NBAドラフト2025:そろそろ来年のドラフトの話をしよう

2024年のドラフトも終わりましたが、"来年のドラフト予習までがドラフト"という事で、今年も来年のドラフトネタを。と言っても僕が推してる子を押売りするだけだけれど。

一般論ではありますが、来年2025年のドラフト候補には、スケールの大きな未来のスター候補が揃っていると目される。

中でもデューク大に進学したモントバードアカデミーのクーパー・フラッグは早くもドラ1有力候補として日本でも高い知名度を誇る。

ここで書いているプレーヤーはあくまで僕の推し、そしてアメリカ外のプレーヤーはカバー出来ていない事はご留意を。

例の如く徐々に追記していくスタイルです。


クーパー・フラッグ(Cooper Flagg)

所属:デューク大
学年:フレッシュマン
出身:モントバードアカデミー(フロリダ州)
生年月日:2006年12月21日
ポジション:SF/PF
身長:205.7cm

ハイライト

Z世代のキリレンコ

モントバードアカデミーをシーズン無敗のまま実質的な全米制覇に導いたウイング、クーパー・フラッグ。

高校最優秀選手に贈られるゲータレード賞、ネイスミス賞も受賞した、class of 2024(2024年に高校を卒業した学年)のNo1プレーヤーだ。

ゲータレード賞の受賞ページによれば、昨季のスタッツは16.1得点7.6リバウンド3.9アシスト2.7ブロックを記録。スター揃いのモントバードアカデミーの中では、スコアリングリーダーでは無かったが、攻守に質の高いプレーを見せ、チームの勝利に貢献した。

このブログでは何度も書いているが、現時点ではディフェンシブなプレーヤーで、恵まれたサイズと身体能力、適切なポジショニングと高いディフェンス意識から、オンボール、オフボール共に優れたディフェンシブプレーヤーである。

ドライブに対しても恐ろしい機動力でカバーに飛び、ウイングながらに1試合平均2.7ブロックは驚異的。

スコアリングも年々成長を見せており、高い打点から放たれるミッドレンジのターンアラウンドジャンパーは、この先のレベルでも必殺のプレーとなり得る。

進学先のデューク大には、昨季の司令塔であるタイリース・プロクターと成長が期待される2年目ガードのケイレブ・フォスターと得点力の高いプレーヤーが残る。

カレッジでもフラッグにはスコアリングだけではなく、オールラウンドな仕事が求められるだろう。スタッツ以上に献身的なチームプレーで勝利に貢献する事が出来れば、下馬評通りのドラ1指名も近付いて来るだろう。

ディラン・ハーパー(Dylan Harper)

所属:ラトガース大
学年:フレッシュマン
出身:ドン・ボスコプレップハイスクール(ニュージャージ州)
生年月日:2006年3月2日
ポジション:PG
身長:195.6cm

ハイライト

高校バスケ界のハーデン

元NBAプレーヤーのロン・ハーパーを父に、現役のNBAプレーヤーであるロン・ハーパーJrを兄に持つディラン・ハーパー。

単なる2世プレーヤーというだけでなく、実力と実績も十分。昨季は平均22.4得点5.7リバウンド2.7アシストを記録(ゲータレード賞のページによれば)し、高校バスケ界の主要最優秀選手賞の1つであるモーガン・ウッテン賞を受賞している。

ハンドラーとしては大柄なサイズとスムースなスキルを武器にディフェンスを翻弄する様は、さながら高校バスケ界のジェームズ・ハーデンの様だった。

クイックネスや高い跳躍力を武器にするタイプではないが、屈強なフィジカルを駆使したドライブは高校レベルではアンストッパブル。

全米屈指の高校生が選出されるオールスターゲーム、ジョーダンブランドクラシックでは、アウトサイドシュートも好調で30得点の大暴れ。大会のMVPも受賞した。

大型ハンドラーとしてのゲームメイクにも優れ、カレッジや更に上のレベルでも司令塔としてのプレーが期待出来る。

進学先のラトガース大には同じく来年のドラフトで上位指名が予想されるウイングのエース・ベイリーも入学。全米屈指のエキサイティングなデュオとして、スポーツメディアを賑わせてくれるだろう。

