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U17ワールドカップでUSAが大会7連覇を飾る

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トルコで開催されたU17ワールドカップ2024。 フル代表のカテゴリーでは、ヨーロッパをはじめとした国々がUSAと互角以上に渡りあう様になって久しいが、U17のカテゴリではUSA代表の独壇場が続く。 2010年にU17ワールドカップが始まって以降、2年に1度開催されるこの大会でUSAは無敗のまま大会6連覇を達成して来た。 今大会においてもUSAの強さは圧倒的で、決勝でもイタリア代表を41点差で一蹴。 サイズと身体能力を兼ね備えたプレーヤーがフルコートプレスを仕掛けるスタイルで、1試合平均64.3得点差という絶望的なまでの差を他国に見せつけ、大会7連覇を飾った。 キャメロン・ブーザーが大会最優秀選手賞を受賞 今大会、チームの大黒柱としてUSAのインサイドを支えたのが、キャメロン・ブーザー。 その名前からも想像が付くかもしれないが、彼の父は元NBAプレーヤーのカルロス・ブーザーだ。 他のポジションと比較すると、今大会のUSAのインサイドは手薄だったが、平均20.1分の出場で20.1得点9.9リバウンドを記録する活躍でペイントエリアを支配。 ディフェンスでも機動力の高さを活かし、平均2.7スティールを記録。リバウンドやスティールから精度の高いロングパスを供給し、USAのアップテンポなチームオフェンスの演出にも貢献した。 ウイングにスターが揃った今大会では、インサイドを中心にプレーしていたが、ハンドリングやアウトサイドシュートにも優れたオールラウンダーで、現代PFのお手本の様なプレーヤーだ。 ブーザーと並んで、今大会のベスト5に選出されたのがウイングプレーヤーのAJ・ディバンツァ。 ※U16アメリカ大会でのハイライト オフェンスでは長い四肢を駆使した切れ味鋭く深いジャブステップから1対1を繰り出し、多彩で力強いステップワークで得点を量産。ハンドリングと視野の広さにも優れ、アシストでも多くのハイライトプレーを生み出した。 ディフェンスでもその恵まれたサイズ、身体能力と秀でたバスケセンスを駆使し、フルコートプレスの1線で対戦相手を苦しめた。 平均20.4分の出場で14.1得点3.9リバウンド4.1アシストを記録し、そのオールラウンドな才能を嫌という程世界に見せつけた。 また、USAからはコア・ピートとタイラン・ストークスが大会の2ndチームに選出され、ブラ

NBAドラフト2025:そろそろ来年のドラフトの話をしよう

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2024年のドラフトも終わりましたが、"来年のドラフト予習までがドラフト"という事で、今年も来年のドラフトネタを。と言っても僕が推してる子を押売りするだけだけれど。 一般論ではありますが、来年2025年のドラフト候補には、スケールの大きな未来のスター候補が揃っていると目される。 中でもデューク大に進学したモントバードアカデミーのクーパー・フラッグは早くもドラ1有力候補として日本でも高い知名度を誇る。 ここで書いているプレーヤーはあくまで僕の推し、そしてアメリカ外のプレーヤーはカバー出来ていない事はご留意を。 例の如く徐々に追記していくスタイルです。 クーパー・フラッグ(Cooper Flagg) 所属:デューク大 学年:フレッシュマン 出身:モントバードアカデミー(フロリダ州) 生年月日:2006年12月21日 ポジション:SF/PF 身長:205.7cm ハイライト Z世代のキリレンコ モントバードアカデミーをシーズン無敗のまま実質的な全米制覇に導いたウイング、クーパー・フラッグ。 高校最優秀選手に贈られるゲータレード賞、ネイスミス賞も受賞した、class of 2024(2024年に高校を卒業した学年)のNo1プレーヤーだ。 ゲータレード賞の受賞ページによれば、昨季のスタッツは16.1得点7.6リバウンド3.9アシスト2.7ブロックを記録。スター揃いのモントバードアカデミーの中では、スコアリングリーダーでは無かったが、攻守に質の高いプレーを見せ、チームの勝利に貢献した。 このブログでは何度も書いているが、現時点ではディフェンシブなプレーヤーで、恵まれたサイズと身体能力、適切なポジショニングと高いディフェンス意識から、オンボール、オフボール共に優れたディフェンシブプレーヤーである。 ドライブに対しても恐ろしい機動力でカバーに飛び、ウイングながらに1試合平均2.7ブロックは驚異的。 スコアリングも年々成長を見せており、高い打点から放たれるミッドレンジのターンアラウンドジャンパーは、この先のレベルでも必殺のプレーとなり得る。 進学先のデューク大には、昨季の司令塔であるタイリース・プロクターと成長が期待される2年目ガードのケイレブ・フォスターと得点力の高いプレーヤーが残る。 カレッジでもフラッグにはスコアリングだけで

