NBAドラフト2019:今年はスムースな選手が豊作です

さてさて今年のドラフトの話です。
完成度の高かった選手が揃った2017年、大型で高い将来性を感じさせる選手が上位に並んだ2018年と比較すると、今年のドラフト候補はスケール感で見劣りすることは否めませんが、今年のドラフト候補生の特色として"スムースなプレーヤーが豊作"であることが挙げられます。

1位指名の有力候補であるザイオン・ウィリアムソンは圧倒的な身体能力でカレッジを席巻していますが、1巡目候補には現代的な多彩な技術を駆使し、プロレベルでも通用するであろうプレーを見せてくれている選手も目立ちます。
高い身体能力を持ちながらも、それだけに頼らない彼らのプレーは日本人好みのプレーでもあるでしょう。

ロミオ・ラングフォード

学年:フレッシュマン
大学:インディアナ大
ポジション:SG/SF
主要スタッツ:18.8得点5.5リバウンド2.5アシストFG成功率50.2%


高校屈指のスコアラーとして地元のインディアナ大に進学したラングフォード。
身長195.6cm、ウィングスパン210.8cmのウイングとして理想的な体型と、惚れ惚れする程のスムースなジャンパーを持ち、この学年を代表する選手の1人です。

3PT成功率23.8%とアウトサイドが絶不調な中、平均得点18.8得点、FG成功率50.2%を記録しているのは流石。
リング近辺でのシュートタッチの良さも光ります。
アウトサイドの精度が戻ってくれば、平均得点は20得点を軽く超えてくるでしょう。

所属のインディアナ大は直近3連敗と不調ですが、彼自身はメリーランド大戦でキャリアハイタイの28得点を上げ、良いプレーを見せてくれています。
現在のdraftnetの評価は14位指名ですが、5位前後で指名を受けるだけのポテンシャルがある選手だと思います。

ダリアス・ガーランド

学年:フレッシュマン
大学:バンダービルト大
ポジション:PG
主要スタッツ:16.2得点3.8リバウンド2.6アシストFG成功率53.7%3PT成功率47.8%


バンダービルト大のフレッシュマンガード、ダリアス・ガーランド。
左膝の半月板損傷の為、僅か5試合の出場でシーズン終了。
出場時間2分に終わった対ケント州立大戦を除けば平均19.8得点とカレッジでも支配的な得点力を見せていました。

身長188cm、ウィングスパン195.6cmとPGとしてNBAレベルで十分通用するフィジカルを持ち、トップスピードの中で自由自在にボールを操るハンドリング技術、高精度のジャンパー、判断の良いプレーを繰り出す高いバスケットボールIQと華やかなプレーを創り出すクリエイティビティを備える今年のフレッシュマンのNo1ガードです。

3PTラインの遥か後方からも放つシュートは自然でスムース。
アシスト数は物足りない様にも見えますが、視野の広さとパスセンスは高レベル。
今年のドラフト候補の中では、マレー州立大のジャー・モラントがPGとして高い評価を得ていますが、私の思うNo1ガードはこのガーランドです。

ナズ・リード

学年:フレッシュマン
大学:ルイジアナ州立大
ポジション:PF/C
主要スタッツ:12.9得点5.4リバウンド1.0アシスト3PT成功率39.0%


LSUのビッグマン、ナズ・リード。
器用なハンドリングスキル、広いシュートレンジと多彩なオフェンスパターンを持つユニークなタイプのビッグマン。
オフェンスでは存在感を見せる一方、5.4リバウンド0.9ブロックとディフェンスでは影が薄く、身体能力低いということはありませんが、機動力を上げるために絞れていない身体を仕上げる必要があるでしょう。

オフェンスの多彩さはNBA向きに見えますが、ディフェンスでの貢献度の低さはどうなんでしょうね。
他に無いスキルを持つ選手ではあるので、そこをどう活かせるか、欠点をどう改善出来るかで大きく化ける選手であると思います。
ポテンシャルとしては十分に1巡目の価値がある選手でしょう。

キャメロン・レディッシュ

学年:フレッシュマン
大学:デューク大
ポジション:SG/SF
主要スタッツ:13.0得点3.2リバウンド1.6アシスト


RJ・バレットとザイオン・ウィリアムソンの陰に隠れ、3番手となっているレディッシュですが、スムースなアウトサイドシュート、キレのあるハンドリングに加え、恵まれた身体(裸足身長201.9cm/ウイングスパン213.4cm)を持ち、将来性の高さではバレット、ザイオンをも上回るとの声もあります。
ディフェンスでも勘の良さを見せ、1.9スティールを記録。
長いウイングスパンを駆使し、攻守両面でインパクトを残すことの出来る選手です。

多彩なオフェンススキルを持つ選手ですが、その技術を上手く使いきれていないためかFG成功率は37.4%と低空飛行。
バレット、ザイオンに次ぐ3番目のオプションとして、チームのバランスもとりながらプレーをする必要がある難しい役割を担っており、彼がファーストオプションとしてプレーしていれば数字は違ってくるでしょう。

ザイオン・ウィリアムソンが後半を丸々負傷欠場した対フロリダ州立大戦では、思い切りの良いプレーを見せ23得点を上げ、チームの勝利を決定付ける逆転の3PTも沈めています。
チームでの役割に上手くアジャストすることが出来れば、スタッツは自ずと改善されていくでしょう。

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