来年のドラフト候補では、フランスのノラン・トラオレもハーパー同様に大型ガードとして高い評価を得ており、今季の活躍でどちらがより高い評価を得るかも楽しみだ。

また、今夏右膝の手術を受ける事が報じられており、まずは故障からの完全復帰が待たれる。

エース・ベイリー(Ace Bailey)

所属:ラトガース大
学年:フレッシュマン
出身:マッキーチャンハイスクール(ジョージア州)
生年月日:2006年8月13日
ポジション:SF/PF
身長:203.2cm

ハイライト

ハイライト

世代屈指のスコアラー

クーパー・フラッグ同様に来年のドラ1有力候補の1人と見られるのが、このエース・ベイリー。

これまたゲータレード賞のページによれば、昨季は平均33.4得点15.5リバウンド3.9アシスト2.1ブロックというモンスター級の数字を残している。(高校のスタッツは所属校のメンバー構成で大きく変わるのであくまで参考程度に)

サイズと身体能力だけでなく、ハンドリングやシューティング、ステップワークといったスコアリングスキルも非常に高く、波に乗るとどんなタフショットでも容易に沈めてしまう驚異的なスコアラー。

タフショットを好む傾向にあるが、チームプレーが出来ないという事もなく、少しギャンブルっぽさはあるものの視野も広く、パスセンスにも優れる。

能力だけに頼らないスコアリングスタイルはプロからも高い評価を受けそうだ。

また、恵まれたサイズと高い身体能力からはディフェンス面でも高いポテンシャルを感じさせる。

1人で何でもこなしてしまう打開力があり、再建チームの中心に据えるプレーヤーとしては、来年のドラフト候補の中で最も夢のあるプレーヤーかもしれない。

進学したラトガース大では前述のハーパーとチームメイトとなり、ハーパーのアシストから多くのハイライトプレーを残してくれる事だろう。

VJ・エッジコム(V. J. Edgecombe)

所属:ベイラー大
学年:フレッシュマン
出身:ロングアイランドルスランハイスクール(ニューヨーク州)
生年月日:2005年7月30日
ポジション:SG
身長:193cm

ハイライト

ウェイドを彷彿とさせるスラッシャー

最近バハマ代表での活躍が話題となっているウイング、VJ・エッジコム。

昨季は全米屈指の強豪、ロングアイランドルスランハイスクールでエースとして活躍し、平均17.3得点6リバウンド4アシスト2.3スティールを記録。ESPNによる評価では同学年で3位と高い評価を得ている。

ソリッドなプレースタイルが魅力でドライブの切れ味は抜群でアウトサイドシュートも高精度。細身の体型ではあるがフィジカルコンタクトにも強いタフなプレーヤーで、迫力満点のフィニッシュはNBAのスタープレーヤー、ドウェイン・ウェイドを彷彿とさせる。

平均2.3スティールからも分かる通り、優れたディフェンシブプレーヤーで、固いオンボールディフェンスを見せる。

進学先は2021年に全米王者に輝いたベイラー大。

タフなガードを育成するベイラー大でゲームメイクを向上させ、ディフェンスを磨く事が出来れば、コンボガードとして更に評価を上げるだろう。

リアム・マクニ―リー(Liam McNeeley)

所属:コネチカット大
学年:フレッシュマン
出身:モントバードアカデミー(ニューヨーク州)
生年月日:2005年10月10日
ポジション:SF
身長:200.7cm

ハイライト

全米王者に高校屈指のシューターが加入

NCAAトーナメント2連覇中の王者コネチカット大に入学する高校バスケ界屈指のシューター、リアム・マクニ―リー。

2022-2023シーズンから強豪モントバードアカデミーでスコアラーとして活躍し、昨季は全米屈指の強豪校が集まるリーグ、EYBL SCHOLASTICでの12試合でリーグ1位となる3PT成功率45.9%を記録した。

オールラウンダーの育成に定評のあるモントバードアカデミーのプレーヤーらしく、アウトサイドシューティングだけでなく、多彩なスコアリングパターンとオールラウンドなオフェンススキルを有する。登録身長は200.7cmとシューターとしてはサイズがある点もマクニ―リーの魅力だ。