注目のブロニー・ジェームズは2巡目55位でレイカーズへ

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今年のNBAドラフトにおいて、1巡目1位指名に劣らぬ注目を集めたトピックが"ブロニー・ジェームズはドラフト指名を受けるのか"という事だっただろう。 ブロニー・ジェームズは言わずと知れたNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズの長男だ。 高校時代にはESPNから同学年で20位と高い評価を受け、鳴り物入りで地元カリフォルニアのUSCに入学したブロニーだったが、健康上の理由からシーズン開幕に出遅れ、シーズン成績も平均19.4分の出場で4.8得点2.8リバウンド2.1アシストに留まった。 コンバインやワークアウトの中で評価を上げたブロニーは2巡目55位でドラフト指名を受けるも、それが父レブロンの所属するレイカーズだった事から、"縁故採用"としてブロニーの指名を疑問視する声も。 ブロニーのプレーヤーとしての評価はドラフト指名に値するものだったのだろうか? ブロニー・ジェームズ(Bronny James) 所属:USC 生年月日:2004年10月6日 ポジション:PG/SG スタッツ(2023-2024):19.4分/4.8得点/2.8リバウンド/2.1アシスト/0.2ブロック/0.8スティール/FG36.6%/3PT26.7%/FT67.6% 身体測定結果 裸足身長:186.7cm 体重:95.4kg ウイングスパン:201.3cm 指高:250.2cm 垂直跳び(助走有):102.9cm 最高到達点:353.1cm ハイライト 世代屈指の高校生プレーヤーとしてUSCに入学するも 高校入学当初からレブロンの息子として注目を集めて来たブロニー。 ESPNからは学年全体20位の評価を受け、マクドナルドオールアメリカン、Hoop Summitと有望高校生の代名詞とも呼べるオールスターゲームにも選出され、同世代のトッププレーヤー相手に活躍。 カレッジでの活躍も予感させ、オレゴン大やUCLAを擁する強豪カンファレンス、PAC-12に属する地元カリフォルニアのUSCに入学した。 ここでも活躍を期待されたブロニーだったが、シーズン前の練習中に先天性心疾患により心肺停止に倒れ、病院に搬送。シーズン開幕に出遅れる事となった。 12月10日の対ロングビーチステイト大戦でカレッジデビューを飾るも、スタッツは4

