補生評価では全体98位という評価だった。

しかし、NBAチームからの投票によりドラフト候補生78人が招待されたドラフトコンバインのメンバーの1人に選出されると、体力測定、シューティングドリル、スクリメージで好成績を残す。

体力測定の垂直跳びでは全体6位タイの40.5インチ(102.9cm)、シューティングドリルでは全体2位タイとなる25本中19本成功を記録。

身体能力とアウトサイドシューティングを証明し、3&Dとしての高いポテンシャルを示した。

身体測定では、

裸足身長:186.7cm
体重:95.4kg
ウイングスパン:201.3cm
指高:250.2cm

を記録。

裸足身長はPGとして高い水準に無いが、ウイングスパン、指高はPGとして十分な水準で、SGとしては少し小さいかな程度。体重も95.4kgとフィジカルも屈強だ。

コンバインで好成績を残したブロニーはESPNからの評価でコンバイン前の98位から54位とジャンプアップ。一躍ドラフト圏内に滑り込んだ。

ブロニーの実力はドラフト指名に値したのだろうか?

ブロニーのドラフト指名には懐疑的な声もあるが、外部のメディアであるESPNからもドラフト候補の中で54位という評価を得ており、ドラフト指名が確定的というレベルでは無かったが、ドラフト指名を受けても不思議ではない位置にはいたと言える。

何故シーズンスタッツの低いブロニーがそれだけの評価を得たのか?という疑問もあるかもしれないが、ドラフトでは将来的なポテンシャルも評価される傾向にあり、身体能力が高く、フレッシュマンと若いブロニーが高い評価を得る事は理解出来る。

また、ブロニーのドラフトエントリー自体が時期尚早であり、カレッジで数年経験を積んでからドラフトにエントリーすべきだったという声もある。

年齢が上がればドラフト候補として要求されるスキルの水準も上がり、必ずしも順調に成長しその水準を満たすことができるとも限らず、ドラフトを先延ばしする事でシーズン中の故障のリスクもある。

今年のドラフトで指名を受ける可能性があったのであれば、今年エントリーする事がNBA入りにおいて最も確実な方法なのだろう。

一方でレイカーズがブロニーを指名したのはレブロンによる影響があったから、という疑問についての真実はチームのみぞ知る事で我々ファンが何を行っても推測の域を出ない。

あるのはブロニーがドラフト指名を受けたという事実だけだろう。

ブロニーのプレーヤーとしての評価はドラフト指名に値するものだったのだろうか?


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