進学先のコネチカット大には、昨季も全米屈指のシューターであるキャム・スペンサーが在籍。マクニ―リーには、卒業し、NBA入りを果たしたスペンサーの穴を埋める活躍が期待される。

また、1度はアーリーエントリーを表明したシューターのアレックス・キャラバンもコネチカット大への残留を決めており、キャラバンとマクニ―リーの2人は全米屈指のシューターデュオとして、対戦チームを震え上がらせるだろう。

コネチカット大は攻守共にシステマチックなプレーを展開するチーム。マクニ―リーが早期にシステムにフィットする事が出来れば、コネチカット大の全米3連覇も見えてくることだろう。

エリオット・カドー(Elliot Cadeau)

所属:ノースカロライナ大
学年:ソフォモア
出身:リンクアカデミー(ミズーリ州)
生年月日:2004年9月4日
ポジション:PG
身長:185.4cm

ハイライト

名門を率いた若き司令塔

昨季、フレッシュマンながらに名門ノースカロライナ大(UNC)で司令塔を務めたエリオット・カドー。

高校時代にはリンクアカデミーを実質的な全米王者に導いた実力派だ。

昨季もそのゲームメイクは冴え渡り、卓越した判断力でUNCのアップテンポなオフェンスを指揮し、チーム首位の平均4.1アシストを記録した。

カドーのゲームメイクが優れている事に疑いの余地は無いが、今季課題となるのは得点力。

昨季は平均7.3得点にとどまり、3PT成功率は何と18.9%...。ディフェンスもカドーに対して明らかに距離を置いてマッチアップをしていた。

アウトサイドシュートに磨きが掛かり、ディフェンスのカドーへの警戒心が高まれば、彼のゲームメイクに好影響を与える事は間違いない。今季のカドーには最低でも平均2桁得点を期待したい。

UNCには昨季の1stチームオールアメリカンでカレッジ屈指のスコアリングガードであるRJ・デイビスも残留し、新入生でもイアン・ジャクソン、ドレイク・パウエルの2人のマクドナルドオールアメリカンが加入。

昨季以上に身体能力の高いプレーヤーが揃い、カドーのパスと噛み合えば、速攻で多くのハイライトプレーが生まれる事だろう。

全米屈指のタレントを誇るUNCの浮沈のカギを、司令塔であるカドーが握っている。

マーク・シアーズ(Mark Sears)

所属:アラバマ大
学年:シニア
出身:ハーグレイブミリタリーアカデミー(バージニア州)
生年月日:2002年2月19日
ポジション:PG
身長:185.4cm

ハイライト

カレッジバスケを代表する司令塔

はじめに書いておくけれど、年齢が高く、サイズ、身体能力も突出していないマーク・シアーズは決してドラフトで高い評価を受けるプレーヤーではない。

今年もドラフトにアーリーエントリーを表明したが、撤退してカレッジに残留する道を選んでいる。

しかし、カレッジバスケにおける彼の支配力は本物だ。

昨季は平均21.5得点4.2リバウンド4.0アシスト1.6スティールに加え、FG成功率50.8%3PT成功率43.6%FT成功率85.7%と質の高いプレーを披露し、2ndチームオールアメリカン(NBAで言う所のオールNBA2ndチーム)に選出。

NCAAトーナメントでもアラバマ大をFinal4に牽引した。Final4では優勝したコネチカット大と対戦し、86-72の14点差で敗退するも、この得点差は同大会におけるコネチカット大の最少得点差。シアーズ自身も24得点5リバウンド3アシストと奮闘を見せた。

彼のスキル面に疑いの余地は無いが、ドラフト目線で懸念されるのはやはりサイズだろう。ドラフトコンバインでの身体測定では裸足身長が178.4cm、ウイングスパンは188cmとサイズ不足は否めず。(助走有の垂直跳びでは99.1cmと良い数字を記録しているが)

現在、アンダーサイズのガード年てNBAで活躍しているジェイレン・ブランソンでもドラフト時に裸足身長185.4cm、ウイングスパン193cmを記録しており、サイズ面での懸念は消えないが、今季はカレッジで更にスキルに磨きを掛け、NBAでの成功も切り開いてもらいたいプレーヤーだ。


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