NBAドラフト2024:カレッジを蹂躙した怪獣、ザック・イーディ

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6月下旬のドラフトまで残り僅か。 今回のドラフトネタは圧倒的なサイズを武器にカレッジを支配したビッグマン、ザック・イーディを。 トラジショナルなプレースタイルのビッグマンであるイーディには、"NBAのスタイルに適応出来るか?"という懸念が常に付きまとう。 その懸念を払しょくし、NBAでも存在感を示す事が出来るだろうか? ザック・イーディ(Zach Edey) 所属:パデュー大 生年月日:2002年5月14日 ポジション:C スタッツ(2023-2024):32.0分/25.2得点/12.2リバウンド/2.0アシスト/2.2ブロック/0.3スティール/FG62.3%/3PT50%/FT71.1% 主な受賞歴:National college player of the year (2023, 2024)/ Big Ten Player of the Year (2023, 2024)/ Consensus first-team All-American (2023, 2024) 身体測定結果 裸足身長:222.9cm 体重:135.6kg ウイングスパン:240.1cm 指高:292.1cm 垂直跳び(助走有):80cm 最高到達点:372.1cm ハイライト カレッジバスケを蹂躙した怪獣 カナダ生まれのイーディは、高校時代に渡米し、全米屈指の強豪であるIMGアカデミーでプレー。 IMGアカデミーでは日本人プレーヤーである田中力君ともチームメイトだった。 学年変更により進学を早めたイーディは2020年にパデュー大に進学し、1年目から平均8.7得点4.4リバウンドを記録した。 2年目のシーズンに平均14.4得点7.7リバウンドと成長を見せると、3年目のシーズンには大きな飛躍を遂げる。平均22.3得点12.9リバウンド2.1ブロックを記録し、カレッジ最優秀選手賞を総なめにした。 4年目となった2023-2024シーズンも前シーズンと同等以上の活躍を見せ、平均25.2得点12.2リバウンド2.0アシスト2.2ブロックを記録。2年連続でカレッジ最優秀選手賞を総なめ。 2シーズンに渡りペイントエリアを支配する"怪獣"としてカレッジバスケ界を蹂躙した。 2023年のNCAAトーナメントで屈辱を味わ

NBAドラフト2024:やっぱり上級生は捨てがたい

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現地6月26日、27日に予定されているNBAドラフト2024。 青田買いのドラフトでは、将来性の高い下級生の方が高い評価を受ける傾向にあるけれど、カレッジで着実な成長を遂げ、完成度の高い上級生には即戦力としての期待が。 という事で今回は私的に今ドラフトで推している上級生を。 ハリソン・イングラム(Harrison Ingram) 所属:ノースカロライナ大 生年月日:2002年11月27日 ポジション:SF スタッツ(2023-2024):32.8分/12.2得点/8.8リバウンド/2.2アシスト/0.4ブロック/1.4スティール/FG43.0%/3PT38.5%/FT61.2% 主な受賞歴:Third-team All-ACC (2024)/Pac-12 Freshman of the Year (2022) 身体測定結果 裸足身長:196.2cm 体重:106kg ウイングスパン:214cm 指高:260.4cm 垂直跳び(助走有):88.9cm 最高到達点:349.3cm ハイライト 名門を支えたオールラウンダー スタンフォード大から転校し、今季からノースカロライナ大に加入したジュニアウイング、ハリソン・イングラム。 高校時代からマクドナルドオールアメリカンに選出される有望株で、2021年にはU19USA代表に選出され、U19W杯での世界制覇に貢献している。 スタンフォード大時代からオールラウンダーとして活躍してきたが、今季は3PT成功率を昨季の31.9%から38.5%と大きく成長。リバウンドでも平均8.8リバウンドと昨季の5.8リバウンドから数字を伸ばしている。 屈強なフィジカルを武器に、ポストアップでも強さを見せ、ディフェンスが寄ればパスを捌く視野とスキルも備えている。 身長こそSFとして平均的な水準だが、ウイングスパンが長く、コンボフォワードとして両Fポジションをこなすフィジカルがあり、スキルもオールラウンド。FT成功率には難ありだが、NBAでもタフなハードワーカーとして重宝されるプレーヤーになり得るポテンシャルがあるだろう。 リース・ビークマン(Reece Beekman) 所属:バージニア大 生年月日:2001年10月8日 ポジション:PG スタッツ(2023-2024):32.7分/14.3得点/3

気が早すぎるけれどNBAドラフト2025の注目候補を

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 さて、まだ2024年のドラフトも終わっていない中、ちょっと気が早すぎるけれど、今回は2025年のドラフト注目候補ネタを。 2025年のドラフト候補としては、デューク大に進学するクーパー・フラッグが既に日本でも高い知名度を得ていますが、フラッグの他にも魅力的なプレーヤーが多数。 ドラフト注目候補という事で今年高校を卒業するclass of 2024の中で来年のドラフトで上位指名候補となりそうな子を。勿論、来年のドラフトまでに評価が大きく変わる事があるので、その辺りは予めご了承を。 身長はESPN表記の身長を。例の如く徐々に追記していくスタイルでお願い致します。 クーパー・フラッグ(Cooper Flagg) 進学先:デューク大 出身校:モントバードアカデミー(フロリダ州) 生年月日:2006年12月21日 ポジション:SF/PF 身長:205.7cm ハイライト 攻守に穴の無い"Z世代のキリレンコ" 言わずと知れたこの学年の全米No1プレーヤー、クーパー・フラッグ。 昨季は所属校のモントバードアカデミーをシーズン無敗のまま実質的な全米制覇に導き、個人としても全米最優秀選手賞に当たるネイスミス賞、ゲータレード賞を受賞している。 高校生としては近年でも稀に見る完成度を誇る穴の無いプレーヤーだが、現時点での最大の魅力はディフェンスだろう。 恵まれたサイズと長いウイングスパン、高い身体能力とディフェンスでも常に全力でプレーする献身性を有し、全てのポジションをカバーする稀有なディフェンシブプレーヤーである。 オンボールでは執拗にボールにプレッシャーを掛け、オフボールでも長いウイングスパンと高い機動力、適切なポジションからスティールやブロックショットを量産する。 オフェンスは今もまだ発展途上であるが、アウトサイドシュート、ハンドリングとモントバードアカデミー加入以降、着実な成長を見せる。 高い打点と多彩なフットワークから繰り出されるミッドレンジジャンパーはカレッジやプロレベルでもアンストッパブルなムーブとなる可能性が。 また、2006年12月21日生まれのフラッグは現時点で17歳でドラフト時点でも18歳。この若さもドラフト候補としては大きな魅力となるだろう。 これだけ恵ま

NBAドラフト2024で富永啓生のライバルとなるドラフト候補は?

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コネチカット大の全米2連覇で幕を閉じた今年の男子カレッジバスケ。 シーズンも終了し、今年もNBAドラフトが近付いてきた。 今年のドラフトにおいて、日本のバスケットボールファンの関心事の1つが"富永啓生はドラフト指名を受けるか?"という点だろう。 ネブラスカ大のエースとしてチームを2014年以来となるNCAAトーナメントに導き、Hanes Originals Soft Touch Men’s 3-Point Championshipを制した富永君はカレッジを代表するシューターであり、2019年の八村君以来となる日本人としてのドラフト指名にも期待がかかる。 現時点では、富永君はドラフト指名が確実視される評価を受けておらず、指名を受けるとしても2巡目だろう。 これからドラフトまでの間、日本人ファンはドラフトプロセスの中での富永君関連のニュースに一喜一憂する日々を送る事になりそうだ。 また、1巡目、2巡目で計60名という限られたドラフト指名枠の中でドラフトを受けるかどうかを妄想する上で、ドラフトにおける富永君のライバルを知っておくことは非常に重要だろう。 という事で、今回は ・上級生 ・ウイング ・シューター/スコアラー という枠で2巡目やドラフト当落線上と評価されるプレーヤーのまとめを。 例の如く、徐々に追記するスタイルになりそうですがご容赦を。記載している身長はチーム公式の身長です。 富永啓生 所属:ネブラスカ大 学年:シニア 生年月日:2001年2月1日 ポジション:SG 身長:188cm スタッツ:26.0分/15.1得点/2.3リバウンド/1.4アシスト/0.9スティール/0.0ブロック/FG46.6%/3PT37.6%/FT87.5% 主な受賞歴:Second-team All-Big Ten (2024) /Big Ten All-Tournament Team (2024) 長所 波に乗るとどんなタフショットでも沈める爆発力 ディフェンスの裏をつく巧みなオフボールムーブ ハイライト 全米トップレベルに成長した日本人シューター まずは富永君のスタッツや受賞歴の確認を。 エースとしてネブラスカ大を2014年以来のNCAAトーナメントに導き、現地でも多くのメディアに取り上げられるプレーヤーへと成長した日本人シューター、